週末つれづれ草子(2010年11月28日)
(写真略・・・貼り付け方法を知りませんので)
文教太鼓を聞きました。
文教学園の女子高校生の和太鼓です。
しとやかな日頃の女子高校生の姿と
演奏で見せる力強いパフォーマンスとの落差に
ただ驚嘆するのみでした。
とにかく圧巻でした。
まさに<和>を見せてくれました。
お互い見えないところで太鼓を敲くのです。
離れた複数の太鼓を同じタイミングで敲くには心の<和>しかありません。
この文教太鼓は国内で賞を受け、海外へも披露しているとか。
肯けます。
演奏の始まる前に校長が鑑賞の小学生に言いました。
「眼をつぶって。一、で手をたたきましょう。
一、二と心で数え、五、で手をたたきましょう」
それではみな眼をつぶりましょう。
一(いち)」
おのおのが、心で数えた五の後に手をたたきました。
バチバチと不揃いでした。
「なんだ、このバラバラは。
太鼓をたたくお姉さんたちは、ばらばらには敲かないのですよ。
心をひとつにしてみなが同時に敲くのです。
見事な<和>です。
<和>の極地です。
お姉さんたちのパフォーマンスをじっくり味わいましょう」
この校長は「文教太鼓」を学校の文化祭に来てもらうのに3年をかけました。
引っ張りだこなので、3年目にやっと願いがかなったのです。
<石の上にも三年>ですか。
とにかく、すばらしかった。
お釈迦様の掌
23日、北朝鮮が韓国延坪島(ヨンビョンド)を砲撃したニュースが
世界を走りました。
民間人2人が死亡したことで、韓国の人たちが衝撃を受けています。
黄海上には国連軍(アメリカ軍)が引いた北方限界線(NLL)と
その南に北朝鮮が引いた海上軍事境界線があります。
二つの境界線の間で過去何回も軍事摩擦が起きています。
いわば領土(領海)紛争です。
近くは、3月の韓国哨戒艦の北朝鮮魚雷によるといわれる沈没事件があります。
延坪島はこの2境界線の中にあります。
ゆえに、事件が起っても不思議でない、と言えるかも知れません。
しかし、今回の事件は、一般人の住んでいる島への砲撃であり、
その住民に死者が出たことが、これまでのこの海域での衝突事件と違う点です。
北朝鮮がなぜこのような挙に出たのかには、諸説出ています。
つれづれほうしは、朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長・大将になった
27歳の金正恩(キムジョンウン:金正日総書記の三男)の地位を
確固たるものにするための儀式ではなかったか、と思います。
理由
・砲撃数日前に金親子が砲撃基地を訪れているとのこと。
・金正恩大将は軍学校で砲撃を学んだ。
・延坪島は境界線を回る紛争海域内にあり、
砲撃の距離内にあり、紛争解域内のこととの釈明もできる。
それはさておき、中国はこれまでどおり北朝鮮擁護の態度を示しました。
北朝鮮とは切ろうにも切れない絆があるからです。
2006年10月15日の「お釈迦様の掌」で次の趣旨のことを述べました。
・朝鮮戦争で、中国は北朝鮮に加勢してアメリカ(国連)軍・韓国軍と戦った。
中国と北朝鮮の血の結束である。
・一方が攻撃を受けた場合、馳せ参じるということを意味している。
・ということは、北朝鮮が本格的ドンパチはじめたら、
中国は北朝鮮に加勢する立場にある。
・中国は、その前段階でも徹底的に北朝鮮を庇っている。
たとえば安保理での北朝鮮制裁反対など。
・アメリカもそこを承知で、朝鮮問題について中国と渡り合っている。
中国にとって北朝鮮は緩衝地域として重要な地域なのです。
自分の掌の中に置いておくことが最善策である、としていると思えます。
中国が仕切っている限り、
北朝鮮の核をめぐる6カ国協議は到達点に行き着かないでしょう。
中国・北朝鮮の結束の中身は日中韓の連携のそれとは相容れないものだから。
朝鮮問題は、詰まるところアメリカと中国の問題といえるのですね。
朝鮮戦争は休戦しています。
休みを止めれば、戦いに再突入するのです。
南北の戦いは、アメリカと中国の戦いだったのです。
そういう意味では、南北休戦はアメリカと中国との休戦と言えるのです。
南と北の戦いにそれぞれ国連軍(実態はアメリカ軍)と中国人民解放軍が付き、
朝鮮半島を舞台に休戦協定を結ぶまで激しく戦ったのが朝鮮戦争です。
中国人民解放軍の助太刀で北が南を海岸線まで追い詰めました。
アメリカ軍の援軍増強でこれを押し返し北緯38度線で膠着しました。
局面打開にマッカサー元帥が原爆投下を含む中国本土爆撃を主張したが、
トルーマン大統領は拒否しました。
1953年7月、休戦協定を結ぶことにしました。
38度線をもとに境界線が敷かれました。
このとき海上に境界線を敷かなかったのが、
その後の黄海上での南北の衝突に繋がっているわけです。
このように、朝鮮戦争は朝鮮半島を戦場としたアメリカと中国の戦いだった、
いや休戦中の戦いだ、と言えるのです。
したがい、アメリカと中国はどちらも過激に動き辛い立場にあるのです。
今日から4日間にわたりアメリカと韓国が
黄海で原子力空母ジョージ・ワシントンを加えた軍事演習を始めました。
アメリカは中国にこの演習を通達したとのこと。
中国はこれに反対を表明するしか手がないのです。
朝鮮戦争時、日本はアメリカ軍の補給地となりました。
そのお陰で経済を急速に発展させることができました。
各地の米軍基地からは、いろいろの仕事が周辺の工場にもたらされました。
子供だったつれづれほうしにも
近くの工場が基地からの注文に忙しく回転しているのを見ていたものです。
各基地には戦場に赴くアメリカ兵が運ばれ、何日か後に戦場に送られました。
やがて、それら基地にはアメリカ兵の遺体が運ばれてきました。
そこで遺体の確認作業が行われました。
その数は次第に多くなっていった、と言うことです。
それほど激しい戦闘だったということでしょう。
中国人民解放軍の犠牲者も大変な数に上ったと思えます。
こんな話が、小学の国語教科書に載っています。
<・・・再見了、親人!再見了、親愛的土地!
列車呀、請開得慢一点児、譲我們再看一眼朝鮮的親人、譲我們在這曾経洒過鮮血的土地上再停留片刻。
再見了、親人!我們的心永遠跟你們在一起。>
(・・・さようなら、いとしき人たちよ!
さらば、慣れ親しんだ地よ!
列車よ、ゆっくり進んでくれ、
心をかよわした人たちとの別れはつらい、
仲間が血を流したこの地に少しでも長く留まりたい。
さよなら、朝鮮のいとしき人たちよ!
我らが心、とこしえにいとしき皆とあり)
中国と北朝鮮との血の結束を物語っているのではないでしょうか。
週末つれづれ草子(2010年11月28日) おわり
(写真略・・・貼り付け方法を知りませんので)
文教太鼓を聞きました。
文教学園の女子高校生の和太鼓です。
しとやかな日頃の女子高校生の姿と
演奏で見せる力強いパフォーマンスとの落差に
ただ驚嘆するのみでした。
とにかく圧巻でした。
まさに<和>を見せてくれました。
お互い見えないところで太鼓を敲くのです。
離れた複数の太鼓を同じタイミングで敲くには心の<和>しかありません。
この文教太鼓は国内で賞を受け、海外へも披露しているとか。
肯けます。
演奏の始まる前に校長が鑑賞の小学生に言いました。
「眼をつぶって。一、で手をたたきましょう。
一、二と心で数え、五、で手をたたきましょう」
それではみな眼をつぶりましょう。
一(いち)」
おのおのが、心で数えた五の後に手をたたきました。
バチバチと不揃いでした。
「なんだ、このバラバラは。
太鼓をたたくお姉さんたちは、ばらばらには敲かないのですよ。
心をひとつにしてみなが同時に敲くのです。
見事な<和>です。
<和>の極地です。
お姉さんたちのパフォーマンスをじっくり味わいましょう」
この校長は「文教太鼓」を学校の文化祭に来てもらうのに3年をかけました。
引っ張りだこなので、3年目にやっと願いがかなったのです。
<石の上にも三年>ですか。
とにかく、すばらしかった。
お釈迦様の掌
23日、北朝鮮が韓国延坪島(ヨンビョンド)を砲撃したニュースが
世界を走りました。
民間人2人が死亡したことで、韓国の人たちが衝撃を受けています。
黄海上には国連軍(アメリカ軍)が引いた北方限界線(NLL)と
その南に北朝鮮が引いた海上軍事境界線があります。
二つの境界線の間で過去何回も軍事摩擦が起きています。
いわば領土(領海)紛争です。
近くは、3月の韓国哨戒艦の北朝鮮魚雷によるといわれる沈没事件があります。
延坪島はこの2境界線の中にあります。
ゆえに、事件が起っても不思議でない、と言えるかも知れません。
しかし、今回の事件は、一般人の住んでいる島への砲撃であり、
その住民に死者が出たことが、これまでのこの海域での衝突事件と違う点です。
北朝鮮がなぜこのような挙に出たのかには、諸説出ています。
つれづれほうしは、朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長・大将になった
27歳の金正恩(キムジョンウン:金正日総書記の三男)の地位を
確固たるものにするための儀式ではなかったか、と思います。
理由
・砲撃数日前に金親子が砲撃基地を訪れているとのこと。
・金正恩大将は軍学校で砲撃を学んだ。
・延坪島は境界線を回る紛争海域内にあり、
砲撃の距離内にあり、紛争解域内のこととの釈明もできる。
それはさておき、中国はこれまでどおり北朝鮮擁護の態度を示しました。
北朝鮮とは切ろうにも切れない絆があるからです。
2006年10月15日の「お釈迦様の掌」で次の趣旨のことを述べました。
・朝鮮戦争で、中国は北朝鮮に加勢してアメリカ(国連)軍・韓国軍と戦った。
中国と北朝鮮の血の結束である。
・一方が攻撃を受けた場合、馳せ参じるということを意味している。
・ということは、北朝鮮が本格的ドンパチはじめたら、
中国は北朝鮮に加勢する立場にある。
・中国は、その前段階でも徹底的に北朝鮮を庇っている。
たとえば安保理での北朝鮮制裁反対など。
・アメリカもそこを承知で、朝鮮問題について中国と渡り合っている。
中国にとって北朝鮮は緩衝地域として重要な地域なのです。
自分の掌の中に置いておくことが最善策である、としていると思えます。
中国が仕切っている限り、
北朝鮮の核をめぐる6カ国協議は到達点に行き着かないでしょう。
中国・北朝鮮の結束の中身は日中韓の連携のそれとは相容れないものだから。
朝鮮問題は、詰まるところアメリカと中国の問題といえるのですね。
朝鮮戦争は休戦しています。
休みを止めれば、戦いに再突入するのです。
南北の戦いは、アメリカと中国の戦いだったのです。
そういう意味では、南北休戦はアメリカと中国との休戦と言えるのです。
南と北の戦いにそれぞれ国連軍(実態はアメリカ軍)と中国人民解放軍が付き、
朝鮮半島を舞台に休戦協定を結ぶまで激しく戦ったのが朝鮮戦争です。
中国人民解放軍の助太刀で北が南を海岸線まで追い詰めました。
アメリカ軍の援軍増強でこれを押し返し北緯38度線で膠着しました。
局面打開にマッカサー元帥が原爆投下を含む中国本土爆撃を主張したが、
トルーマン大統領は拒否しました。
1953年7月、休戦協定を結ぶことにしました。
38度線をもとに境界線が敷かれました。
このとき海上に境界線を敷かなかったのが、
その後の黄海上での南北の衝突に繋がっているわけです。
このように、朝鮮戦争は朝鮮半島を戦場としたアメリカと中国の戦いだった、
いや休戦中の戦いだ、と言えるのです。
したがい、アメリカと中国はどちらも過激に動き辛い立場にあるのです。
今日から4日間にわたりアメリカと韓国が
黄海で原子力空母ジョージ・ワシントンを加えた軍事演習を始めました。
アメリカは中国にこの演習を通達したとのこと。
中国はこれに反対を表明するしか手がないのです。
朝鮮戦争時、日本はアメリカ軍の補給地となりました。
そのお陰で経済を急速に発展させることができました。
各地の米軍基地からは、いろいろの仕事が周辺の工場にもたらされました。
子供だったつれづれほうしにも
近くの工場が基地からの注文に忙しく回転しているのを見ていたものです。
各基地には戦場に赴くアメリカ兵が運ばれ、何日か後に戦場に送られました。
やがて、それら基地にはアメリカ兵の遺体が運ばれてきました。
そこで遺体の確認作業が行われました。
その数は次第に多くなっていった、と言うことです。
それほど激しい戦闘だったということでしょう。
中国人民解放軍の犠牲者も大変な数に上ったと思えます。
こんな話が、小学の国語教科書に載っています。
<・・・再見了、親人!再見了、親愛的土地!
列車呀、請開得慢一点児、譲我們再看一眼朝鮮的親人、譲我們在這曾経洒過鮮血的土地上再停留片刻。
再見了、親人!我們的心永遠跟你們在一起。>
(・・・さようなら、いとしき人たちよ!
さらば、慣れ親しんだ地よ!
列車よ、ゆっくり進んでくれ、
心をかよわした人たちとの別れはつらい、
仲間が血を流したこの地に少しでも長く留まりたい。
さよなら、朝鮮のいとしき人たちよ!
我らが心、とこしえにいとしき皆とあり)
中国と北朝鮮との血の結束を物語っているのではないでしょうか。
週末つれづれ草子(2010年11月28日) おわり