2000年にMusic Scapeという日本のレコード会社からCDリリースされた、オータサンのウクレレ独奏による全曲J.S.バッハのクラシック作品集。1996年から1997年にかけて、ハワイと東京での録音。なお面白いことに本作と同時期にクラシック音楽を得意分野とするアメリカのウクレレ奏者、John Kingもバッハ作品集を発表している(そちらは1996年から1998年にかけての録音とのこと)。ウクレレによる全曲クラシック作品集と聞くととんでもない大珍品を期待してしまうところだが、聴いてみると意外なほど違和感なくサラリと聞かせてしまうところ、さすがに演奏テクニックだけの問題ではなく、"ウクレレの神様"オータサンのジャンルに拘らず楽曲を解釈する力量をまざまざと見せつける。(クラシックギターと比べてどうなのか、という比較は無粋だと思う)
一方でオータサンのインタビューなどで度々大変だった思い出のレコーディングとして笑い話として語られるためにファンにはお馴染み。曰く、レコーディングスタジオではマイクに雑音が入るからと空調を止められ、暑い中で何度も何度も録り直しさせられて・・・といった話。ピックアップも使用せずアコースティックなウクレレの生音で録音された事がうかがえるエピソードだ。
1.Toccata And Fuge, BWV 565
2.Bourree I & II, BWV 1009
3.Largo, BWV 1056
4.Menuet, BWV 1067
5.Prelude, BWV 853
6.Siciliano, BWV 1031
7.Sarabande, BWV 1008
8.Air, BWV 1056
9.Menuet, BWV 114
10.Menuet, BWV 115
11.Badinerie, BWV 1067
12.Prelude, BWV 558
13.Sheep May Safely Graze, BWV 208
14.Sarabande, BWV 1011
15.Jesus, Joy of Man's Desiring, BWV 147
16.Ave Maria
2.Bourree I & II, BWV 1009
3.Largo, BWV 1056
4.Menuet, BWV 1067
5.Prelude, BWV 853
6.Siciliano, BWV 1031
7.Sarabande, BWV 1008
8.Air, BWV 1056
9.Menuet, BWV 114
10.Menuet, BWV 115
11.Badinerie, BWV 1067
12.Prelude, BWV 558
13.Sheep May Safely Graze, BWV 208
14.Sarabande, BWV 1011
15.Jesus, Joy of Man's Desiring, BWV 147
16.Ave Maria
全曲、オータサン自身がアレンジも担当しており、大真面目にクラシック音楽にウクレレ1本で果敢に取り組んでいる。この翌年にハワイM&Hからリリースした次作「Holiday For Strings (2001)」もクラシックからの選曲も含むウクレレ独奏によるアルバムだった事から、この時期はウクレレ独奏によるアルバム制作の可能性を追求されていた時期だったのだろう。プロデュースは同レーベル代表でもあるカズ・イシカワ。
CDにはギター奏者・津村昭治氏によるライナーノーツが付属するが、音楽家の視点から書かれたなかなか興味深い内容の文章である(平岡精二氏や八木正生氏との交流についても触れていたりして、思わずニヤリ)。