トンビ

調子よかろうが、悪かろうが、今日はカラオケ喫茶に行くと決めている。

いつもの買い物。がんすとぶりとパイナップル。レジはムーミン。代わり映え

しない。ざるそば食って、電話する。今日やってる？休みではないらしい。

雨の降る予報だから、近くの駐車場に止める。昼間は400円で打ち止め。

恐る恐る扉を開ければ、ヒキガエルが待ち受ける。いけない。作業服の

客が、隣でビールを飲み始めた。歌はうまいが、いろいろ注文を付ける。

要は煩わしい。身を乗り出す。私の椅子をける。煩わしい。17時まで

いると決めているので、我慢。よくこんな客と対処できるなママえらい。

7曲歌った。よく歌ったほう。駐車場補助費100円。助かる。

帰ろうとすると鳥取で有名なプロ歌手が入ってきた。不幸中の幸い。

初めて生の歌を聞いた。流石にうまいが、高齢。ママも歌う。

プロ歌手相手に、カラオケ採点をせがむ酔っ払い。95点。流石です。

話し始めたプロと酔っ払い。その機を逃さず帰る翁。駐車場代は

400円。締めて1400-100で1300円。いい勉強になったがつらかった。

ひまだけはしのいだ。思っていたよりずっと若いまま。苦労が見える。

雨が降り出し、オッカナビックリで帰る翁。冬の夕暮れは暗い。

寒椿は失敗した。もっと練習しなくては。ママの歌を歌う。

おもいきり脚色をつけて、歌う。なんと点数が出なかった。

やなかおせずに聞いてくれた。流石はプロ。茶々を入れる客。

黙って聞いとれ、ビール飲め。言いたい翁は気がちいさい。

務めて、ママを見つめる翁。歌を次々に歌うまま。のらしてしまった

ようだ。私がきらいな歌も歌う。どうやらママは猫の性格。自分本位。

目を細めて、歌詞を見る。どうかニャー。よかったかニャー。美味しい

餌をくれるかな？。喉を鳴らして、節回し。ねこなでごえのテクニック。

触ると引っかかれそうだが、爪は隠しておいてね。猫というより鷲。

ぴーひょろろと鳴く。トンビじゃないか。くるくるまいた尾っぽがかわいい。

豚・美。滅茶苦茶だな。せめて歌はキッチリ歌う。ままごめん。あんたは

うまい。とんでもないやつだ。油げを進呈する翁であった。