SAHARA / SONG FOR MY LADY /
ECHOES OF A FRIEND: McCoy Tyner
"Sahara" Milestone(JPN)SMJX-10141 Ebony Queen / A Prayer For My Family / Valley Of Life / Rebirth Sahara McCoy Tyner (p) Sonny Fortune (ss,as,fl) Calvin Hill (b) Alphonze Mouzon (ds) 1972/01マッコイ・タイナーはコルトレーン・カルテットの黒幕(フィクサー)的存在だったと、今でも感じているのです。ピアノという持ち運びのしない楽器の担当だということもあるのですが、ピアニストのツアーは他のメンバーに比べて余裕があります。そこで皆がエッチラ、オッチラ楽器を運ぶのを眺めながら、次の演奏での趣向を考える訳です。この論理でいくとコルトレーンも余裕のある方だったことになりますね。
ジャズ・ピアノの系統でマッコイ・タイナーをとらえると、ビル・エバンスと同じくらいの位置づけなんですが、ピアノ、ベース、ドラムという枠で考えるとしっくりこないピアニストです。コルトレーンの印象がつきまとうのも事実ですが、左手で打ち出すコードが強烈です。調律の悪いピアノを弾きこなすには最適な奏法だとは思いますが、エバンスの持つ繊細さが不足しています。ピアノ、ベース、ドラムに管楽器を付け加えて、一番しっくりするピアニストだと思います。
"Song For My Lady" Milestone(JPN)SMJ-6001 Native Song / The Night Has A Thousand Eyes Song For My Lady / A Silent Tear / Essence McCoy Tyner (p) Sonny Fortune (ss,as,fl) Charles Tolliver (flh) Michael White (violin) Calvin Hill (b) Alphones Mouzon (ds) Mtume (conga,perc) 1972/09/06 11/27ソニー・フォーチューンはマイルス・デイヴィスへ譲り渡し、エイゾー・ローレンスをエルヴィン・ジョーンズから借り受けることになるのですが、ソニー・フォーチューンは、このアルバムまでですかね。ソニー・フォーチューンはフルートの名手です...、
コルトレーンがフルートを手に持っている写真はあるのに、フルートで演奏していない。手に持っているフルートはエリック・ドルフィーの遺品だという、まことしやかな話があるのですが、どなたかドラマでも制作したら面白そうです。
このアルバムは『サハラ』よりメンバーでは増強されています。ヴァイオリンが管楽器と同じように使われています。「夜は千の目をもつ」はスタンダード・ナンバーなのですが、マッコイ・タイナーでは原曲の面影を期待するのは無理ですね。オリジナルとして楽しんでください。
"Echoes Of A Friend" Victor(JPN)SMJ-6009 Naima / Promise / My Favorite Things The Discovery / Folks McCoy Tyner (p) 1972/11/11どうしてもコルトレーンと結び付けたい、日本企画のソロ・アルバムです。
青森は下北半島、恐山のイタコにマッコイ・タイナーをあてはめて、どっぷりとその世界へ浸かって見ましょう、コルトレーンが語り出します。
この時点でマッコイ・タイナーの初のソロ・アルバムとなるのでしょうか、わたしは、そんな器用なピアニストとは思っていなかったのですが、十数年後、再びソロ・アルバムの吹き込みがあります。
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2005/11/22 ものずき烏 記
(参考)
2005-04-24 REUNITED: Elvin Jones - McCoy Tyner Quintet
2005-06-04 マッコイ・タイナー:(’63、’64)
2005-08-04 ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリン)
2005-11-21 マッコイ・タイナー:(’67~’70)