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(TRFWアーカイブ)Disco Jetsを強力におすすめします

2012年04月03日 | Todd Rundgren
[Todd Rundgren Fan Webを置いているinfoseekのホームページ・サービスが
2012年5月に終了するため、Todd Rundgren Fan Webの記事をいくつかこの
ブログに再掲することにしました。Todd Rundgren Fan Webを略してTRFW、
そして、古い記事ですのでTRFWアーカイブとよぶことに。ちょうどDisco Jets
が一枚のアルバムとしてエソテリックからリリースされたので、2001年当時
Disco Jetsのことを書いた記事から]


Disco Jetsを強力におすすめします

 今回「デモ・アンド・ロスト・アルバ
ム」の中からCD2の後半におさめられた
「ディスコ・ジェッツ」についてとりあげ
ることにしました。

 雑誌などでの「CD紹介」程度ですと、
なかなかこの「ディスコ・ジェッツ」の
よさにふれたリビューなどが見当たりま
せんでしたので、ここでおおいにプッシュ
しておきたいです。

 「デモ・アンド・ロスト・アルバム」
のリリース後から、そのうち「ディスコ・
ジェッツ」のおすすめページをつくらな
いと・・・とプランしていたのですが、
後まわしになってしまいました。

 ところが、先日、サーチしていてある
トッド・ラングレンのことが載っている
ページを見たところ、(そこは今まで
知らなくて、サーチで初めていきあたっ
たところでした。トッドのファンサイト
ではないのですが)
「デモ・アンド・ロスト・アルバム」の
リビューも載っていました。そこには
「ディスコ・ジェッツ」を聞いた感想も
書いてありました。
 それを読んで、これはなるべく早くいち
ど「ディスコ・ジェッツ」について書いて
おかないといけないと思いいたり、記すこ
とにします。

 もちろん音楽の解釈はリスナーそれぞれ
違いますが、
たとえば「ディフェイス-」のアルバム
をビートルズの曲をまったく聞いた
ことのないかたが聞いて、そしてそれが
ビートルズの曲を意識した楽曲であると
知らずに聞かれたとしたら、アーティス
トの意図というのはそのリスナーには伝
わらない、ということはあると思います。

 そして、やはり誰もが「全能の人」
(リットーミュージック刊)を
読んでいてくれるわけでもないので、
作り手の意図がまったく誤解されて
しまうこともあるでしょう。

 「ディスコ・ジェッツ」はユート
ピア(読んだはなしでは、まだカジ
ムが参加する前の録音だということ
です。クレジットはカズも名前が
記されていますが)のプロジェクト
として録音されたものですが、
「全能の人」のロジャー・パウエル
のコメントによると、
「あの頃よくあったディスコものの
アルバムに対するジョークみたいな
やつさ。レコードを出して、買った
人がはたしてユートピアだってわか
るか試してみようじゃないかって
レコード会社に話をもちかけたんだ
けど」と話しています。

 ジョークという側面では、わたしが
サーチで見かけたあるレビューなどでは
まさにそのジョークにひっかかってくれ
た、という感じです。
 たぶんアルバム・タイトル(バンド名)
が「ディスコ・ジェッツ」なので、
当時流行していたディスコ・サウンド
をトッド(ユートピア)もやってみた
のか・・・と思われてしまってもムリ
もない要素があります。

(そしてわたしの場合このアルバム
はぜんぜんディスコに感じられません
でした。まあ、確かに踊れるかもしれ
ないですけれど)
 
 だいたい、もしリスナーが昔のトッド
ファンでもなく、25年も前のディスコ
・ブームじたいもぜんぜん知らない
としたら、「ディスコへのジョーク」
というコメントじたい意味が通じない
かもしれません。

 これだけは言ってもまちがいでない
と思うのは、当時のディスコ・サウンド
のブームを見て、じぶんもディスコ
をやってみようとした、ということでは
ぜんぜんないということです。

ドナ・サマーのLove To Love
You Babyのヒットが1976、
I Feel Loveのヒットが77年、
ジョルジオ・モロダーのディスコ
ヒットが、その手の音楽を特に
聞かないリスナーにまで、いやで
も耳に焼き付いてしまうような
そんなはやり方でした。

やはり「全能の人」のインタビュ
ーで、TRは次のようにコメント
していました。
「ジョルジオ・モロダーもシー
ケンサーの可能性を本当に理解
していたとは思えないんだ。
彼は真剣に音楽に取り組んで
いただろうか? 彼は怠け者
だったにすぎないと私は思う。
機械の手を借りてお手軽に
音楽を作ってしまうこと、そ
れがシーケンサーやコンピュー
ターを使うときに陥りやすい
問題なんだ」

 いまだってそうですけど、ダン
スものはやはりエレクトロニック
の牙城ですので、シークエンサー
的・ダンス・ビート的な聞き方を
すると、エレクトロニックの
音楽に興味のあるアーティストに
とっては看過できないものはあった
と思います。
音楽性として共感できない立場に
いたとしても、ディスコ・サウンドじ
たいは当時席捲しましたから、何か
それに対して批評的な態度をあらわし
たかったかもしれません。

 そこで、その批判性の部分で、
「ディスコな」要素があったと
思いますが、それはあくまで一部
にすぎなかったと思います。
そういった批判とかジョーク
とかいったことは「ディスコ・ジェッツ」
というひじょうにおもしろいアルバムの
ほんの一部にすぎなくて、
本質的にはTRのエレクトロニック・
ミュージックのセンスがそうとうに
発揮されたクリエイティブな音源で
はないでしょうか。

 このやっと陽の目を見ることのできた
おくら入りアルバムが、2枚組のアルバ
ムの中で埋没してしまうのはあまりに残
念なので、ひとりでも多くのかたにきち
んと耳を傾けてもらえたら、と願ってい
ます。


卓越したメロディーを楽しんでもらえたら

 音質的に理想的というわけではない
のが少し残念なのですが、楽曲じたい
はじゅうぶん楽しめると思います。

 各曲の卓越したメロディ・センス、
音色(当時でいういわゆる「ピコピ
コ」ですね)の独特のTRらしさな
どをぜひ味わっていただきたいです。
 エレクトロニックかつファンキーと
いうTRならではの世界が楽しめます。

 ディスク2を「フロッギー」と
通しで聞いてしまってピンと来なか
ったかたにはぜひ「ディスコ・ジェ
ッツ」だけ、MDやカセットに録音
して聞いてみることをおすすめします。
(あるいは、あらかじめプログラム
したり)
 各楽曲がとてもよいので、
「フロッギー」のつづきでなにげなく
聴いてしまってはもったいない(と
いうか「ディスコ・ジェッツ」まで
たどりつかずに夜はふけて、ぜんぶ
聞いてもらえないということもあり
そう、でもわたしは「フロッギー」
のほうもおもしろかったですけどね。
TRのギターはやっぱりいいし)し、
歌詞こそほとんどないけれど、いい曲
つくっていたんだなあ(今もいいです
けどね、念のため。特に最新曲の「ア
フターライフ」は今から楽しみです。
でもなんといってもいい曲がこうして
たばになって聞けるというのはほんと
にうれしい)とあらためて発見がある
かもしれませんよ。

 特におすすめのトラックは
「ディスコ・ジェッツ」
「V.H.F」
「ペット・ロック」
「ライジング・サイン」それに
「ブラック・ホール」もいいです
ね。ちょっと「アイコン」をおもわ
せるところがスリリングです。

 TRのファンはいろいろなので、
この手の音楽は受け付けないかた
がいるのも知っているのですが
(ソウルボーカリストのTRが好
きなファンの中にはギターやシ
ンセ曲などはぜんぜん興味がない
かたもいるので)AWATSや
「トッド」、「トッド・ラング
レンズ・ユートピア」「イニシ
エーション」などが好きなかた
は、デモなどにあまり興味がな
くてもユートピアのオリジナル・
アルバムの欠番とおもって聞いて
みてもらいたいです。

それと、トッド以外の音楽では
ハイラマズやマニー・マークが
好きなひとにも、いちど聞いても
らえたらいいなあと思います。

(アップデート 2001年
2月20日)







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