宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

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のんびりしようよ

みらーじゅ 49

2009-01-17 15:06:41 | 小説 ミラージュ
「ね、ここ、水が増えてますわ」
 言われて辺りを見回すと、確かにじわじわと水かさが増している。さっきまでは、石畳の上までに水は来ていなかったのが、ひたひたと水が迫ってきている。しかも、グルラディーヌ付近の水が波打ち始め、檻が徐々に水面に近づいていっている。
「ちょっと、何これ、やだ」
 逃げ場のないグルラディーヌが檻の隙間から手を伸ばし、上にかぶさっている枝を掴んだ。
水面に近づく速度は遅くなったものの、今度は水面下から新たな根を伸ばしてグルラディーヌを捕まえようとする。
「や・・・・・、やだ、・・・・・    」
 グルラディーヌを恐怖が包み込んだ。
「------」
 鳥の声のような高い音が、空間にこだまする。
 ピィ ・ ・ ・ ・ ン
 グルラディーヌの発した声に竪琴が反応した。
「何ですの、一体?」
 グリシーヌがそう言ったのも無理はない。
 竪琴の音に合わせて、水の動きが静まっていく。そして、・・・・。
 水の中から金の光が浮上した。

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