タマリンドの樹のしたで

カンボジアの国境域で。甘酸っぱい果実をほおばりながら樹下で談笑。ありふれた日常からラオ人の・クメール人の生活を届けたい。

カンボジアのゴマ

2017年01月13日 | おいしい食材
村に行ったらしきりにみんな、叩いてた。
遠くから見ると、真っ黒なほうきみたい。
ぱぱぱぱぱ、ぱぱぱぱぱ、
叩くリズムは軽やかで、穂から小さな実がぽろぽろ落ちる。



稲刈りが終わり、ほっと一息つくのも束の間で、
ゴマの収穫の時が来た。
屋敷地のどこそこに、真っ黒な「ほうき」がたくさん並ぶ。



カンボジアではゴマというとほとんど黒ゴマ。
「白よりも黒のほうが高く売れるから」という人もいるが、
そもそも白はあまりみたことがない。

黒ゴマは大量に作って州都に売りにだしにいく。
換金作物のひとつでもあるのだが、
自分たちでも消費する。
他の換金作物はといえば、たとえば大豆、カシューナッツなどなどは、
完全に換金用で自家消費は一切ない。
キャッサバは、自家消費用の種と換金用の種を区別している。
それにひきかえ黒ゴマは、自家消費用にもとりおいて、同じものを食べている。

日本のゴマに比べて粒が小さく、
食べるとプチプチとして食感がよい。
さらにはなぜか、ほのかに甘い。
ゴマが甘いという感覚、そうだったのかとはたと思う。
村でゴマの料理を食べるといつも、なんだか自然な甘さで美味しいなと思う。
日本のゴマとちょっぴり違う。なぜだろうと不思議に思っては忘れていたけど、そうなのか。
ゴマそのものがほんのり甘い、からなんだ。

私が村に帰るとたいていいつも、
母がナスのラープを作ってくれる。
私の好物を知っているのだ。
ナスのラープには黒ゴマをたっぷり加える。
くたくたになったナスにゴマの甘味とプチプチ感が加わって、
なんともいえない舌触り。
それもこれも黒ゴマがあってこそ。

村人たちが汗を流してつくった黒ゴマ。
小さな一粒一粒に、人々の顔が浮かんでならない。




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4 コメント

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ごま料理 (miho)
2017-01-16 12:15:56
読んだら黒ごまのお料理がたべたくなったよ。茄子は季節じゃないから、んー、なにがいいかな?
たまいつが好きだからついごま和えばかりになっちゃうのだけど、いいのがあったら教えて下さいな:)
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Unknown (tamarind)
2017-01-17 09:53:04
mihoさん、こんにちは。
たまいつ(笑)さんたち、ごま和えが大好きなんですね。
そうですねぇ、私は、きんぴらにも黒ごまをいれてます。あと、レンコンを鶏ひきと合わせた料理にも黒ゴマを入れると、おいしかったです。
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気になります:) (miho)
2017-01-17 20:13:28
レンコンと鶏ひきのお料理、気になります:)こんど教えて下さいませ。
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Unknown (tamarind)
2017-01-18 09:19:45
普通の日本の料理なのですが、いいですか~?
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