ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

パソコン講習とソフト開発をしています。自作小説も掲載しています。ネット情報発信基地(上野博隆)Hirotaka Ueno

闇と光の慈愛のコントラスト(102)新たな時-はじめての犯罪②-

2023年02月15日 11時05分23秒 | 闇と光の慈愛のコントラスト(自作小説)

闇と光の慈愛のコントラスト(102)新たな時-はじめての犯罪②-
==第二章、闇と光の決着==

--新たな時(015)初めての犯罪②--

-欲望の誘惑-

闇と光の種族の大戦の1週間後、会議が行われて、
新たに戦いの準備として作業に取り掛かった。

話は、少し過去に戻り、会議の前日、金塊を発見した日。
モウジィは、仲間数名を連れて鉄の鉱山を探しに出かけた。

「とにかく岩肌を探そう」

山の頂上に向かい。
森に入った。
方向も何も分からないが、モウジィは、何ら心配していなかった。
その時、彼らの後を隠れて見ている人影がある。
アクティスである。
アクティスは、闇の村を偵察(ていさつ)した後、
光の種族の村も偵察しようと思い、
足を延ばしたのである。

「何か微(かす)かに不思議な匂(にお)いがします」
メンバーの一人が言った。
「そうですか、あまり感じませんが何か匂いますか?」
違うメンバーが言う。
「気のせい。気のせい。何かの花でしょう」
モウジィは、陽気に答えた。
(魔寄せの匂いが漂(ただよ)ってる)
アクティスも感じ取っていた。
モウジィたちは、知らず知らずに匂いの方に歩きだしていた。
(まずいわ。隠れている洞窟が見つかってしまう)
アクテイスは、何とかモウジィたちの歩む足を違う方向に向けなければと思った。
(幻覚か。それしかない)
アクティスは指を嚙み切った。
血が滲(にじ)みだす。
そして、呪文を唱える。
血は、霧となりモウジィたちの方へ流れていく。
アクティスは、子供のころから、お爺様(じいさま)の書庫にあるいろんな本を読むのが好きであった。
そのなかにいろんな儀式の本があった。
呪文と魔法陣の本と言っても良いかもしれない。
血の霧は、モウジィたちに吸い込まれ彼らの脳にまわる。
直ぐに儀式は効いた。
「前の林が動いている。
 なにかいるぞ!あ!ぁ!大蛇だ!」
大きな2つの目。漆黒(しっこく)でその奥に闇が見える。
見つめていると吸い込まれるようである。
そして、口を大きく開き、牙が二本むき出している。

今にも飲み込まれそうである。
これは、当然、幻覚である。
モウジィが叫んだ。
そして、慌(あわ)てて方向を変えて逃げ出した。
他のメンバーも追(つい)従い逃げていく。
アクティスは一安心した。
そして、血で地面に魔方陣を書いた。
それは、永続的にその場所に近づくものに幻覚を見せる。
モウジィたちは、どこをどう逃げているかも考えずに、
ひたすら遠ざかった。
そして、やっと一息ついた。
木が茂っていない岩肌の崖の中腹に出たのである。
そこの壁の様に切り立った岩の層に金色の層があった。
モウジィは、落ち着いてその岩肌に触ってみた。
「これは。この層は何だ!綺麗(きれいな)な金色に輝く鉱石だ」
モウジィは、なぜか喜んで仲間と握手していた。
そこを持ってきた石斧(いしおの)をぶつけて掘った。
やっと、一塊(ひとかたまり)を掘り出すことが出来た。
「今日は、とりあえず帰ろう」
「どうやって村に帰るのですか?この場所がわかりません」
「秘密の機器があります」
モウジィは、懐(ふところ)から方位磁石を取り出した。
それには、針が2つ付いていた。
「これは、一つは東西南北の方角、もう一つは、光の村の方向を示しています。
 ドッボォフ様から頂いたものです」

この方位磁石があったから安心していたのである。
その場に居たメンバーは、
ゲンジェ。ガンジェ。ウォンゴン。ペネ。
エデガン。クィージェ。ホンシャン。
です。メンバーは、みな安心した。
彼らは、モウジィと親しい仲間である。
無事にモウジィは、金の塊を一つ持ち帰った。
この中に金塊を後日に盗む犯人はいる。

ガンジェは、帰ってきた方向を必死で確認していた。

つづく。 次回(初めての犯罪③ーその晩に何が起こったー)

#闇と光の慈愛のコントラスト #闇と光 #自作小説 #サンディア #アクティス #新たな時 #モウジィ #ゼーデェ 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする