微風/びふう

日々のあれこれ♪

海の旅人” 物語

2019-06-23 23:34:21 | 海の旅人/ブログ物語

        ❝ 小さな物語 ❞

 

ザブ~ン、

ザブ~ン、、、

旅人の足元を洗う波

 

海からの風が遠い昔を連れてくる

どのくらい昔なのか、、、

もう忘れてしまった

 

波の向こうを見つめる旅人の瞳の奥に、

故郷はいつもすぐそば、、、

 

しかし、

長い年月は

深くなる思いの隣で

懐かしい故郷を引き離そうとする

 

緑の木々!

心地よい風!

眩しい太陽!

風のざわめき

光る海

ザブ~ン、

ザブ~ン、、、

毎日、毎日、

きょうも打ち寄せる波の音!

白い砂浜

漂流、、、

漂着、、、

 

小さな旅人は、

きょうも遠い故郷を思う

乾いた胸の中を

その思いだけが通り抜けていく

 

僕はいつからここにいたんだろう?

僕はいつまでここにいるんだろう?

 

尋ねたら教えてくれるだろうか、、、

朝の光が目の前をかけていく

 

夜の風が、

旅人の心を震わせながら通り過ぎていく

、、、

、、、

 

旅人の瞳の奥深く打ち寄せる波

今日も旅人の心に風が吹く

 

 

もう何年の時が流れたのか、

 

ザブ~ン

ザブ~ン・・・

 

朝の光の中で、

寄せては返す波の音

寄せては返す、、、旅人の思い

 

思い出せないくらいの寂しさを

もう抱えきれなくなった懐かしさを

ほんの少しだけ、

朝の波のきらめきが和らげてくれる

 

そして、

また、

望郷の念に胸が痛む

 

 

立ち尽くす旅人

寄り添う影

 

太陽が高くなり、

寄り添う影が消える時、

旅人の小さな胸がほんの少し暖かくなる、、、

 

ザブ~ン

ザブ~ン

 

穏やかな波の音

午後の浜辺で遠くを見つめる旅人が独り

 

そして、

明日も、

夜の海を渡る・・・旅人の思いが一つ

 

波の音を子守歌に、砂に埋もれる漂着物

いつの日か、風化して 消えてしまう海の旅人たち

 

数年前、浜辺の砂に埋もれていた旅人は小さな竹の根っこの漂着物でした。

そして、旅人はもう物語の途中でした。

 

ーーー ( 最近少し編集しました )

 

 

  イメージの泉   漂着物  造形 物語の途中 自然はいろいろな情景を見せてくれる

 

コメント (2)
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