ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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0037_魔物の誤解⑲(閉ざされし者②)裕也日記

2012年03月17日 08時32分35秒 | 裕也・冒険日記(自作小説)
0037_魔物の誤解⑲裕也日記

--(閉ざされし者②)--

6人は、通路の奥に進んだ。
辺りに光はない。
呪いの子は、人差し指を高くあげて
「サジェステ」と叫んだ。
指から青い光の玉が飛び出し、前を照らす。
青い光の玉は、6人の前を同じスピードで
進んでいく。
檻(おり)が見えた。
鉄格子の奥に20の青い目がうごめいている。
向こうからも青い光が見えるのか
「ガぁー ゴォー ガァー ガチャ …」
とおぞましい音が聞こえる。
6人は、とうとう檻(おり)の前まで来た。
鉄格子は、太い鉄の鎖(くさり)で吊(つり)り上げられている。
その先には、大きな岩が結び繋がれていた。
呪いの子は、呪文を唱え始めた。
「ルゥーン アウデ ルゥーン ギョウデェ …」
閉ざされし魔者は、急におとなしくなった。
呪いの子「エジェ 鎖を切って」
剣をエジェに渡した。
エジェは、全身の妖気を剣に込める。
剣は、青白く光っていた。
エジェ「いくわよ」
「ギュン ギュン ギュン」
鎖は、その太さにもかかわらず「スパット」切れた。
(やっぱり 私でなきゃ)
(エジェなら像を傷つけられたかも)

「ガガガガァ ドォーン」

鉄格子は、つるされていた束縛(そくばく)を失い。
地面に吸い込まれるように消える。
6人は閉ざされし魔者と向き合う。
魔者と隔てるものはない。
魔者が「ガォーン」と声をあげる。
急に、6人の方に襲い掛かってくる。
「逃げるわよ」呪いの子
魔者は、開放の喜びか、それとも肉欲のせいか、
まっすぐに向かってくる。
6人は、走り出した。
呪いの子は、走りながら呪文を唱えていた。
そのため、どこまでもついて来る。
通路は、岩だらけ、ところどころ苔(こけ)がついている。
メンディアが、苔に足をとられ転ぶ。
襲い掛かる魔者。
「ア」
エジェがメンディアの手を持ち、光になって飛び上がった。
6人、みんな、光になり飛び上がった。
メンディア「助かった ありがとう」
メンディアとエジェの下を魔者が走り過ぎていく。
呪いの子は、その前を光になり飛んでいた。
エジェ「後から行きましょ」
メンディア「そうね」ほっとして呟(つぶや)いた。

つづく 次回(大乱闘)
コメント
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