ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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0257_神々の戦い(026)裕也の冒険-時の魔法人の門⑤-

2020年10月20日 19時38分30秒 | 裕也・冒険日記(自作小説)

0257_神々の戦い(026)裕也の冒険-時の魔法人の門⑤-

扉が開く。
「ぎぃぃい。ぎぃ。」

--(2)慈愛の試練①--

扉を開け、一歩踏み出すと、そこは街であった。

天空に声が響く。
「ここは、慈愛の門である。
 お前の慈愛を試そう。」

街の道端には、多くの人が出ている。
若者は、どのような街か聞こうと街人に近づいた。
「うぅぅ。う。うぅぅぅ。」
街人は、呻(うめ)いている
顔は、半分爛(ただ)れている。
(う。何て惨(むご)い。)
若者は、この悲惨な状況にショックを受けた。
(これは、現実なのか?
 だとすると何が原因だろうか?
 何かの疫病なのだろうか?)
そういろいろ考え思った。
街のあちらこちらで呻き声を上げている。
(何て悲惨なんだ。)
ふと見ると、街の広場がある。
その中心で、黒い僧服を着て首から数珠を下げている者がいる。
その者は、何かを叫んでいる。
「この苦しみは、神から与えられた苦しみだ。
 神は、我々に試練を与えられる。
 この苦しみに耐えなければならない。
 甘んじて神の意志を受け入れるのだ。
 苦しくは無いのだ。」
その村長(むらおさ)らしきものには、
病気の気配も苦しんでいる様子もなかった。
その長(おさ)に赤ちゃんを抱いた女性が近づいて行く。
女性の体は、半分爛(ただ)れていたが、赤ちゃんは健康そうであった。
元気に泣いている。
「この子にお乳をあげれません。
 長(おさ)よ。どうかこの子を助けてください。」
女性は、苦しみながらも懇願(こんがん)した。

つづく。 次回(時の魔法人の門⑥)

 

 


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