昨年、原稿を書きながら大河ドラマがどのように決定され、どのように作られているのかを知りたくて、NHKに問い合わせたり、インターネットで本を検索したりしました。しかしそのような情報は得られませんでした。
ある時、ネットの本を検索するサイトで「大河ドラマができるまで」と検索してみた所
黛りんたろうさんの著書「大河ドラマ義経が出来るまで」(春風社)が結果として出てきました。大河ドラマ「義経」は2005年の作品で少し古いのですが、書店の担当者にもNHKに問い合わせていただきましたが、一般向けの本としてはこれしかないということでしたので注文して待つ事にしました。本が届くまでは1週間ぐらいだったと思いますが、待ちきれなくて、書店に電話したりしました。そして購入したその日に夜遅くまでかかって一日で読んでしまいました。その時の感想などを以下記したいと思います。
著者の黛りんたろうさんは作曲家の黛敏郎さんの長男です。大河ドラマとしては「秀吉」「花の乱」に続いて三作品目としてメインの演出家として「義経」を担当されました。この本は出版社の春風社さんが黛さんに本を出さないかと依頼され、演出日誌として書かれたものを本にされたものです。この本で初めて、大河ドラマの制作過程が詳しく世に出る事になりました。私が最初に感じた内容は、撮影に入る前の企画段階がいかに大変であり、そこですべてが決まるという事です。撮影に入る前の準備に約2年を要すると書かれてあり、またこの仕事が終わるまでの1年間というのはプライベートにさく時間もほとんどなく、寿命を縮めるような仕事とも書かれていました。黛さんはこの作品が大河の最後になるとも書かれていました。
細かい部分を書いていたら、きりがありませんが特に私が興味を持った2点について書いて終わりたいと思います。
その1は、物語の作り方です。3日3晩にわたってシナリオ合宿といわれるストーリーを組み立てていく作業がありました。そこから具体的に始まっていくそうで、以下その部分を原文のまま記します。
シナリオ合宿開始
△月△日
プロデューサーのS、脚本の金子氏らと伊香保温泉にこもり、シナリオ合宿。
一年間全体を俯瞰するストーリーラインをつくる。放映の始まる2005年1月から最終 月の12月までを月割にし、それぞれの月毎に、ストーリーの流れと要素を並べてゆく。
たとえば1月分なら、どの場面から始め、どう展開させ、どの場面で終わるのか、その ときは主人公は何歳になっているかなどを、原作に沿って整理する。
12月までを終えると、次は、さらに細かく、各回毎のドラマの流れ、描くべきイベン トなどを論議し、表に書き込んでゆく。
この後、ドラマの鉱脈さがしをして、さらに主演となる義経役の役者探し、シナリオの作成役者の衣装合わせ等々、慌しく、準備が進められていく。
その中で私が、もう一つ注目した内容は、「タイトルバック」です。
2分40秒といる短い時間の中に大河ドラマのコンテンツがすべて詰まっているというこのタイトルバックの撮影に約2ヶ月を要したそうです。今回の「義経」では「義経の一生」をイメージして製作されたそうで、こだわりの作品です。私も「義経」は見ていましたが、この本を読んでから、以前録画したDVDを見直すと、確かにこの「タイトルバック」はすごいと思いました。この本を読む前はわからなかった「タイトルバック」のこだわりがすばらしいと思うようになりました。今年の大河ドラマ「龍馬伝」にもこのようなこだわりがあると思います。ぜひ知りたいと思うようになりました。
最後にこの本の最後の部分を記して終わりたいと思います。
大袈裟かもしれぬが、この世に一人赤ん坊を誕生させて気分。明日からは、この赤子が、 局中の関係者にお披露目され、やがて多くの人々の目に、耳に、触れてゆくのだ。
皆に愛されてほしいと。父親のような心境で一人思う。
追伸
このような本を世に送り出して下さった、黛りんたろう先生と春風社の皆様に心から感謝を申し上げたい。本当にありがとうございました。
ある時、ネットの本を検索するサイトで「大河ドラマができるまで」と検索してみた所
黛りんたろうさんの著書「大河ドラマ義経が出来るまで」(春風社)が結果として出てきました。大河ドラマ「義経」は2005年の作品で少し古いのですが、書店の担当者にもNHKに問い合わせていただきましたが、一般向けの本としてはこれしかないということでしたので注文して待つ事にしました。本が届くまでは1週間ぐらいだったと思いますが、待ちきれなくて、書店に電話したりしました。そして購入したその日に夜遅くまでかかって一日で読んでしまいました。その時の感想などを以下記したいと思います。
著者の黛りんたろうさんは作曲家の黛敏郎さんの長男です。大河ドラマとしては「秀吉」「花の乱」に続いて三作品目としてメインの演出家として「義経」を担当されました。この本は出版社の春風社さんが黛さんに本を出さないかと依頼され、演出日誌として書かれたものを本にされたものです。この本で初めて、大河ドラマの制作過程が詳しく世に出る事になりました。私が最初に感じた内容は、撮影に入る前の企画段階がいかに大変であり、そこですべてが決まるという事です。撮影に入る前の準備に約2年を要すると書かれてあり、またこの仕事が終わるまでの1年間というのはプライベートにさく時間もほとんどなく、寿命を縮めるような仕事とも書かれていました。黛さんはこの作品が大河の最後になるとも書かれていました。
細かい部分を書いていたら、きりがありませんが特に私が興味を持った2点について書いて終わりたいと思います。
その1は、物語の作り方です。3日3晩にわたってシナリオ合宿といわれるストーリーを組み立てていく作業がありました。そこから具体的に始まっていくそうで、以下その部分を原文のまま記します。
シナリオ合宿開始
△月△日
プロデューサーのS、脚本の金子氏らと伊香保温泉にこもり、シナリオ合宿。
一年間全体を俯瞰するストーリーラインをつくる。放映の始まる2005年1月から最終 月の12月までを月割にし、それぞれの月毎に、ストーリーの流れと要素を並べてゆく。
たとえば1月分なら、どの場面から始め、どう展開させ、どの場面で終わるのか、その ときは主人公は何歳になっているかなどを、原作に沿って整理する。
12月までを終えると、次は、さらに細かく、各回毎のドラマの流れ、描くべきイベン トなどを論議し、表に書き込んでゆく。
この後、ドラマの鉱脈さがしをして、さらに主演となる義経役の役者探し、シナリオの作成役者の衣装合わせ等々、慌しく、準備が進められていく。
その中で私が、もう一つ注目した内容は、「タイトルバック」です。
2分40秒といる短い時間の中に大河ドラマのコンテンツがすべて詰まっているというこのタイトルバックの撮影に約2ヶ月を要したそうです。今回の「義経」では「義経の一生」をイメージして製作されたそうで、こだわりの作品です。私も「義経」は見ていましたが、この本を読んでから、以前録画したDVDを見直すと、確かにこの「タイトルバック」はすごいと思いました。この本を読む前はわからなかった「タイトルバック」のこだわりがすばらしいと思うようになりました。今年の大河ドラマ「龍馬伝」にもこのようなこだわりがあると思います。ぜひ知りたいと思うようになりました。
最後にこの本の最後の部分を記して終わりたいと思います。
大袈裟かもしれぬが、この世に一人赤ん坊を誕生させて気分。明日からは、この赤子が、 局中の関係者にお披露目され、やがて多くの人々の目に、耳に、触れてゆくのだ。
皆に愛されてほしいと。父親のような心境で一人思う。
追伸
このような本を世に送り出して下さった、黛りんたろう先生と春風社の皆様に心から感謝を申し上げたい。本当にありがとうございました。