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子ども2人不登校でした


不登校からニートとなった息子の母のブログ☆

回想その3 〜小学校高学年時代のわたし〜

2022-02-16 16:16:00 | 回想
『分かっているのに発表しないのは卑怯者』と担任教師から皆の前で叱責され、深い心の傷を負った小学5年生の私。

『卑怯』と言われても、私はそれからも授業中に挙手することはなかった。

自分は価値のない人間だと思った。

毎日学校へ恥を晒しに行っているように思えた。俯いて教室の隅でなるべく目立たないようにしていた。

この頃、心から笑うことはなかった。

自分の子供から笑顔が消えていることに、毒子は気付かなかっただろう。

毒子から何かあったのかと声をかけられた記憶はない。

実家はこの年に同じ小学校の校区内に土地を買い、家を建てた。毒子の関心はそちらに向けられていた。



6年生に進級すると担任が替わった。新しい担任は優しく私を見守ってくれた。

この担任は授業中に挙手しない生徒にも指名して答えさせた。

私は当てられると緊張して黙り込んでしまうのだが、担任はニコニコして何かを答えるまで辛抱強く待ってくれた。

私は少しずつ挙手できるようになった。

少しずつ自信がついた。

仲の良い友達もできた。

新しい家に引っ越しして、自分の部屋が与えられた。

狭いアパートで夫婦喧嘩を目の前で繰り広げられる生活から解放された。

私は笑顔を取り戻した。

小6の卒業アルバムの写真は心からの笑顔で写っている

小学6年生は子供時代で一番良い時代だった。




続く




回想その2 〜毒子と私〜

2022-02-15 18:29:00 | 回想
毒子の口から出るのは

自分の自慢話か人の悪口。

友蔵の悪口はいつものことだが、

それ以外にも親戚の悪口、近所の人の悪口、自分の友達の悪口、店の店員の悪口、芸能人の悪口、そして私の友達の悪口…

家に遊びに来る友達によく言われた。

「uparinちゃんのお母さん、苦手」

友達の家に遊びに行くと、よそのお母さんはニコニコして愛想がよく、優しそうだった。

愛想の悪い毒子とは大違いだった。



そんな毒子だが、悪いところばかりでもなかった。

洋裁が得意な毒子は可愛い布地でいつも私の服を作ってくれた。

手作りのパンもよく作ってくれた。焼き立てのチーズ入りパンは美味しかった。

この頃は毒子のことが好きだった。

アルバムには毒子の手作りの服を着て笑顔で写っている幼い私のスナップ写真がたくさん残っている。

しかし、天真爛漫な笑顔で写っている写真は幼稚園まで。

小学生時代の私のスナップ写真からは笑顔が消えている。

毒子と友蔵の喧嘩が激しくなったのは、ちょうど私が小学校に上がったくらいからだった。




今思えば、あんな家庭環境で健全な心が育つはずはない。

物心ついた頃から大人が怖かった。

大人から自分がどう見られているか怖くて緊張してしまい、大人とは喋れなかった。


学校の先生が怖かった。

手を上げて発表することは一度もなかった。

小学5年生の時、担任の女教師から授業中に

「uparinさんはどうして答えが分かっているのに手を上げて発表しないの?」

「わかっているのに発表しないなんて卑怯でしょ。皆さんどう思いますか」

と皆の前で立たされて怒られた。

私は家に帰るまで涙を必死にこらえた。

毒子は当時、パートに出かけていたので、学校から帰ると私は1人だった。

鍵を開けて家に入ると、わたしはワーっと床に突っ伏して号泣した。

涙がこれでもか、これでもかと出てきた。

(私は発表しないから卑怯な悪い子なんだ!)

みんなの前で理不尽に叱られ、何も言い返せず、黙って立っているしかなかった。屈辱で、涙が溢れ返った。

もうすぐ毒子が帰ってくる時間だ。

毒子には絶対に泣いている姿を見られたくないと思った。

私にとっては毒子も信用できない大人だった。

私は毒子に弱みを握られたくなかった。

毒子が帰って来た。

私は涙を拭き、寝そべって漫画を読んでいるフリをした。

毒子は「ただいま」と私に声をかけると、急いで夕飯の支度を始めた。

私は何事もなかったように、いつものように黙って夕飯を食べた。

私は毒子に心を閉ざしていた。

辛い子供時代だった。






続く





回想その1 〜毒子と友蔵〜

2022-02-15 00:10:00 | 回想
(注)毒子への愚痴です。親への愚痴を聞いて気分不快になる方は読まないで下さい。



幼少期から私は毒子から友蔵の悪口を聞かされて育った。

毒子の洗脳により、子どもの頃は友蔵のことを「悪人」と思わされていた。

友蔵が「善人」だと分かってきたのは私が大学に入った後のことだ。


友蔵は転勤の多い地方公務員。

友蔵と毒子は見合い結婚である。

「こんなに転勤が多いと知っていたら結婚しなかったのに、友蔵が転勤があることを隠していた」

「騙された!!大嘘つき!人生狂わされた」

毒子からこの話を何百回、何千回聞かされたことか。

そして、毒子は友蔵の実家を『田舎の百姓』といつも貶していた。

友蔵は実家の悪口を言われると怒って毒子を怒鳴りつけた。

そんなふうに2人は毎日のように子供の前で大喧嘩をしていた。

口下手な友蔵は毒子のマシンガンのような口撃には勝てない。

だから手が出る。

一度は友蔵が包丁を持ち出したことさえある。

恐ろしかった。



幼い私は一方的に友蔵が悪いと思っていた。

私は毒子を守るために友蔵の背中に爪を立てた。

友蔵のことは大嫌いだった。




続く