ものずき烏の無味乾燥?文

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歴代天文律暦等志彙編

2005-03-13 | 書籍 の 紹介
「歴代天文律暦志彙集 六」               中華書局 1976/03
   (第二部分 律暦志 宋書至隋書)
「歴代天文律暦志彙集 七」               中華書局 1976/07
   (第二部分 律暦志 旧唐書至新五代史)
「歴代天文律暦志彙集 八」               中華書局 1976/07
   (第二部分 律暦志 宋史)
「歴代天文律暦志彙集 九」               中華書局 1976/08
   (第二部分 律暦志 遼史至元史)
「歴代天文律暦志彙集 十 」              中華書局 1976/08
   (第二部分 律暦志 明史至附録五行志)

中国歴代王朝の歴史は司馬遷の史記以降「正史」として後継の王朝で編纂されている。現在時点では中華書局で刊行している「正史」のシリーズが校注が詳細で評価が高いようである。中国史の学者さんでも24史とか25史といわれている全てを通読することはないと聞いている。歴史を知るには編年体で記された「資治通鑑」という書籍が良いそうだ。初の「正史」である司馬遷の史記は史伝体という編成をとり以降の「正史」はそれにならっているので、分野別の編成ともいえるものになっている。
( ..30年ほど前に史記の翻訳本を何の気なしに読んだ事があるが皇帝と取り巻きのお話だけだったような記憶がある。その後、司馬遼太郎「項羽と劉邦」がベストセラーとなり。なぁ~んだ、あの話か!と知ったかぶりを言った。 )

この「天文律暦志彙集」は中華書局の「正史」シリーズから天文志と律暦志を抜き出して編集したものである。但し第一部の天文志にあたる一から五は入手していないので、この記事は「律暦志彙集」の紹介となる。
( ..なにぶん発行1976年であるので全巻揃えるのは難しいと思う。これを入手したのは内山書店で七、八、九。山本書店で六、十 全て古本、1冊あたりの単価は6~700円。 )

暦法の記載されている史書にはこのほかに「史記」の天官書と「漢書」及び「後漢書」の律暦志、それから「清史(稿)」が存在するがこの「天文律暦志彙集」には含まれていないと思う。また北朝系の暦法は(唐)「開元占経」にみられる。

この5冊に記載されている暦法はつぎのとおりである。
宋書」景初暦、元嘉暦、大明暦
魏書」正光暦、興和暦
隋書」天保暦、甲寅元暦、天和暦、大象暦、開皇暦、大業暦、皇極暦
旧唐書」戊寅暦、麟徳暦、大衍暦
新唐書」戊寅暦、麟徳暦、大衍暦、五紀暦、正元暦、宣明暦、崇玄暦、欽天暦
宋史」応天暦、乾元暦、儀天暦、崇天暦、明天暦、観天暦、紀元暦、統元暦、乾道暦、淳煕暦、会元暦、統天暦、開禧暦、成天暦
金史」重修大明暦
元史」授時暦、庚午元暦
明史」大統暦、回回暦

2004/08/18 ものずき烏

※母屋から移し変えたコンテンツです。
中国史の桑原隲藏は、漢文ばかり読んでいると馬鹿になるといったそうだが頷ける。
それぞれの暦法で定数を呼ぶ名称がばらばらなのである。暦法の草案者は自己主張するつもりで自分の好きな漢字を選んで定数を呼んだのだろう。
深入りは禁物。ご用心ご用心。くわばら桑原。
なお正史は台湾のサイト漢籍電子文献で全文読めるようであるが、わたしの場合どこに自分の読みたいのがあるか探すのに苦労するから、今の所この本の方が簡便である。
(2005/03/13)