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ゴールデン「ウィーク」か「ウイーク」か

今年のゴールデンウィークは新型コロナウイルスの流行で遊びに行くのを我慢しないといけなかったので、「我慢のウィーク」で「GW」とも言われましたね。

さて、ゴールデンウィークといえば、世の中では「ゴールデンウィーク」というふうに小さい「ィ」で書かれることが圧倒的に多いけど、新聞では大きい「イ」を使った「ゴールデンウイーク」という表記を採用しているものが多い(私は琉球新報を取っているので、新聞関係は琉球新報での使用例を中心に説明する)。琉球新報でも執筆者の趣向が優先される記事では「ゴールデンウィーク」を使っていた。テレビの画面に表示される文字でも「ゴールデンウィーク」と書かれていることの方が多い。
昔は比較的「ゴールデンウイーク」と表記、発音されることが多かったみたい。私が小さいころのお母さんも「ゴールデンウイーク」と発音していたけど、今は「ゴールデンウィーク」と発音している。今どき「ゴールデンウイーク」と発音する人は少数派だろう。

つまり、原音の[w+母音]を外来語として取り入れたとき「ウイ」「ウエ」「ウオ」とするか、「ウィ」「ウェ」「ウォ」とするかという問題ね(後者の方が原音に近い)。
「ウィ」「ウェ」「ウォ」は「外来語の表記」の「第2表」にあり、第2表は原音により忠実に表記したい場合に用いるものとされ、主に外国の固有名詞を表記する際に適用される。そこまで原音に忠実に表記する必要がない場合は第1表の範囲内での表記で十分とされる。
新聞ではそれに基づいて、外国の人名や地名には「ウィ」「ウェ」「ウォ」を使用し、それ以外の一般名詞などには「ウイ」「ウエ」「ウオ」を使用するのを原則としているのだろう。また、「ウェブ」、「ハロウィーン」(ちなみに、琉球新報で今は「ハロウィーン」と表記しているけど、その行事が日本でまだ普及していなかったころは伸ばさない「ハロウィン」で表記していた)、「ウィンウィン」比較的新しく日本語に取り入れられたものは「ウィ」「ウェ」「ウォ」で表記される。琉球新報で「ウィークリー(マンション)」も小さい「ィ」で書かれていた。これも近年から使われるようになった言葉なのだろう。
オランダ船籍のクルーズ船「Westerdam」は固有名詞だけどなぜか「ウェステルダム」ではなく「ウエステルダム」と表記し、ニュースでもそのように発音している。船だから日本のそれ関係の業界で使われてる表記に倣ったのかな。

小1か小2のころのカタカナをなぞる問題で「ロープウエー」というのが出てきた時、私は「ロープウェー」というふうに小さい「ェ」で書くものだと思ってたから、大きい「エ」で書かれていることを疑問に思ったけど、今思えばここで述べたような理屈なんだなと納得できる。(新聞は別として)近年はより原音に近い「ロープウェイ」が主流かな。

慣用とか、単語によっては感覚的に「ウイ」「ウエ」の方が言いやすいっていうのもあると思う。下に挙げた単語がそうなんだよね。
ウインク、ウインカー、ウイング、ウエスト、ウエディング、ウエット

「ウイルス」も小さい「ィ」で「ウィルス」と書かれているのもよく見る。元はラテン語で、「ウィルス」のほうが原音に近いけど、日本語としてはほぼみんな「ウイルス」と発音する。「ウィルス」と書いている人も話すときは「ウイルス」と発音しているはずで、多くはなんとなく小さい「ィ」で書くだろうぐらいの感覚で「ウィルス」と書いていると思われる。一応、テレビでごくまれに「ウィルス」と発音しているのを聞いたことはある。

新聞社によりけりでもある。例えば朝日新聞では「ゴールデンウィーク」という表記を採用している。『朝日新聞の用語の手引』という本も読んだことがあって、「ゴールデンウィーク」と載っていた。

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