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JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 21 第二の銃弾"magic bullet"について

2018-02-25 | JFK暗殺事件について
【第二の銃弾"magic bullet"について】

 ウォーレン委員会報告に基づく公式説によれば、オズワルドが放った第二の銃弾は、ケネディ大統領の喉元を背後から貫き、前の座席にいたコナリー州知事の胸をも貫通し、さらに軌道を変えて知事の腕の骨を砕いて貫通した、とされている。

 一発の銃弾による銃創とはとても信じがたいことや、二人の被弾位置が一つの弾道では説明困難なこと、さらに原形をとどめながら病院のストレッチャーから発見されたという異常な経緯から、先述の通り"magic bullet"(魔法の銃弾)と通称され、公式説を疑う陰謀説のひとつの焦点となってきた。映画「JFK」でも裁判の場面で印象的に取り上げられていたのをご記憶の方も多いだろう。







※上:「魔法の銃弾」説の典型的な図解
 中:映画「JFK」より、裁判の場で示された「魔法の銃弾」
 下:委員会証拠物件第399号、いわゆる「魔法の銃弾」の現物


 しかし最近では、カルカノ・ライフル弾のパワーや弾道特性によって、第二の銃弾が「魔法」ではなく、条件によって実現可能であり(だとすれば第一の銃弾の現実性が否定されるわけだが)、したがって現実だったのだ、とする見方が再び盛り返しているようである。 そしてリムジン上での二人の実際の位置関係から、一つの銃弾がこれらの銃創に至ることもありうるとされている。


※新たな「一発説("Single-bullet theory")」の説明の典型例


 これもまた、先に触れたように少し考えれば「実現可能性がある。だから事実だったのだ」という奇妙な論理である。「魔法の銃弾」が弾道学的にある条件下で可能だったとしても、それは事実の証明ではなく、あくまで僅かな確率で「ありえないわけではない」ことを説明しているにすぎないからだ。

 しかし真の問題はそこにはない。問題は「二人を傷つけたのはただ一発の銃弾だった」ということ自体にある。この第二の銃弾がそもそも一発の射撃によるものではないことが証明されれば、オズワルド単独犯行説はその時点で瓦解することになる。

 ケネディ大統領の被弾時の状況の視覚的な証拠として重要なのは、何をおいてもやはり観衆A・ザプルーダーが撮影した有名な8ミリ映像であろう。以下、第二の銃弾に関わる思われるザプルーダー・フィルムの各コマを見ていく。なお連続するコマにより各人物の動きを見ないとその意味が読み取り難いことから、複数の範囲のフレームから抜粋して挙げていきたい。


○フレーム144~193
 これらのコマは、エルム通り沿いの交通標識の看板に隠れる前のリムジンを写し取っている。まだリムジン上のケネディ大統領には被弾の兆候は見られない。



※第144コマ目。以下で銃撃の兆候が見受けられる人物について「○」印で示したので、注視願いたい。





※第170コマ及び第176コマ目。①これまでのコマでリムジンを追って向こう側の歩道上を走っていた少女が、この瞬間に驚いたように足を止めている(映画「JFK」でも冒頭に登場していた場面)。また、②少女のすぐそばにいる観衆の女性が、目の前をちょうどリムジンが通っているにもかかわらず、後退りしながら上方を見上げており、その向かい側にある教科書倉庫ビル上層に何か異常を感知したかのように見える。





※第187コマ及び193コマ目。③大統領が片手をあげて観衆に応えながら、右横ないし後ろを振り返るような動作を取っている。また、隣の席の大統領夫人ジャクリーンも、帽子を被った頭しか見えないが、額の前髪の位置から、大統領と同じような動きをしているのがわかる。


 以上から、もちろんあくまでも推測にとどまるが、しかし何らかの兆候が生じており、この時点で銃撃がスタートしている可能性が高い。続いて見ていこう。

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