昨年に続き、今年も8月中は夏休みスペシャルと勝手に題して、オータサン以外にもある!すばらしきウクレレ音盤の世界を週刊ペースでご紹介したいと思う。
最初はこちら、Hibiscusというニュージーランドのレーベルが出していた「South Pacific Festival Of Arts」というシリーズの一枚。フィジー共和国の首都Suvaで開催された同名の音楽フェスでの実況録音盤のようである(録音では観客の歓声などはフェイドアウト編集により聞こえない)。
A1 Song Of The Islands
A2 Pokarekare Ana
A3 Hano Hano Lei
A4 The Sheik Of Araby
A5 Five Feet Two Eyes Of Blue
A6 Hawaiian Song
A2 Pokarekare Ana
A3 Hano Hano Lei
A4 The Sheik Of Araby
A5 Five Feet Two Eyes Of Blue
A6 Hawaiian Song
B1 On The Beach
B2 12th Street Rag
B3 Ukulele's Song Of Love
B4 Hilo March
B5 When The Girl In Your Arms
B6 Farewell Songs
B2 12th Street Rag
B3 Ukulele's Song Of Love
B4 Hilo March
B5 When The Girl In Your Arms
B6 Farewell Songs
a. Maori: Po Atarau (Now Is the Hour)
b. Fijian: Isa Lei
本作の主役であるSione Alekiは、トンガ出身の盲目のウクレレ奏者。スティールギター入りのハワイアン風バンドを従えた演奏だが、メンバー等は不明。
トンガはハワイやタヒチ、イースター島などと同じくポリネシア圏に属する王国で、楽器伝来の起源は不明ながらウクレレなどの楽器を奏でながら宗教曲などを合唱する文化もあるという。
Sione Alekiというアーチストについては日本では殆ど知られていないが、本アルバムのジャケット写真に見られるように「歯でウクレレを弾く」ほか、ウクレレをひっかき、叩き、地面にこすりつける等、音を鳴らす為のあらゆる方法を駆使し、傷だらけでボロボロのウクレレを弾き倒す独特の演奏スタイルの持ち主だったようだ。
このように書くと何やらキワモノという印象を持たれてしまうが、レコードで聴ける音は意外なほどオーセンティックなコード奏法&ジャカソロ。トリッキーな音はA4.のエンディング近くあたりに、擬音が少々聞かれる程度。この72年制作のレコードは「12th Street Rag」や「Hilo March」、「Five Feet Two Eyes Of Blue」といったウクレレ定番曲も含め、この時代に録音されたウクレレ音楽としては偏見無しに素晴らしい演奏で、一聴に値する。
YouTubeには生前の多くの動画がシェアされており、2009年に故郷トンガで亡くなるまで演奏を続けていた様子を閲覧することができる。