囲碁マニアの詰碁ブログ

囲碁の話が中心の愉快なブログです

tsumeblo感動の妙手紹介④

2021-08-26 15:35:24 | 実戦の妙手

 

<詰碁解答コーナー>

問題図(再掲)

黒1のような平凡な手では全然ダメです。

黒1と出たくなりますが、成功しません。白8まで黒ダメです。この後黒A、白B、黒Cと粘る手はありますが、三手ヨセコウでは話が遠い。

黒11ホウリコむ(1)

初手はズバリ黒1のキリが正解。白2と受けてくれば一本道で黒11まで白死となります(黒9で先に11とホウリコんでもよい)。

白2のサガリがなかなか厄介です。黒3は軽率で、黒11までコウになってしまい失敗。

黒3のダイレクトなオサエが好手で、めでたく白死となりました。


 

皆さんこんにちは、tsumebloです。

 

今回は、妙手紹介シリーズ、第4回です!

早速ご覧ください!

 

今回は第31期名人戦挑戦手合七番勝負第3局から採りました。

黒が高尾紳路本因坊、白は張栩名人(タイトルはいずれも当時)です。

 

現在黒が△と打ったところ。

凡人は続いて白Aと追及していく手ぐらいしか思いつきませんが、ここで妙手が出ます。

白△の一線ツケ!

これぞ妙手!といった感じの手ですが、この手は一体何を狙っているのでしょうか?

 

白のツケに対し、黒Aとひるめば特に何も起こりませんが、それだけで白は2目得しており満足です。

なので実戦は黒1とオサエました。

続いて白2と追及していくのが有力だと言われています。黒5と逆襲して難しくなりますが、ツケの効果で白22ツギが先手になり、白24までぴったり生きを得ることができます。

黒Bも先手にならないので黒は後手で生きることになり、白大成功ですが、張九段はほかに打ちたい手があったようです。

 

実戦は白2とツケコシていきました。

前図のような破壊力はありませんが、これまた黒がシビレました。

黒5で8とノビたいのですが、やはりツケが働き、白A、黒B、白7、黒11、白C、黒D、白Eでコウに持ち込まれてしまいます。

実戦は仕方なく黒5とアテて7とカカエましたが、白8にキリが入ってはスカスカだった下辺白がかなり強化され、白が一本取りました。

 

それにしても、名人戦七番勝負という大舞台で打たれた妙手なのに、なんだか知名度低くないですか。

この第3局は張九段が勝ちましたが、シリーズは4勝2敗で高尾九段が制したからでしょうか。

 

<詰碁出題コーナー>

黒先です。セオリー通りに打てば正解できるでしょう。

 

※見出し画像は単なる欲望です。

※フォロー・リアクションボタン・コメントよろしくお願いします。

 


tsumeblo感動の妙手紹介③

2021-05-28 15:30:27 | 実戦の妙手

 

<詰碁解答コーナー>

問題図(再掲)

初手は黒1の一手です。他のどこに打っても白1と打たれるとコウが避けられません。白2と石の下の形にしてきますが、黒3、5が好手筋で、黒7まで鮮やかに仕留めることができました。この手順をひとつでも間違えてしまうと、コウになってしまいます。

たとえば、石の下にハマってから―――

手筋を繰り出しても―――

白12のキリがぶり返してコウになります。

正解図の黒5で7から打ってしまった場合も、ほぼ同じ変化でコウになります。


 

皆さんこんにちは、tsumebloです。

今回は、妙手紹介シリーズ、第3回です。

久々の囲碁ネタですね。これからは囲碁ネタ増えるはずです!

 

さっそく紹介していきたいと思います。

 

1992年8月13日に打たれた第40期王座戦本戦、黒が故・橋本昌二九段、白は趙治勲本因坊(当時)です。

なお、当時はコミ5目半です。

白が1、3と打ったところですがこれはやりすぎで、白1ではAとノビておくぐらいでした。

一見黒が困っているようですが、ここで妙手が出ます。

これは論外。蛇足ながら。

白への様々な利きをにらみながら、黒1のワリコミが妙手でした。

やはり妙手と言えばズバンとワリコむ手か、ペタッとツケる手、そっとオク手のどれか、という感じですよね!

このワリコミは華やかさと鋭さを兼ね備えた、見事な妙手でした。

白は2か3のどちらかからアテるぐらいです。白2と右からアテると当然黒は3の逃げ。今度はどちらにツグか、という問題になりました。

白4と上にツグと、ご覧の通り白参ってしまいました。

白4と下にツナいでみます。

しかし黒5以下、黒大威張りの生き。この後白はAに手入れが必要なので、先手で大きく生きた黒が大成功です。

実戦の進行です。

白は2と左からアテましたが、黒3以下ほぼ一本道を辿り、黒21で一段落。

危機を脱したどころか、はっきり黒優勢になっています。

見事な妙手でした。

 

<詰碁出題コーナー>

黒先です。コウではいけません。

 

※見出し画像はイメージです。

※フォロー・リアクションボタン・コメントよろしくお願いします。

 


tsumeblo感動の妙手紹介②

2021-03-16 14:41:04 | 実戦の妙手

 

<詰碁解答コーナー>

問題図(再掲)

初手は黒1以外に考えられないでしょう。以下黒5まで一本道。ここで素直に白Aとつなぐと白6で眼あり眼なしになるので白6が最強の抵抗ですが、

黒7以下、冷静に打てば仕留めることができます。

黒9、11の手順を逆にしてしまうと、白が外に脱出してしまいます。白△の三子はこのためにあるのでした。

落ち着いて攻め合いを読むことがポイントでした。

 

———————————————————————————————————

 

皆さんこんにちは、tsumebloです。

 

今回は皆さんお待ちかねの(?)妙手紹介シリーズ、第2回です。

というより、囲碁ネタが久しぶりですね。

妙手を探すのはなかなか難しく、四苦八苦しています。

 

今回は古碁から、1842年8月7日8月7日と言えば野比のび太の誕生日!に打たれた、太田雄蔵-安田秀策(二子)戦です。安田秀策は皆さんご存知の通り、のちの本因坊秀策です。

秀策はこの時まだ数えの十四歳、雄蔵とは二子の手合いでしたが、ここまで秀策の六勝三敗二ジゴ、この碁に勝てば四番勝ち越しで先二(先と二子を交互に打つ手合い)に打ち込むことができる、大事な一局です。

 

現在、雄蔵が白△に打ったところ。まず黒は左上の一団を生きなければなりません。生きるだけなら簡単ですが、中央の黒の大石もまだ生きていないことを考慮に入れ、最善のシノギを考えてみてください。

黒1、3のような凡手では、生きることはできるのですが、白2と先手で黒二子を取られ、白4で中央の大石が心配です。

黒1の置きが妙手でした。白は2、4と追及するしかなく、黒1と打てば黒5までは一本道で、実戦もこう進みました。

白6、8とさらに追及していきたいのですが、黒11までコウになってしまいます。このコウは黒にソバコウが多く、さらに白も負担が大きいので、白はやれないのですね。とはいえこのコウを争い、代償として中央の黒の大石を取りにいく展開も見たかった…と思ってしまいますが、実はコウダテとして中央の黒の大石を追い立てていくと、途中でコウをやめられて中央右側の白の大石を取りに来られそうで、結局このコウは白無理なのですね。

白6とサガる手も面白そうですが、黒7、9、11と冷静に生きます。この図が最初の黒1で3にスベった図と何が違うのかといいますと、白▢の三子と黒○の二子の攻め合いが、左上黒の死活に全く関係していないというのが大きいのです。白Aが先手にならない方が、中央の黒の大石が断然シノギやすいのです。

実戦は白6で左上をやめ、中央の黒の大石を取りにいきましたが、黒13でぎりぎりシノいでいます。本題とは関係ないので説明は省かせていただきますが、白Aが先手でしたら、tsumebloにはシノギが見えません。

素晴らしいシノギの妙手でした。

まあ、秀策大先生には「このぐらいの手は見えて当たり前」と言われそうですが…。

 

秀策はこの後も緩まずに勝ち切り、みごと雄蔵を先二へと打ち込みました。

 

<詰碁出題コーナー>

黒先です。まさに絶体絶命といった感じの黒ですが、なんとか粘ってください。

 

※見出し画像と記事本文には何の関連もございません。

※フォロー・リアクションボタン・コメントよろしくお願いします。

 


tsumeblo感動の妙手紹介①

2021-02-10 15:20:33 | 実戦の妙手

 

<詰碁解答コーナー>

問題図(再掲)   

素直に黒1と白四子を取るのは、白2のオサエが利き、黒不利の一手ヨセコウに持ち込むのが精一杯です。

黒1とスベリのようなところに打つのが急所です。白は2とオサエるぐらいしかなく、黒は3とソイます。白はAと抜くとBで攻め合いに負けてしまうので、白4とホウリコミますが、

黒5でウッテガエシになりました。白に石の下を狙う余裕を与えないことがポイントでした。

 

———————————————————————————————————

 

皆さんこんにちは、tsumebloです!

 

今回から、プロの実戦よりtsumebloが感動した妙手を紹介していきたいと思います!

一応連載?という形で紹介させていただきたいと思います。

 

不定期掲載で、他の記事にちょこちょこ紛れ込んでいく感じです。

よろしくお願いいたします。

 

なお、すでに本などで特集されている手は出来るだけ避けていこうと思います。

 

それでは、妙手を紹介していきます。

 

2013年6月1日に打たれた第38期名人戦挑戦者決定リーグ、黒が張栩九段、白は井山裕太棋聖です。

現在黒が△と打ったところです。この手の意味としては、一応取れてはいるものの、味の悪い取り方になっている白ABCDの四子を、この黒△一本で味良くしようという意味です。次に黒がEに打てば、右辺白九子の眼がなくなるので、当然白はEに受けてくれるだろうということです。ところが…

白1、3!?

この後黒にAと打たれると、この白の生死はBのコウにゆだねられることになってしまいます。無条件生きがコウになっては一大事、見損じか!?と思いますが、実はこれが妙手。右下の黒一団もかなり薄くなっており、コウを仕掛けるとさらに薄くなってしまうので、とても仕掛けられません。コウ材も白が圧倒的に多いようです。コウを仕掛けられないとなれば白の得がすごく、ここで一気に形勢が傾きました。見事な返し技でした。

 

しかし困りました。どうでもいいtsumebloのぼやきを聞いてください。

この記事にピッタリの見出し画像がないんです!!!

とりあえず見出し画像なしで出します。見出し画像を使いにくい記事はこれからもたくさんあると思うので、コメントでアドバイスお願いします!

 

<詰碁出題コーナー>

黒先です。最後のところが、なかなかオモシロイと思います(そう思っているのはtsumebloだけ…じゃないですよね?)。

 

※フォロー・リアクションボタン・コメントよろしくお願いします。