【PSP】 三国志Vレビュー 珠玉の携帯機三国志ゲーム

いよいよＰＳＰ版の『三国志Ｖ』のご紹介です。これまで携帯ゲーム機に、コーエーのシミュレーションゲームは様々移植されてきました。ある物は大幅に簡素化されたり、またある物は画面が見辛かったりと、今まで様々な問題を抱えながらも、ＧＢＡ版三国志(ＩＶ)では三国志ＩＶをそのまま移植、ただし、画面の狭さがストレスとなり、また音源も家庭用版やwindows版の生演奏は無く、どこか寂しさが漂いました。

さて、いよいよメディアをＵＭＤに変えて、ＰＳＰ版の三国志の登場です。
携帯ゲーム機ではシリーズの移植でも、今まで通し番号(IIやIV)が付かなかったのですが、今回登場した三国志はＶという番号が付き、正当移植のお墨付きとしてリリースされました。
移植元はＰＳ版で、パワーアップキット無しの物になります。
これでようやく携帯機でも、正当な三国志シリーズが遊べるようになったと言う事ですね。

さて、三国志Ｖですが、これは元のゲームの出来が物凄く良い。Ｉ、II、III、IVと続いたシリーズの総決算的な出来で、それ以後の三国志シリーズは全武将プレイやリアルタイム戦闘等、未だスタイルは迷走しています。

そんな訳で、現状最もスタンダードで腰を据えて遊べる三国志は、三国志Ｖという事になります。

システムはオーソドックスにターン制。
命令回数は名声に応じて増えていき、最低1ターン3回、最高10回となります。
名声は年毎の評定で決まる目標を達成するか、領地を拡大すると上昇、領地を奪われたり悪政を執くと下がります。
また、各武将体力があり、命令を実行すると規定値下がる為、体力が足らない場合は命令実行できません。

内政や外交などのシステムは、担当官を割り当てる事から始まります。例えば計略担当官は軍事命令を実行できない等、人材の振り分けが大事です。
担当官は一定期間で振り分けを変更する事が出来ます。

戦争は1マップ上に城がいくつかあり、全部占拠するか敵全滅で勝利。
街道が繋がっていれば敵援軍も来ますが、距離によって援軍到着時間が変化します。
(特技、「強行」を持っている武将が軍団長の増援は、早く到着します。)

武将は各々能力値を持ち、戦闘時の陣形は、新しい陣形を所持する武将を倒すと覚えます。
また、それ以外の内政や計略、訓練などで経験を積むと、火計や混乱など、様々な特技を覚えます。

新武将も100名まで登録可能。
登録後、ゲーム本編を始めてセーブする事で記録されます。ちなみにセーブ容量は672kbです。

以上が概要説明です。


ＰＳＰ版ならではの特徴としては、ワイド画面のレイアウトと生演奏に尽きるでしょう。
気になる読み込みは、スタート時にちょい長い読み込みがあるのとイベントムービー時にちょいあるぐらいで、ゲームは待ち時間も無く非常にさくさくと進みます。

三国志シリーズでも屈指と呼ばれるＶの音楽が生演奏で聞けるというのは大きな喜びです。
スタートメニューに音楽鑑賞モードもついていて、この辺もＰＳ版からカットされていない機能であり、嬉しい移植です。

ワイド画面に関しては、もう素晴らしいの一言。
今までのコーエー歴史シミュレーションの、家庭用ゲームや携帯ゲームへの移植では、元がＰＣの高解像度だった物をテレビや携帯機の小さなモニターに情報表示するため、どうしても文字情報が大きく、また見辛く、背景マップや戦場などを隠す事になっていました。
ところがこのＰＳＰ版は、16：9のワイドで表示範囲が非常に広い為、戦略時も左側に全マップを表示し、それを隠す事無く右側にコマンドを配置したり、戦闘も左側に戦闘画面、右2/5上に全域レーダー、その下に情報と、全くストレスがありません。

と、私はコーエーのシミュレーションマニアなので、今までＰＣ版全ての三国志ゲームと携帯機の三国志ゲームを遊んで来たのですが、この三国志Ｖは、今まで出た三国志Ｖの中でも最高峰です。


惜しむらくは、何故パワーアップキット付きで移植しないのか。
コーエーはこういう商法が多すぎてうんざりです。
サポートに電話で真意を聞いてみた所、
「今回はＰＳ版の移植であり、パワーアップキットの移植ではありませんでした。」
というそんな事は最初からわかってるという回答しか返って来ず、ちょっとげんなりしたのでした。


まあそれでも、この三国志Ｖは本当に完成度が高いので、ＰＳＰでまともな歴史シミュレーションを探している人は是非どうぞ。電車通勤や行楽のお供に最適です。家で遊ぶのも勿論ＯＫ。

amazonでの評価は、こうなっております。

私の評価としては、パワーアップキット付きではないので4つ星。星1つ減らしましたが、単品で見れば5つ星の最高評価です。
何より携帯ゲームで手軽に本格歴史シミュレーションが遊べるという衝撃が大きい。

うん、良い買い物しました。