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ウェネトさまの館

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国宝の名刀「日向正宗」と武将の美(三井記念美術館)

2021年01月13日 19時17分12秒 | 展覧会・美術関連

緊急事態宣言が再び発出され、お供のEは不要不急の外出を控えておったのじゃが、平日の昼間、仕事に行く途中で人の少ない展覧会に寄る事は解禁しましたのじゃ。

わたくしはビスクのうさぎゆえ病に罹る事はないのじゃが、お供のEは人間じゃからの、しっかりマスクをして、アルコール除菌スプレーでこまめに手指の消毒も忘れてはおりませぬ。

てな訳で、三井記念美術館「国宝の名刀「日向正宗」と武将の美」でございます。
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html


 

三井記念美術館で、これまで刀剣を主とした展覧会は開催しておらんかったとは意外じゃが、今回の開催は、新型コロナウイルスの魔を祓う意味も込めたんだそうな。

本展では、名刀をイケメン(死語?w)キャラに擬人化した『刀剣乱舞』の日向正宗のモデルとなった、国宝の短刀《名物日向正宗》をはじめとする当館所蔵の名刀全てと、「武将の美」なるコンセプトのもとに選ばれた茶道具、刀装具、雛道具、絵巻、能面などの館蔵品を展示。

構成は以下の7章。気になった作品もリスト順に。

【展示室1:武将の茶道具】
武将や大名とかかわりのある茶道具。

《交趾写寿字文筒花入(偕楽園製)徳川治宝より 三井高祐拝領》江戸時代・19世紀
藍色の地に、鮮やかブルーで中国チックな文様。

【展示室2:武将の茶道具】

《粉引茶碗 三好粉引 三好長慶・豊臣秀吉所持》朝鮮時代・16世紀
重要文化財。三好長慶が所持したところから「三好粉引」と呼ばれ、その後は豊臣秀吉が所持し、金森家を経て江戸時代に北三井家の所蔵となった茶碗。

【展示室3:如庵 織田有楽】
如庵ケースに茶道具の取り合わせ。

【展示室4:刀剣・絵画】
本展の主役である刀剣12点が、絵画を交えて展示。

《薙刀 銘一》鎌倉時代・13世紀
重要文化財。備前福岡一文字派の薙刀。鎌倉時代の特徴の、比較的小振りで反りが浅くて先が張らぬ姿。

《短刀 無銘正宗 名物日向正宗》正宗 鎌倉時代・14世紀
国宝。本展のタイトルにもなった、正宗の短刀の筆頭に挙げられる名品。展示室6には拵も展示。
『刀剣乱舞』では「日向正宗」としてキャラクター化されておるのじゃ。
何ゆえ「日向」かと思うたら、桃山時代に石田三成が所持し、関ケ原の合戦の際、水野日向守勝成が手に入れた事から「日向正宗」と称されるようになったと伝えられておるからだそうな。
ちなみに『刀剣乱舞』の日向正宗はこちらじゃ。短刀にも注目。(1階の写真撮影可のパネル)


 

《短刀 無銘貞宗 名物徳善院貞宗》貞宗 鎌倉〜南北朝時代・14世紀
国宝。表に不動明王の梵字に剣と爪、裏に金剛夜叉明王の梵字に護摩箸と爪が彫られた素敵な短刀。
以前にも観てお気に入りじゃったゆえ、再会できて嬉しいぞよ。

《竹図屏風》円山応挙 江戸時代・18〜19世紀
応挙の6曲1双の屏風。
全くの余談になりまするが、お正月に見たドラマ『ライジング若冲』で、若冲にライバル心を燃やす可愛い絵師が、ドラマの最後で応挙だと判明し、笑ったのじゃった。

【展示室5:太刀の拵と大名家の雛道具】
刀身もよいのじゃが、実はわたくし、刀身より拵のほうに興味があるのじゃ。
雛道具も、当館所蔵のものはどれも素晴らしく、お気に入りなのでございます。

《葵紋蒔絵糸巻太刀(重文 太刀 銘則宗の拵)》江戸時代・18世紀
展示室4に展示の、則宗の太刀に付属する拵で、葵紋の蒔絵も優美。

《桐紋唐草蒔絵雛道具(蜂須賀家・戸田家婚礼調度)》江戸時代・19世紀
136件にも及ぶ雛道具の一部で、梨子地に桐紋と唐草の金の蒔絵に、銀製金具も付いてゴージャス。
ドールサイズの振袖や小袖もございます。

【展示室6:刀剣の拵】
ここでも拵が観られて嬉しいのじゃ。

《葵角紋桐紋蒔絵糸巻太刀(太刀 銘宗光の拵)》江戸時代・18世紀
太刀つばが外されて展示され、図もあってわかりやすい。

《葵唐草文漆絵小脇指(国宝 短刀 日向正宗の拵)》江戸〜明治時代・19世紀
展示室4に展示の、国宝「日向正宗」に付属の拵。
鞘は、黒漆塗の上に黒漆で葵唐草文が描かれた夜桜塗、金具の細工もたいそう緻密で、美しくカッコいい拵じゃ。

《丸十字紋鳳凰蒔絵螺鈿脇指(脇指 銘西蓮の拵)》江戸時代・19世紀
薩摩藩島津家の丸十字紋が入った脇差の拵で、華やかじゃ。

【展示室7:絵画・能面・甲冑】

《酒呑童子絵巻》亀岡規礼 江戸時代・19世紀
都の貴族の娘たちをさらう大江山の鬼(酒呑童子)を、源頼光らが退治する物語。
頼光に切り落とされた酒呑童子の首が飛んで、頼光の頭に食らいつくシーンがお気に入り。
頼光が手にしている刀は「童子切」と呼ばれたそうな。

《紺地火焔雲龍縫取側次》明治〜大正時代・20世紀
紺地に金襴手。龍を並べて紅白の火焔を対比されておる。

《能面 牙癋見 伝上杉謙信より拝領》伝赤鶴 室町時代・14〜16世紀
重要文化財。鼻の穴がデカ・・・(きゃ~ごめんなさい~・逃)

《模造 紫糸妻取威鎧(歌絵金物)春日大社伝来甲冑写》三浦助市 昭和9年(1934)
春日大社に伝わった鎌倉時代の大鎧を昭和初期に厳密に写した甲冑。

ショップは、今回の図録は作られておらんかったが、刀剣のポストカードや、刀剣乱舞のコラボのクリアファイルや缶バッジがございました。
大好きな陶芸作家、泉水の作品が数点販売されており、差呑盃2点(うさぎとねずみ)を観られたのも嬉しゅうござりました。

今まで刀剣にさほど興味はなかったのじゃが、興味深く楽しめる展覧会でありました。
会期は1月27日まで。入場はネットからの事前予約制じゃ。

この他に観た展覧会の話は、また後日。

★おまけ画像
久々の松屋で焼き牛めしテイクアウトしたら、オマケにミニ牛皿が付いてきたぞよ。
キャンペーンの事を知らなかったゆえ、帰宅して袋から出して驚いたのじゃった。