ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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不思議なハートの力00081-光と闇の第二回戦-

2022年03月22日 19時26分40秒 | 不思議なハートの力(自作小説)「R指定はありません」

不思議なハートの力00081-光と闇の第二回戦-

--光と闇の第二回戦(005)--

「その顔には、見覚えがある。
 光の民に捕らわれ拷問を受けたアイリス。
 剣道ごっこは、終わりにしよう。
 ここからは、生死を賭けた戦いだ」
イクタスは、アイリスをあざ笑うかの如(ごと)く声をあげた。

「アクティス。ごめんなさい。
 どうしても勝ちたかったの」
アイリスは、動揺している。
「いいえ。私が悪いの。
 自分の無力(むりょく)さに負けたの。
 アクティスさんのことをアイリスから聞いてから、
 夜の闇(やみ)が安らぎになったの。
 戦いは、やっぱり何も生まない。
 止めなきゃ」
日鶴は、アクティス、直接的にはアイリスに闇から救われたのである。
彼女は、アクティスの心に触れ闇を苦痛だとは、感じなくなった。
闇に温盛(ぬくもり)があることを知ったからである。
「バシィーーーィ」
「バシィーィ。バシィーーィ。バシィーーーィ」
イクタスは、アイリスを光輪剛無双剣(こうりんごうむそうけん)で強烈に打ち込んだ。
アイリスは、辛(かろ)うじて受け止めていたが、
衝撃で意識を失いかけていた。
その移ろう意識の中で拷問の記憶が蘇(よみがえ)る。
光の神が起こした戦争。
捕らわれたアイリス。
アイリスは、闇の種族の村の様子を話さなかったか、
光の民から必要にアクデシアの家の配置を話すように拷問をされた。
石のデコボコの床に座らされ、
その上、足に石を乗せられた。
足の骨は砕(くだ)けた。
そして、背中を棒で打(う)たれた。
その力は人ではなかった。
その通り人の体を借り、行っていたのはイクタスである。
体を借りると声が自分の声に変わるからである。
「覚えている。その声は、拷問の主(ぬし)」
アイリスは、睨(にら)んだが、睨みながら気を失いかけた。
真菜美は、何とかしようと心をアイリスに向けた。
アイリスの痛み、苦しみ、悲しみ、裏切りへの失望、
死の悲観の感覚が、それらが全て一緒(いっしょ)くたに流れ込んできた。
(真菜美はアイリスとリレーションした。意識が流れ込んでくる)
真菜美は、その衝撃に怒りが爆発した。
「イクタス。
 殺し合いは、剣道でもなんでもない。
 スポーツと争いは違うわ」
真菜美は、アイリスの前に立っていた。
「何があったとしても、
 苦痛を与えて人を弄(もてあそ)んではいけないのよ」
真菜美は、イクタスの剣を受け止めていた。
右手に白く灰色に光る白灰光(はくはいこう)の剣を持っていた。
人差し指の真闇石(しんあんせき)が青く光る。
(アクティスさん。ありがとう。指輪の守護ね)
「おのれ!小娘!何様だ!その剣はなんだ!」
イクタスは、思わず叫んだ。
受け止めたと言っても真菜美に剣技があるわけでもない。
イクタスは、怒り剣を力任せに振り回す。
「ガシィーー」
「ガシィ」
「ガアシィーーーィ」
真菜美は受け止めた。
イクタスの剣は力こそあったが、
軌道は読みやすかった。
真菜美は、何故(なぜ)か力では負けなかった。
それは、精神の強(つよ)さなのか。
心の強さは、心の大きさなのであり、他人への愛の大きさである。
イクタスは、一撃必殺とばかり剣を上段高くから渾身の力を込めて振り下ろす。
「小娘!これは受けれまい」
真菜美の体は、その剣を体を投げ出し交わした。
体は、イクタスの足元にたどり着いた。
そして、真菜美は、イクタスの腹に胴着ごと突き破(やぶ)り刺した。
「うぅぅぅぅ」
イクタスは、喘(あえ)いだ。
白灰光の剣は、ブラハブの剣のように、
ブラハブの剣は、もともと真闇石から生み出されたのである。
剣は白光(はっこう)に輝きイクタスの体を剣に集め飲み込んでいく。
「あぁぁぁ。
 そんなばかな。
 うううぅぅぅ」
イクタスのからだは、灰色になり薄れ。そして消えた。
白灰光の剣に飲み込まれたのである。
そう。どこに命が消えたかは、誰もわからない。

光と闇の二回目の戦いは、終わった。
真菜美の人を思う心の強さが勝ったのである。

つづく。 次回(剣道大会は、どうなるの?)

#不思議なハートの力 #不思議なハート #自作小説 #真菜美 #朋子 #日鶴 #神海 #剣道大会(決勝)


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