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支流からの眺め

武漢ウイルス感染症は、指定感染症なのかカゼなのか

 武漢コロナウイルス感染症:WARS (https://blog.goo.ne.jp/tributary/e/84da922cdd25a87b24d80a3e0c6df67b)には、奇異なところがある。まず、その出自が不明である。急速にPandemicになったのが、中国人が世界中にいるからだけとも思えない。欧州や米国で猖獗を極めるのも(日本で流行が穏やかなのも)、納得いかない。病状が無症状から死亡まで極めて幅が広い(個人差が大きい)のも、不思議である。しかし、これらの奇異な事象は、ウイルスや病状・感染状況の奇異である。人のやることの奇異ではない。

 わが国の感染症法では、感染症は1類(エボラ出血熱、ペスト、痘瘡など)、2類(小児麻痺、ジフテリア、結核、SARS、M ERSなど)、3類(コレラ、赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、パラチフス、腸チフスなど)、4類(A型肝炎、マラリア、日本脳炎、デング熱、ボツリヌス症など多数)、5類(インフルエンザ、麻疹、AIDS、性器クラミジア症、梅毒、MRSAなど多数)、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症(既知の感染症で危険なもの)、新感染症(未知の感染症で危険なもの)に分類されている。

 WARSは指定感染症とされ、政令で2類相当と定められた。すなわち、交通機関の停止はできない(1類はできる)が、強制入院(医療費は公費負担)が可能である。PCR検査で陽性となれば、軽症や無症状でも強制的に入院させることができる。入院すれば、隔離された病室に入れられ、家族と面会もできず、医療関係者も防護服で身を固めてでしか会いに来ない。病状が回復しても、退院が許可されるのはPCR検査で2回連続して陰性となってからである。

 ところが実際には、一部の軽症者はホテル隔離や自宅待機が許されている。ホテルでは隔離は可能だが医療体制は不十分であり、自宅では同居家族に伝染の危険が高いにも拘らず、である。しかも、入院の場合はPCR検査の2回連続陰性を確認して退院となるところ、ホテル隔離や自宅待機は14日が経過すれば(PCR検査をしないまま)解除できる。この処置の法的根拠は、一通の「事務連絡」で裏付けられている。この強制入院緩和の目的は、病院の負担を軽くして「医療崩壊」を防ぐことにあるらしい。奇異である。

 2類相当の指定感染症としたのは、それだけ危険と認識したからであろう。一方、事務連絡で軽症者にホテル隔離や自宅待機を認めたのは、軽症者は危険でないと認識したからである。これは、法的には整合性を辛うじて保っているが、Double standardで矛盾は残る。病状が重い人は、強制されなくても入院する。強制入院という制度があるのは、軽症者でも入院させる必要があるからである。軽症者なら入院させる必要がないなら、強制入院を可能にしておく必要はなく、WARSは2類相当ではないことになる。

 その一方、この対応は現実の医療と矛盾しない。WARSの病状や伝染性をみるに、医療崩壊の防止のために強制入院を緩めるのは、軽症者が伝染対策を的確に行うという条件付きで、賢明な選択である。賢明といえるのは、WARSが極めて危険ではないからである。2類にあるSARSやMARSの致命率10-30%に比べれば、WARSは1桁以上低い。そうならば、WARSを2類から外せばよい。そうすれば何も奇異なことはない。5類にするか「タチの悪いカゼ」扱いが適当ということである。一昔前なら、カゼをこじらせて亡くなる人もいたが、大騒ぎしたり入院隔離したりはしなかった。但し、感染対策
(https://blog.goo.ne.jp/tributary/e/2cf9195e6cfba71afaa4a7ccf87557e4)
を継続することには変わりない。

 指定感染症2類相当などという仰々しい扱いをやめて、「タチの悪いカゼ」が流行っているとみれば、心理的には落ち着きを取り戻せる。

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