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蟷螂亭日記

「蟷螂の斧」という言葉は、弱き者が抵抗するという意味であるが、たとえ無駄であっも抵抗しなければならないこともあると思う。

2020年オリンピック東京開催決定と歪んだマスメディアの報道

2013年09月10日 12時57分36秒 | 日記
・まずは2020年のオリンピックが東京で開催されることを素直に喜びたい。前回も書いたが、オリンピック開催の機会に恵まれたことで、自然に日本人にまとまりができ、東日本大震災からの復興や福島第一原発事故の終息、長引く経済不況からの脱却、財政再建、社会保障制度の立て直しなど、様々な課題を持つ日本が国民一丸となってその解決に努力することが可能になっただろうし、また、その成果を世界にアピールする絶好の機会に恵まれたのだから国民の気持ちにも自然と前向きの気持ちや勇気が湧き起こってくると思うのである。

・オリンピックは単なるスポーツイベントではない。日本と日本人に勇気を与えてくれる起爆剤でもある。もともと優秀な日本人である。猪瀬都知事が言うとおり、「心のデフレ」を払拭すれば日本人にできないことはないと思うのである。7年後を目指して国民一人ひとりががんばるとともに互いに協力して諸困難に立ち向かい、それを克服した姿を世界にアピールしようではないか。

・そんな明るい気持ちでテレビを見ていると、東京オリンピックにイチャモンをつけるような内容の番組の多さに驚く。NHKはじめTBS、テレビ朝日が特に酷い。その典型的な例がオリンピック開催と福島第一原発事故を絡ませた批評だ。東京オリンピック開催はおめでたいことかもしれぬが、この開催によって福島第一原発事故の復興や被災者の救済は置いてけぼりになるのではないかという論調だ。そして、それを証拠づけようとして、わざわざ福島の被災者にインタビューし不安を語らせているが、テレビ局の方で無理矢理言わせている感じがして当の被災者だって困惑した顔を浮かべながら答えている。

・マスメディアの人間というのは、よほど心根がひん曲がった人間が多いのだと思う。私は彼らを腐れ左翼と呼んでいるが、彼らにとっては現政権の成果となることにはすべて否定したい欲求があるのだろう。その欲求を満たすためには、日本の国益に大いなるプラスをもたらす東京オリンピック開催だろうと批判のネタにしてしまう。本末転倒も甚だしいし、よほどの馬鹿か日本の転覆を願う亡国の輩か、そのどちらかだろう。

・福島第一原発事故の被災者にとっても迷惑な話だ。自分たちはオリンピック開催を素直に喜んでいるのに、マスコミが勝手に被災者はオリンピックの東京開催に不満なり不安なりを持っているなどと喧伝されるのだから。こんなマスコミによる分断工作は日本を滅ぼす極めて悪質な行為であることを彼ら自身は認識しているのだろうか。彼らにそんな認識はないのだろうが、やっていることは他国から潜入している破壊工作員と同じことだと言っておこう。

・まともな日本人ならば、東京オリンピックを成功させるとともに被災地の復興を同時に達成するために日本人全員が力を合わせていこうと呼びかけるのが普通の感覚なのだ。こんな常識を持つことのできないマスメディアは国民の敵である。

オリンピックの東京招致に期待する

2013年09月06日 12時16分41秒 | 日記
・2020年のオリンピック開催都市の決定は2日後に迫った。当初、東京有利と伝えられていたが今日の報道ではマドリード有利となっている。イスタンブールも含め接戦なのだろうが、できれば東京に決まってほしいと思う。オリンピックを通じて世界とのスポーツ交流を図りたいという願いとともに、東京オリンピック開催決定によって、少し元気をなくしている日本を活気づけたいとの思いもある。

・今の日本は、長引くデフレによる経済の低迷から抜け出さねばならないとともに、借金漬けとなった国の財政再建にも取り組まねばならず、おまけにこの間の政治的混乱からも脱却していかねばならないという、いわば三重苦を抱えており、ここらでオリンピック東京開催で盛り上がり、この困難を国民全員が一丸となって乗り越えたいと思うのである。

・随分虫のいい話だと言われるかもしれないが、なにしろ日本人はお祭り好きだから、オリンピックの東京開催が決定されれば、体内のDNAが騒ぎだし、これを成功させようということで自然とまとまりができるだろうし、先ほどの三重苦も国内外に抱えるその他の諸問題についても多少の困難はあっても協力しあって乗り越えていけるように思うのだ。

・そんなことは単なる思い込みだと言うなかれ。1964年の東京オリンピックを想起してみればその効果のほどが如何に絶大かは解ろうというもの。そんな昔の話は参考にならないと言うなかれ。近くは北京オリンピックやロンドンオリンピックの例を見たって同じことが言えるではないか。

・安倍総理だって、オリンピックの東京招致が如何に重要かを認識しているためにG20を抜け出してブエノスアイレスで招致演説をするのだろう。アベノミクスにとってもオリンピック招致は第4の矢なのだ。日本人が未来に向けて積極的に行動する意志を持つことができる絶好のチャンスである。

・これほど重要な意味合いを持つオリンピック招致ではあるが、日本のマスメディアは終始冷ややかな態度をとっている。というか、さすがに国民の大多数がオリンピック招致に賛成である手前、露骨な反対はしていないが、オリンピック開催のデメリットを強調したり招致活動を冷やかしたり、わざわざ東京招致に不利になるような情報(福島汚染水、竜巻など)を外国に発信するなど間接的にオリンピック招致活動を妨害するような行動に出ている。腐れ左翼に乗っ取られた売国メディアの有り様を見るにつけ、ほんとに情けない気持ちになる。

・まっ、それはそれとして東京へのオリンピック招致が成功するよう心から祈りたいと思う。

「はだしのゲン」に関する愚かな議論

2013年08月23日 15時17分50秒 | 日記
・若いころは漫画好きで、大抵の週刊マンガ雑誌を読んでいた。「はだしのゲン」もジャンプに掲載されていたのを知っていたが、内容もおもしろくなく、絵も下手だったので、そのページが来ると飛ばしていたと記憶している。私だけが嫌いなだけでなく、読者全般に不人気だったはずである。幾たびも連載中止の話があったし、人気を得るために過激なシーンを雑誌社の意向で入れているという噂も聞いていた。作者には悪いが、箸にも棒にも引っかからない詰まらない作品であったことは確かで、いつのまにか連載も終わっていた。

・そんなカスみたいな作品が今話題になっていると聞いて、正直驚いた。まず学校の図書館にこの作品が置いてあること自体が驚きであった。更に驚いたのは学校の副教材として授業に使われている事実だった。作品そのものが詰まらない上に編集者の意向でありもしない過激なシーンを挿むいい加減な作品が授業に使われるというのはどういうことだろうかと不思議であった。確かに原爆の悲惨さを扱った作品であるが、フィクションとして描かれ、たっぷり嘘も入ったこの漫画を教材に使うことが妥当かどうか、誰が考えても結論は解るはずだ。オカシイに決まっている。

・調べてみると、この作品はジャンプでの連載打ち切りの後、共産党の機関紙やら日教組の機関紙で描き継がれたとのことである。なーんだと思った。この詰まらぬ作品は共産党をはじめとした腐れ左翼の反核運動や平和運動に政治利用されたにすぎないのだ。学校の図書館に置かれたのも授業の副教材として使われたのも日教組などの腐れ左翼教師が画策して行った結果なのである。今さら言うまでもないが、先の戦争や原爆投下について教育する場合は、正確な歴史的事実に基づいて行う必要があるが、この作品は事実に基づかない、かなりいい加減な作品であり、腐れ左翼の政治的な偏向や捏造が含まれていて、とても教材に使える代物ではない。

・だから、出雲市はじめ各地でこの漫画の図書館での閲覧制限を設けることは理解できる。建前上、過激な描写を問題にしているが、実際には偏向教育を是正したいという意向があるのだろうと思う。だが、閲覧制限など中途半端なやり方ではなく、図書館から撤去する措置をとればいい話だ。こんな当たり前のことができないのは、やはり今の日本の教育が相当病んでいるということなのだろう。腐れ左翼に毒されたマスメディアがこの閲覧制限措置にイチャモンをつけているが、出雲市はじめ多くの自治体の教育委員会は、どうか負けないで、撤去や閲覧制限に向けてがんばってほしい。

・ついでに言っておくが、所詮漫画は漫画だ。学校で読む必要は更々ない。こんなつまらぬ「はだしのゲン」を図書館に置くのならば、この作品とほぼ同時代の永井豪の「ハレンチ学園」だって置いていいはずだ。作品としては、こちらの方がよっぽどりっぱだ。だが、誰も「ハレンチ学園」を図書館に置こうとは言わないだろう。それならば、すべての漫画は学校図書館から撤去しておくのが妥当というものだ。

4-6月期実質GDP2.6%増(速報値)-消費税はどうする

2013年08月12日 16時12分00秒 | 日記
・内閣府から4-6月期のGDPの速報値が発表された。実質でプラス2.6%(年率換算)ということで、これまでの景気判断どおり経済は順調な回復を示している。まっ、それはそれで良いのであるが、この数値が、今後の消費税増税の是非を決める重要な判断材料であることを考えると、すこし註釈を加えておく必要があるように思う。

・民間シンクタンクの予想では実質GDPは3%台であり、これに比べると若干低めの数値となっている。この理由を考えると、今回の数値は、意図的とまでは言わないまでも、かなり消極的な数値のように思える。おそらく、9月に出される第2次速報値では大幅に修正され3%台となるのではないかと思う。そして、それを受けて安倍首相は最終的に消費税増税に踏み切るストーリーが出来ているように思うのだ。

・GDPの寄与度を項目ごとに見ても、公共投資や住宅投資、設備投資、輸出ともにもっと伸びていいはずだ。これらは第2次速報値で修正されて全体で3%台ということになるのだろうと思う。

・では、何故安倍政権はこんな手の込んだことをやるのだろうか。安倍政権にとっては消費税増税は景気回復とは無関係に増税すべきと最初から判断している訳で、それを如何にスムーズに行うかが問題だからだ。消費税増税については国民の間にも反対意見が多く、これを説得するためには単純に意思決定しては納得を得られないからだ。悩みに悩んだ末に決定したというアリバイというか過程が必要なために、こうした手の込んだストーリーを考えているのだろうと思う。

・もともと消費税増税は、日本が超高齢社会を迎えるにあたって必要な税構造構築の一環であり、景気の良し悪しとはまったく無関係のものである。たとえ景気が良くて法人税や所得税の税収が伸びても、いつまでもそこに社会保障財源を求めることはできない訳で、安定的な社会保障財源としての消費税増税は必要不可欠のものである。だから、今後も消費税は10%どころか15%、20%と増やしていく必要があるだろう。

・だが、日本の国民、とりわけマスコミは、こうした消費税増税の本質論が好きではない。なんだかんだと屁理屈をこねては、結局最後には増税反対なのだ。こうした無知蒙昧な国民とマスコミに向けては、常に「景気は回復し、国民の所得は上がるから心配しなくてもいいですよ」というメッセージを送り続けなくてはならないのだろう。

・経済学者の中で、将来的に消費税増税は必要だが、今の時点で消費税をあげることは景気を腰折れさせ先送りにすべきだという議論がある。これは無責任な議論だ。経済が民間主導で自立的に拡大していくまで増税を待つべきというのが彼らの議論であるが、そんな時期などいつまで待っても来はしない。確かに消費税増税は個人消費を冷え込ますかもしれぬ。だが、これは多分に心理的なものであって心持によってはその影響を最小限にとどめることができるだろうし、消費税増税が進む中でも経済成長は十分に可能なのだ。

・要は日本国民の心の持ち様ということだ。日本国民がいじけて消極的になっていては何も始まらないし、またもやデフレに逆戻りだ。国民一人ひとりが、日本の未来を信じて強い意志で積極的に行動すれば、消費税増税を進めながら安定した経済成長を実現することは難しいことではない。

参議院選挙を振り返る-ネット選挙

2013年08月06日 14時41分08秒 | 日記
・この話題については既に多くのマスメディアが取り上げているので今さら取り上げることもないのかとも思うが、若干その内容に違和感を感ずるので、一言触れておくこととする。

・このネット選挙、鳴り物入りで始まった割には大した成果もなく終わったというのが一般的な総括ということになるだろう。これは前に分析しているのでもう触れない。そんな中で、ネット選挙戦術として成功した例は数少ないがあったことはあったことも事実である。それは、、全国比例区における赤池 誠章候補の例であり、東京選挙区の山本太郎候補であり、更に共産党の拡散部による浮動票の取り込みである。これら三つの成功例にはある種の共通項があると思うので今日はそこについて書くこととする。

・私は自分を単なる庶民であって非政治的な人間だと思っているが、世上の判断からすれば保守系に属することになるのだろう。それでという訳でもないが、赤池誠章候補を例にとって、ネット選挙の効用と課題を明らかにしたい。赤池候補は、地元山梨では約1万5000票しかとれなかったにも拘らず、保守系団体によるネットでの支援とこれに呼応した保守系賛同者の支援もあって全国で20万票余獲得し当選した。バックに業界団体を抱える訳でもなく、全国的な知名度がある訳でもなく、地元での支持がどちらかと言えば低い候補が比例上位で当選するというのは奇跡に近く、まさにネットによる支援の賜物というところだろう。

・具体的に言えば、チャンネル桜やがんばれ日本全国行動委員会のネット内外での支援や倉山満、三橋貴明、上念司、KAZUYAなどの保守論客のネット上での呼びかけが功を奏したと言える。開票直前まで落選ではないかと噂されていた赤池候補が開票直後に当確が決まったのは、こうした団体や論客の呼びかけがあり、これに呼応して立ち上がった保守派の大衆の支援があったからに他ならない。これはすごいことである。従来の選挙では有りえない奇跡に近い出来事である。

・奇跡が起こった理由は三つほどある。ひとつは、従来ならテレビや新聞等のマスメディアが流す一方通行の偏った情報のみが大衆の判断材料になったのに対して、今回はネット上で様々な立場からの多様な情報が流れ、大衆にとっての判断材料が大幅に増えたことだ。知名度の低い赤池候補の場合でもその主張がネット上で流布されたことで全国的に知られることとなったのである。二つ目は、SNSが持つ拡散作用が威力を発揮したということだ。赤池候補の場合も、SNS上で保守派大衆のグループ化が進んでいたため、支援のメッセージは比較的スムーズに流れ、そこからまた別のグループでの支援が広がるという拡散が起こったために20万票という大量の票が獲得できたのである。ここまでの二つはネットの機能面に着目した理由であるが、三番目の理由は人々の気持ちの中に生じた心的メカニズムによるものだ。

・人々の気持ちの中に生じた心的メカニズムとは何か。それは一つにはネット上で候補者を支援する大衆の中に生じた候補者の偶像化である。ネット上で候補者を支援するためにはその人の政治的主張を伝えることが難しいために、どうしても心情的に訴えることが多くなり、その過程で、候補者が戦う孤高の人であったり悲劇的な英雄であったりという偶像が出来上がってしまい、その偶像がまた支援の輪を広げる要因となる流れが生ずるのである。赤池候補の場合も、「落選中にも日本を守るために全国を駆け回ったブレない男」であり、「自民党山梨県連の意地悪にも耐えて頑張った誠意の人」とか、たとえそれが事実であろうとなかろうと偶像化現象が起こり、この評判を聞いて事実を確かめもせず投票した人も多くいたのだろうと思う。

・心的メカニズムのもう一つは、候補者を支援する側が偶像化した候補をネット上で育てていくおもしろさを味わっていることだ。まるでゲーム上でその主人公を育てるような感覚で候補者を支援し、その輪が広がっていることを楽しみにしているということだ。赤池候補の場合でも、そうした支援者のゲーム感覚での支援があってこそ20万票という票がとれたのである。

・ネット選挙における候補者の偶像化とゲーム感覚による支援という心的メカニズムの作用は、選挙を勝利に導く極めて有効な手段となると同時に、一方で候補者の実像やその主張を見失わせる危険な側面も潜んでいる。赤池候補の場合は、その偶像化と実像との間に大きな乖離がなかったので、それを問題視することはないのだが、東京選挙区で60万票獲った山本太郎の場合は虚像と実像が大きく乖離していた。

・山本太郎という男は政治的な能力もなければ知識も経験もなく、まさに政治家としては箸にも棒にも引っかからぬ男であるが、役者出身ということから大衆へ情緒的にアピールする術に長けていたのだろう。反原発を掲げ庶民目線で政治を変えるという訳のわからぬ主張のみで60万票を獲ったのである。おそらく彼を支持した有権者は、社会性が欠落した幼児的な若者や女性たちだろうが、そんな彼らが反原発で芸能界を干されかかった悲劇の主人公として山本太郎の偶像を作り上げ、この10円玉ハゲの男を国会議員にさせるサクセスストーリーを夢想して、ゲーム感覚のノリで支援したのだろう。その結果が当選なのである。ネット選挙運動で生ずる偶像化とゲーム感覚でのノリは、こんな愚かな男まで当選させてしまう危険もはらんでいることに十分に留意する必要があるだろう。

・まっ、それでも山本太郎の事例はあくまで一過性の問題だろうと思う。もともと中身のない男であるから今後の国会活動の中でその無能力が明らかになり、ブームが去ってしまえば、それで終わるからだ。怖いのは共産党の例である。共産党の場合は、ネット選挙の特性について十分理解しつつそれを活用して戦略的に運動を展開し、選挙区で3名の当選者を出し、得票数でも前回を160万票上回る515万票を獲得したのである。もちろん、共産党の場合、ネット活用だけでなく従来通りの組織的なオルグや情宣が活発に行われたことも事実であろう。だが、共産党が票を伸ばした主な理由は浮動層の取り込みであり、この浮動層の取り込みにネット運動が威力を発揮したということだろうと思う。

・共産党は、今回の参議院選で、まず都市部の選挙区候補を共産党らしくない若者候補を選んだ。東京の吉良よし子と大阪のたくみコータローである。従来の共産党候補者はバリバリの活動家の成れの果てみたいな厳ついおじさんおばさんが定番であったが、今回は浮動層の取り込みのために共産党らしくない明るいキャラクターを持った若者を立てた。また、拡散部を作ってSNSの拡散機能を活かした戦術をとり、反原発や反消費税、護憲などの個別テーマごとに市民運動家やグループと結びつきを強め、共産党色を強く出さないよう配慮しながら各運動の広がりを集票につなげるよう努力し成功したと言える。この際、共産党はネット選挙運動に働く心的メカニズム(偶像化とゲーム感覚)も十分意識してこれをうまく利用していたことは、共産党らしくない若者候補者を選んでいることからも解る。

・もともとネット選挙において働いた心的メカニズムというのは自然発生的に生まれたものである。だが、共産党のようにこれを組織的に活用しようとした場合、偶像化しやすい人物をあらかじめ選定しておき、大衆からの偶像化とゲーム感覚による支持を人工的に作り出すという、ある種策謀に近い戦術が生まれることになる。私は、これは極めて危険なことであると思う。だが、現実は現実である。現に共産党は今度の参議院選挙で成果をあげている訳で、違法性のないかぎり勝ちは勝ちである。これに文句をつけてもしょうがない。

・私が言いたいのは、ネット選挙で新たな選挙戦術が生まれており、共産党では既に組織的にこれと取り組んでおり、成果もあげているということであり、今後もこの流れは拡大していくと思われるので、保守派の方も参議院選挙での大勝に喜んでばかりはいられないということだ。保守派の陣営でも、もっとネット選挙戦術というものを真剣に考えなければならないと思う。

参議院選挙を振り返る-投票率

2013年07月31日 12時09分15秒 | 日記
・今回の参議院選の投票率(選挙区)は全国平均で52,61%だった。前回(2010年)の57.92%を5ポイントほど低く、過去の参議院選の中で3番目の低さだそうである。まー低調な選挙だったということだろう。

・マスメディアが「歴史的な選挙」だとか「日本の将来を決める選挙」などと大袈裟にその重要性を説き、争点は憲法改正、経済問題、消費税問題、社会保障問題、原発問題、防衛問題など山ほどあると大騒ぎしていたが、実際のところは、安倍政権の順調な政策運営に対する信頼が篤いために、争点らしい争点もなく、単なる安倍政権への信認を確認するための選挙であったために、この程度の投票率だったのだろう。

・建前としては、投票率は高いにこしたことはないのだろう。だが、日本人というのは昔からその道のプロのやることには口出しせずに黙ってまかせるというような国柄である。だから、政治の分野でも信頼や安心があるかぎりはあえて意思表示をしなくてもよいと考える人が多いのではないか。それが投票率の低下につながっていると思う。

・それを投票率の低さをもって、政治意識が希薄であるとか、民度が低いなどと騒ぎ立てるのは見当違いというものだろう。今回、マスメディアが投票に行こうなどと大騒ぎしたのは、無理矢理争点を作り出そうとするのと同様に浮動層の反自民票を掻き集めようという不純な動機に他ならない。

・また、若い人たちが投票にいかないことが問題視されるが、そんなことは今の時代だけではなく昔からあったことなのだろうと思う。若い人たちが俺たちはもっと遊びたいし政治向きのことは大人諸君にまかせるからよろしく頼むという感情はごく自然のものだろう。それを若者の政治意識の低さにつなげるのは間違いだし、嘘である。それから、若者が選挙に行かないから若い人たちへの福祉施策が弱く年寄ばかりに手厚い福祉が行われるというのもマスメディアが作り出した嘘である。

・日本人というのはそんなせこい人間なんていない。日本の大人や老人は自分たちの世代のことだけしか考えておらず、若者を犠牲にしてまでも己の利益を優先するなどというのは、これまたマスメディアが作り上げた嘘である。大多数の大人と年寄は自分の利益よりも子や孫の世代の心配しているのだ。たとえ自分たちの年金が減らされようとも、それが孫子のために使われるということなら、それに反対する人はいないと思う。だから政治家諸君も安心して子育て支援策等を積極的に進めてほしい。

・マスメディアが投票率について嘘ばかり言うから、つい、ほんとのことを言いたくなった。誤解のないように言っておくが、私とて投票率が高くなることは良いことだと思っているし、若者も大いに投票に出掛けてもらいたいと思っている。ただし、マスメディアのつく嘘には騙されないようにということも合わせて言っておきたい。


根性なしの日本の機関投資家

2013年07月29日 14時47分40秒 | 日記
・日本の株価が日経平均で12,000円台まで急落した後、私は素人判断で株価が、今後、黙っていても15,500円までは素直に上がるだろうと予測した。だが、このところの株価の動きを見ていると14,900円台をピークにして再び下がりはじめ13,700円台となり、ここ数日のうちに1,000円以上下がっている。

・確かに市場判断として、アメリカの金融緩和継続と円高、中国経済の先行き不安、ヨーロッパ経済の不振など様々なリスクが存在することは確かだが、そのいずれもが相場を積極的に動かすインパクトをもったリスクではない。アメリカ経済にしてもヨーロッパ経済にしても比較的落ち着いて推移していることは明らかであり、最も大きなリスクである中国リスクさえ日本経済にとっては限定的な影響しか出ないはずである。それなのに何故こんなにも神経質に株式市場は反応するのだろうか。

・今回の株価の下げは、外国人投資家が強く関与はしていないと言われており、国内の機関投資家たちの動きを反映していると言ってよい。私が判断するかぎり日本経済は様々なリスクを考慮しても今後順調に推移するだろうし、株価にしてもこれと言った下げ要因はないはずである。もし、日本の機関投資家が日本経済の先行きをしっかり判断するならば、株への投資は更に高まり、株価は更に高くなっていくはずだ。それなのに、我が国の機関投資家たちは、よほど自信がないのか、はたまた能力がないのか、相変わらず右往左往して、気に掛ける必要もないリスクにびくびくして神経質な売り買いを繰り返している。その結果が今回の株価の下げにつながっているのである。

・それが株式相場だよと言ってしまえばそれまでだが、日本の機関投資家は潤沢な資金を有しており、彼らが日本経済の再浮上を信じ株式市場に積極的に関与する意志さえあれば、株価を押し上げる十分な価格形成力を持っているはずである。それにも拘らずそれをしないのは、よほどの根性なしとしか言いようはないではないか。日本の産業がまさに立ち直ろうとしているときに、銀行、生保等の金融機関がそれを腰折れさせるような馬鹿な動きをすることは許されないことだと思う。

異常な暑さと熱中症

2013年07月12日 17時04分14秒 | 日記
・ほんとに暑い。ここ2日ばかりエアコンのお世話になりっぱなしで部屋に閉じこもっている私であるが、それでも野暮用で外出すると眩暈がするほど暑い。少し大袈裟な話にあるが、ここ2,3年は「この夏が越せるかな?」などと自問することもある。嫌な年齢になったものだ。

・テレビなど見ていても、他にニュースがないせいか異常な暑さと熱中症の話題ばかりやっている。特に年寄の熱中症は重症化しやすく、死亡者も出ているということだ。農作業に出ていて炎天下で死亡したしたとか、部屋の中でエアコンもかけずに死亡したとかという例を出し、水分と塩分を摂れとか、見守りを徹底しろとか予防策を訴えている。まっ、これはこれで大切なことだが、年寄目線で見聞きしていると、一方で「そうは言ってもなー…」という気持ちもある。というのは、年寄の気持ちとしては、それほど自分の健康に気遣いする気持ちにはなれないのではないかということだ。

・ある番組で、80歳の老婆が、毎日、暑い日差しの中で他人の土地の草むしりを続けている場面に遭遇して衝撃を受けたことがあった。彼女の場合、他人の土地の草むしりをすることは仕事ではない。また、家族はこの老婆の健康を気遣って止めるように何度も説得したが止めない。更にその空地は子供の遊ぶ場所でもなく人々が使う道路でもないから社会貢献ということでもない。インタビューに答えて、彼女は「草むしりが好きだから」と言うだけである。

・正直言って彼女の草むしりに意味はない。彼女の草むしり能力は限られており、空地の草を全部取り終えるまでに次の草が生えてしまい、彼女は生きているかぎり永遠に草むしりをすることになる。まるで、
カミュの随筆「シシュポスの神話」のようではないか。

・知らない人のためにこの話をする。シシュポスは、理由が解らないままに神々の怒りを買ってしまい、大きな岩を山頂に押して運ぶという罰を受けた。彼は神々の言い付け通りに岩を運ぶのだが、山頂に運び終えたその瞬間に岩は転がり落ちてしまう。同じ動作を何度繰り返しても、結局は同じ結果にしかならないという話だ。カミュはここで、人は皆いずれは死んで全ては水泡に帰す事を承知しているにも拘わらず、それでも生き続ける人間の姿を描き、人生の不条理を説いたものだ。

・草むしり老女の話に戻るが、彼女は人生の終末期を迎えて、いずれ人は死ぬのだという運命に直面しているが、とりあえず今は生きているという状況下にある。こうした中にあって、彼女にとっては家族や周囲からのどんな手厚いサポートがあったところで何の意味も有していない。彼女はいずれ死ぬのだという運命に逆らうことはできないし、まさに他人とは無関係のところで自らの死という不条理と立ち向かわねばならないからだ。そんな場合、彼女にできることはひたすら人生の不条理に耐えながらその結果である死を待ち続けることだけである。彼女の草むしりの意味はまさにここにある。

・このことを昔風に言うならば、彼女はひたすらお迎えが来るのを待っているのだ。そして、お迎えが来るのを待っているのは草むしりの老女だけではない。クーラーもつけずに部屋の中で無為に過ごしいる老人でも同じことだ。彼らは静かに自分の死と向き合っているのである。だから、マスメディアが伝えるように彼らの熱中症による死は家族や周囲の者にとっては不幸な出来事であっても、彼ら自身にとっては、あながち不幸とばかりは言えないのではないかとも思う。自分自身の行く末などを考えながら、ふと、そんなことを感じてしまった。

最近の株価の動き

2013年07月10日 13時01分24秒 | 日記
(最初に断っておくが、私は株については素人であるから本来であれば株価の予測などしない方がいいのだが、最近の株価の動きが気になるので、自分なりの見通しを立ててみた。まー、勘で物言いしているので、これを読む方は絶対信頼しないようにお願いしておく。)

・最近の株価の動きを日経平均株価で見ると、5月末に15,900円台をつけた後、一旦は調整局面に入って6月中旬に12,400円台まで下げ、その後再び上昇に転じ、今日(7月10日)の午前中の終値では14,500円前後になると思われる。

・この間の動きには米国ファンドの投機的な動きやそれに振り回された日本の機関投資家の動きがあり、更には米国経済の景気見通しと米国金融緩和の出口戦略の行方、ヨーロッパや中国の金融不安などの影響も重なって、株価は乱高下してきたが、変化の基調としては日本経済の堅調な動きとアベノミクスの効果的な展開を受けて、日本経済への信頼が高まり、株価は上昇局面にあったと言える。そして、それは今も同様であり、今後も続くと予想される。

・テレビなどで、今後の株価の動きについて、やれ中国のバブル崩壊だとかヨーロッパ金融危機の再燃などと大袈裟に騒ぎ立てるが、私はそれほど問題にしていない。もちろん影響がでることを否定しているのではないが、これらの問題が直接日本に影響を与える度合いは少ないとみている。日本が気にしなければならないのは、やっぱりアメリカ経済の行方だ。現在は順調な動きを見せているが、やっぱり堅実さに欠けている。もし、米国経済が変調を来たして金融政策が大幅に変更されたりすれば、日本の株価にもろに影響するだろうし、為替が円高局面に移るようなことになれば実体経済にも影響が及んでくるであろう。

・だが、日本の経済はマスコミが喧伝するほど脆弱ではないし、世界一と言っていいほど、確実な成長が見込める健全な経済である。だから、世界の投資家たちは日本の株式市場に今後も向かわざるをえないだろう。日本の投資家も自分の国の経済に信頼をおいて積極的な株式投資を行っていくのが良いだろうし、株式市場の安定のためにもそうすべきである。あまり他力本願でウロウロするよりも、もっと主体的に日本の株式市場をリードしていってもらいたいと思う。

・私の短期的な予測では、日経平均株価で15,500円台までは順調に伸びていくと思うが、この時点で市場は一旦足踏みして、経済の状況変化を見極めるだろう。その後、米国経済が堅調さを保っていれば引き続き続伸するとみている。さて私の予測はあたるだろうか。楽しみである。

参議院選挙におけるネット活用について

2013年07月08日 14時26分01秒 | 日記
・7月4日の公示日以降、ややしいことに巻き込まれないために政治的な発言は控えているが、それにしても参議院選挙から解禁されたネットの活用というのも不便極まりないものだ。実名でなければ政党批判も自由に行えないなんて馬鹿げている。わたしなんかは実名を名乗ることで降りかかるだろう煩わしさを避けるために匿名でブログをやっているのだけなのだから口封じにあったようで釈然としない。

・選挙におけるネットの活用は今回が初めてということで、私自身よく勉強もしていないし、運用の細部についてはこれから決まってくるものも多いということなので、しばらく様子を見ていようと思う。

・私のことはともかく、実際の候補者のブログやtwitterなど見てもうまく使いこなしているようにも見えないし、Youtubeやニコニコなどの活用を見てもあっと驚くような使われ方をされているようには見えない。やっぱり選挙に向けてバタバタと準備したという印象が強い。有権者の方でも、使い方が解らず途方にくれているというのが実情ではないか。まっ、選挙におけるネット利用が本格化するのはこれからということなのだろうと思う。

・アンケートによれば、投票に当たってネット情報を参考にするかという問いに大半の人が否定的ということなのだが、こう答えた人たちはおそらく有権者の1/3を占める老人だろうし、老人ではないにしてもネットとあまり縁のない中高年ということになるだろう。この人たちは、これからもネットを利用するとは考えられないので、やっぱり地道に地域を歩くということが候補者にとっては大切になるのだろうと思う。

・こう考えていくと、選挙におけるネット活用のターゲットは若者と女性ということになり、この人たちにどうアピールし投票に行ってもらうかが成功のカギになるということだろうと思う。だが、これを成功させるのはかなり難しいことだ。選挙期間中にとってつけたようなアピールをしたところで聞いてくれるようなアマちゃんはいないだろうし、彼らは思った以上に敏感で、政治家の真贋、政治的な主張の中に含まれる嘘に手厳しい眼をもっている。そう考えればネット活用というのはおのずと限界があるのではないか。

・まっ、参議院選挙の結果を観なければ解らぬが、私には、若者が政治に積極的に関わるということも若者の投票率が格段に高くなるということもないように思うのだが・・・。