「あの、・・・・」
突然のミイコの声に二人の男性の目が集中する。
一瞬、詰まったミイコだが、思い切ったように疑問を口にした。
「あの、モルドの全てが危険な存在なのでしょうか?」
コウジの顔が僅かに反応する。
「モルドが・・・ですか? いえ、全て危険とは、言えません。中には、人類の味方をするモルドもいます」
「味方って?」
そう言ったのはマドカ。訳が分からないといった顔だ。
「対モルド用の武器等は、モルドの技術提携があってのことですし、そもそもこの組織アトフの創始者の中にもモルドがいます」
え? モルドがモルドに対抗する?
信じられないのは、ミイコもマドカも同じこと。
「人類が戦争をしますね。喧嘩や抗争、同じ人間同士で・・・。それは、モルドも同じ事なんです。人と共存を望むモルドとそうでないモルドと・・・・、その他にも様々なモルドがいます。基本的にアトフは、人に害をなすモルドを廃するための組織なんです」
コウジの言葉に、ミイコとマドカが顔を見合わせた。
「モルドは、自らの安全が、我々は、モルドの科学力が・・・。アトフは、モルドの科学力を提供してもらい、かわりにモルドを守る。モルドからモルドを。まあ、モルドが自分達の抗争にたまたまそこにいた人間達を巻き込んだようなものかもしれませんが・・・。それでも、モルドに対抗するには、モルドの科学力が必要なんです。たとえ、矛盾してるとしても」
そう言って、コウジが自嘲気味に笑う。
「さっき、その他にもって言いましたよね。その、モルドの中には、自覚のないモルドっているんですか?」
ミイコの問いに“何、あほな事を・・・”という顔のマドカだが
「自覚のないモルドは、確かに存在します。すでに確認されているものだけで、20人ほど。他には、自覚はあるものの、人として社会に溶け込んで日常生活を送っているモルドもいます。アトフの内部だけですでに100人近くいます」
という、コウジの答えが返ってきた。
「どうして、自覚がないんですか?」
「そうですね。たとえば、人として生活しているモルドの両親から生まれて人として育ったとか、まだ自意識のないうちに人を取り込んでコピーして、そのまま育った。あるいは、これは非常にまれなのですが、取り込んだ人の意識にのまれるたり、モルドの記憶を失い人の記憶のみが残ったという場合などもありました」
突然のミイコの声に二人の男性の目が集中する。
一瞬、詰まったミイコだが、思い切ったように疑問を口にした。
「あの、モルドの全てが危険な存在なのでしょうか?」
コウジの顔が僅かに反応する。
「モルドが・・・ですか? いえ、全て危険とは、言えません。中には、人類の味方をするモルドもいます」
「味方って?」
そう言ったのはマドカ。訳が分からないといった顔だ。
「対モルド用の武器等は、モルドの技術提携があってのことですし、そもそもこの組織アトフの創始者の中にもモルドがいます」
え? モルドがモルドに対抗する?
信じられないのは、ミイコもマドカも同じこと。
「人類が戦争をしますね。喧嘩や抗争、同じ人間同士で・・・。それは、モルドも同じ事なんです。人と共存を望むモルドとそうでないモルドと・・・・、その他にも様々なモルドがいます。基本的にアトフは、人に害をなすモルドを廃するための組織なんです」
コウジの言葉に、ミイコとマドカが顔を見合わせた。
「モルドは、自らの安全が、我々は、モルドの科学力が・・・。アトフは、モルドの科学力を提供してもらい、かわりにモルドを守る。モルドからモルドを。まあ、モルドが自分達の抗争にたまたまそこにいた人間達を巻き込んだようなものかもしれませんが・・・。それでも、モルドに対抗するには、モルドの科学力が必要なんです。たとえ、矛盾してるとしても」
そう言って、コウジが自嘲気味に笑う。
「さっき、その他にもって言いましたよね。その、モルドの中には、自覚のないモルドっているんですか?」
ミイコの問いに“何、あほな事を・・・”という顔のマドカだが
「自覚のないモルドは、確かに存在します。すでに確認されているものだけで、20人ほど。他には、自覚はあるものの、人として社会に溶け込んで日常生活を送っているモルドもいます。アトフの内部だけですでに100人近くいます」
という、コウジの答えが返ってきた。
「どうして、自覚がないんですか?」
「そうですね。たとえば、人として生活しているモルドの両親から生まれて人として育ったとか、まだ自意識のないうちに人を取り込んでコピーして、そのまま育った。あるいは、これは非常にまれなのですが、取り込んだ人の意識にのまれるたり、モルドの記憶を失い人の記憶のみが残ったという場合などもありました」