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漢字の「右」「左」には「たすける」という意味がある

1978年7月30日、沖縄県における道路交通がアメリカ統治時代以来の右側通行から左側通行へ変更になった、通称ナナサンマル。その記念日が近づいてきました。それにちなんで、「右と左」にまつわる言葉の話題をお届けしたい。

漢字で「右」「左」に「にんべん」を加えた「佑」「佐」、そして「右」に「しめすへん」を加えた「祐」は「たすける」という意味があります。単に「右」「左」という漢字にも「たすける」という意味があります。これらの漢字は名乗(人名用の訓読み)では「すけ」、「たすく」と読みますね。

「右だけではできないことを左が助ける」、「左だけではできないことを右が助ける」という発想から、こういった漢字の意味が生まれたのだろうと、思いをはせてみました。
「みぎ」「ひだり」という方向を表す意味が最初にできて、「たすける」という意味は後から派生したと思いきや、実際にはその逆らしい。

「右」「左」という漢字のなりたちを見ると…
「右」は神に祈る姿から生まれた字で、神に祈って助けを求めることから、「たすける」を表すようになった。後に方向を表すようになったため、「たすける」にはにんべんを加えた「佑」が用いられるようになった。また、神の助けを意味するので、神を表す部首であるしめすへんを加えた「祐」という字も生まれた。
「左」は左手に工具を持つ姿から生まれた字で、右手だけでは困難な作業を左手が補助することから「たすける」を表す。後に方向を表すようになったため、「たすける」にはにんべんを加えた「佐」が用いられるようになった。

漢和辞典の付録に載っている「同訓異義一覧」の「たすける」の見出しを見ると、だいたい以下の通り。
「佑・右・祐」は神や天がたすける、また、手を貸すという意味で、強い者の力の働きでたすけるという意味合い。
そういえば先週の「旅サラダ」という番組の「コレうま」のコーナーで紹介された四字熟語は「天佑神助」だったね。
一方「佐・左」は二番手になってたすける、補佐するという意味で、目下の人が目上の人をたすけるという意味合い。
※ちなみに「補佐」のもとの用字は「輔佐」で、「補佐」と書くのは1956年の「同音の漢字による書きかえ」による。

右利きが圧倒的に多いこともあってか、右が左より上位と考えられ、人が横1列に並ぶ時上位者から順に右から並ぶことが多い。「右に出る者がいない」という慣用句もある。右(佑・祐)の「たすける」と左(佐)の「たすける」の意味の違いも、そういったことの表れかしら?

「たすける」の同訓異義の漢字は他に、助、輔、援、扶、翼などがあり、漢字ごとに意味やニュアンスが異なる。普通の日本語でこれらを使い分ける必要はなく、「たすける」はすべて(「たす-ける」の読みが常用漢字表に載っている)「助ける」で書いてOKです。

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