"突いた”のタイツ

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モチカネのイスラ~ムはどうなっていく?

2010年04月25日 17時50分46秒 | 日記
不思議の国サウジアラビア―パラドクス・パラダイス (文春新書) (新書)
竹下 節子 (著)
今日は読んだばかりのこの本をレヴュー致しましょう。
サウジはイスラムの国なのよ。イスラムというと原理主義のタリバンとか、女性差別とか、爆弾を身に巻いての自爆テロとか、芳しいウワサを聞かないんだけれども、何事にも偏見とか伝え聞きとか有ったりしたら判断を誤っちゃうじゃない、やはり行った人住んだ人の本なんかを読んで良く考えないといけないわよね。
原理主義なんてどこの国にも有るわ。最近の米英国は日本のクジラ捕獲に対して色々圧力を掛けているけれども、あんなに理性を重んずる国が動物の知性生命に関しては冷静な判断が出来なくなる。プロテスタントの原理主義的反応と言ってもいいのではないかしら?
自爆テロに関しては、日本人は過去に特攻ということもしたのだし(やむにやまれず)、彼らの異常とも思える行動を、全てはわからなくても、欧米人よりは理解が少しでも出来るのではないかしら?
あたし大分イスラムにのめり込んでる感じなんだけれども、イスラムで良いな、と思う宗教行事に「ラマダン」があるわ。年に30日間ほど昼間は飲んだり食べたりしない。その趣旨がいいのよね。
貧しい人たちの気持ちを忘れないためにやるんだって。食べるのはなんとか我慢できても、飲むのを我慢するのは相当キツイはね、でも隠れて飲む人はいないんですって。
そろそろこの本のことなんだけれども、
イスラムは施しということを奨励しているの。福祉の考えが宗教的規範としてあるのだそうな。だからサウジの人はみんな気前がいい。女の人は差別はされているんだけれども、財産権も無いような奴隷ではないので、奥さんは、どんどん買い物をして(金のアクセサリとか)財産増やして結構事業なんかやってる人も多いのだとか。
女の人は町で見かけないんだって。よく知られている通り女性の容姿は男性を惑わすものだから、夫や近親者以外には見せてはならないのよ。だから町に一人でいるようなことはない。買い物に出るときは夫近親の男性といっしょで、なお且つ例の黒い衣装で全身を覆わねばならない。だからサウジでは迷子が多いんだそうな。子供が、だれが母親か識別出来なるなるから。だって皆黒ずくめだからね。目の無いバーバママだらけなのよ。
でも考えてみれば若いころの男の人は、みんな女の子のお色気に囚われていて、勉強出来なかったり仕事が手に付かなかったりするじゃない。昔中国では科挙に受かるためにチンチンをちょんぎってしまって雑念が起こらないように、勉強に集中するようにした人もいたらしい。
まあそれくらい男にとって性欲って有る意味邪魔なものなのよね。
日本でもどうかしら、若い女性はみんな黒ずくめで全て隠さなきゃいけないって法律でも作ったら、皆男は仕事勉強に集中出来るから不況なんて一遍に吹っ飛んじゃうんじゃないかしら?
え?男女平等の憲法があるから女性だけ黒ずくめでは不平等だって?
そんなら若い男もベールを被ればいいじゃない。女の子も男の眼を気にせずに色々有意義なことに集中できるわよ。
そうして、あたしたちオカマだけが青春を謳歌する!すばらしい国になっちゃうわね。
サウジにいると外国人もかなり精神的に感化を受けるみたい。イスラムでない人も無宗教の人も心の内面から変わってくる。日に五度も皆一斉に祈りに入って同一動作をする。そうすると心理的に一体感が生まれて仲間意識が強くなる。
同一の価値観を持つ人たちの強みね。
そういうサウジの人たちの行動を見ていると、もう無宗教に近くなったフランス人や、西洋諸国の民主主義の影響を受けた我々日本人も、一様に自分のアイディンティティを求めたり、教会にまた行くようになったり。
多様な価値観を認める現代民主主義が失ってしまった、国民の一体感がサウジでは濃密にあるようなことらしいわ。

サウジはお金持なのよ、石油が出るからね。だから税金もないし大学へ進学したら授業料が無い、どころか奨学金をくれるんだって。だから皆お金持ちでメイドや運転手付き。インテリの人ばっかになってるから、いわゆる3Kのお仕事なんかは外国人の出稼ぎ者に任せて綺麗なお仕事ばっかりしている。女の人は家でカルチャー漬みたい。
まあ羨ましいわよね、でもいつまでも石油が出るわけじゃないから、将来枯渇しちゃったらどうなるんでしょ?今の日本を見て将来に備えてほしいもんだわ。
この本を読んでサウジの現状を知って思ったことは、戦前の日本に似てるんじゃないかしら?
同一価値観で誇り高いところなんか、それに近代的西洋主義にも背を向けている所なんか。いえ戦前の日本が戦争に勝っていた場合の日本に、かもしれない。
戦争に勝っていてアメリカと和平して満州国と中国の利権を確保する、そのうちに満州の開発が成功して日本は経済的にも裕福になる、それは今のサウジと似てないかしら?
今後のサウジとイスラムの行方に注目しているの。それはもう一つの日本がたどって行く道だったからかもしれないから。
国民の全員が王侯貴族みたいな生活になったらどうなるか、富裕で生活の心配がなくなったら、その上イスラムの教えも緩んで堕落してしまった果てはどうなるのか?興味は尽きない。ともかく面白い本だったわ。