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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

第101回 全国高校野球選手権・西東京大会 準々決勝

2019年07月23日 | 誓球の空2016-2020

[写真] とどめの7点目は4番・中山のバットから生まれた。10球以上粘って執念の3塁線を割る二塁打

7月23日(火)13:01~14:34 曇り 無風 明治神宮野球場
第101回 全国高校野球選手権・西東京大会 準々決勝
豊多摩(杉並区) 000 000 0・・ = 0
創価 (小平市) 300 031 X・・ = 7

[ 投 手 ]古川
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]宮原、松田
[ 二塁打 ]中山
 
1番(右)大野
2番(中)島本
3番(一)宮原
4番(三)中山
5番(左)松田
6番(投)古川
7番(二)古林
8番(捕)杉田
9番(遊)谷藤

試合開始は12時30分の予定だが、少し早めに出て都庁内にある運転免許更新センターに立ち寄り
信濃町に着いたのが10時30分ごろだった。
野球に支障があるほどではないが、霧雨程度の雨が降り続いていた。

神宮球場に向かう道すがら、横断歩道で止まっていると、年配のご婦人から声を掛けられ高校野球の招待券をいただいた。

「高校野球を見に行かれるのですか?」
「はい。」
「どちらか応援する学校はあるのですか?」
「はい。」
「もし・・・ よろしかったら、ここに招待券が1枚ありますので、創価高校の応援をしていただけませんか?」
「えっ、どうされたのでか?」
「親しくさせてもらってる知人から高校野球の招待券を頂いたのですが、余っているので・・・ 」
「もちろん、私も創価高校の応援に来ました。」
「それは良かった。」

こんなやり取りだったと思う。
年配のご夫婦とともに神宮球場に着くと、小雨が降っていたので屋根があるバックネット裏の2階席へご案内し、
空席をいくつか見つけてから、ご夫婦へ案内してから1塁側のスタンドに向かった。
日頃の行いは、そんなに良い方じゃないと思うが・・・ 今日は良いことがありそうである。

[1回表・豊多摩]
試合開始は定刻から約30分遅れて13時01分
後攻めの創価のマウンドには、二日前に不完全燃焼でマウンドを降りたエース古川が上った。
また、ここまで不動のスタメンだったが、今日は5番レフトに松田が入り、ちょっと変化を付けてきた。

1番、3球でワンボールツーストライクに追い込むと、外いっぱいのストレートがビシッと決まり見逃しの三振
2番、フルカウントまで粘られたが、3塁後方にフラフラと上がったショートへのファールフライ
3番、ツーストライクから3球勝負、外いっぱいのキレのいいスタレートに空振りの三振
三者凡退、古川は前回の登板を引きずることなく、完璧の立ち上がりをみせた。

[1回裏・創価]
豊多摩の先発は背番号10番、大きなフォームから投げ込む右のオーバーハンド、どちらかとと言えば変化球主体の投手
1番・大野、ワンボールツーストライクから三遊間の深いところへ転がすと、ショートが追いつくが1塁はセーフ
2番・島本、初球に大野が盗塁を決め無死2塁から、3球目を確実に転がし一死3塁(早くも先制のチャンスがやって来た。)
3番・宮原、まさに一閃だった。気持ちよく振りぬくと打球は右中間を転々とする先制の3塁打

1点とって尚も一死3塁で4番・中山、ところが中山は相手投手の変化球に全くタイミングが合わず空振りの三振
二死3塁で5番・松田、緩い当たりのショートゴロ、丁寧に捕球したものの送球が左に逸れてセーフ、この間に宮原が戻り2点目
6番・古川、初球に松田が走って二死2塁から、渋い当たりで二遊間を割るセンター前タイムリーとなり3点目

ここで豊多摩ベンチが動きピッチャー交代(10番から1番)、上背のある大きな投手だがスピード感はさほど感じない。
7番・古林、大きなレフトフライ、レフトが一度目測を誤ったが、倒れ込みながら捕球され3点どまり

[写真] 初回、宮原の三塁打から一気に3点、頼もしい長距離砲に当りが出てきた。

[2回表・豊多摩]
4番、3球目を打ちファーストへのファールフライ、フェンスに近かったが宮原が好捕(ナイスプレーだ。)
5番、ワンボールから平凡なセンターフライ
6番、ワンボールツーストライクから、外いっぱいのストレートを空振りの三振(ここまでの古川は・・・ 完璧)

[2回裏・創価]
8番・杉田、強い当たりで捉えたがセカンド正面のゴロ
9番・谷藤、ワンボールツーストライクから外のボールを巧く拾ったが、ライトへのハーフライナー

1番・大野、スリーボールワンストライクから四球を選び二死1塁
2番・島本、大野が盗塁を決めた二死2塁から四球を選び二死12塁とチャンスを広げる。
3番・宮原、初球をライトボール際に大きなファールを打つが、インコースのストレートを窮屈なスイングでショートフライ
もう1本の場面で少しりきんだのだろうか? これは打ち損じじゃなかろうか?
チャンスは作ったものの・・・ 無得点

[3回表・豊多摩]
7番、フルカウントになったが、ボール気味の外の高めを振り空振りの三振
8番、スリーボールから1球ストライクを取ったが、結局5球目が外れて四球(この試合初めて走者を許す。)
9番、ややボール気味の高めの変化球を振らせて空振りの三振
1番、このバッターには投げやすいのだろうか、3球で追い込むと球威のある高めのストレートを振らせて空振りの三振
四球で一人走者を出した者の・・・ 危なげなし。

[3回裏・創価]
4番・中山、2球目を打つが、さし込まれ気味のサードゴロ
5番・松田、ワンボールツーストライクから上手く右に打つが、ライトの守備範囲でランニングキャッチ
6番・古川、初球を叩くが平凡なセンターフライ
ちょっと攻めが・・・ 淡白かも?

[写真] MAXは140キロ、被安打2、与四球2、12奪三振で圧巻のピッチングを見せたエースナンバー・古川投手

[4回表・豊多摩]
2番、2球目を痛烈に捉えると打球は右中間、ライト大野が一直線に走り追いついて好捕(ナイスプレーだ。)
3番、当てただけというか、止めかけたバットに当たってしまいファーストゴロ
4番、早めに追い込んだが、外のストレートに上手く合わされてライト前ヒット
二死1塁で5番、これまたうまく外のストレートに上手く合わせたが、セカンド古林の真正面に飛ぶライナー
このイニング、ヒット性の当たりが何本かあったが、守備陣の活躍で大事に至らず、少し配球に工夫が必要かも・・・ ?

[4回裏・創価]
7番・古林、ツーボールツーストライクから平凡なショートゴロ
8番・杉田、初球を痛烈に捉えるがファーストゴロ
9番・谷藤、フルカウントまで粘って四球
二死1塁から1番・大野、痛烈な当たりだったがサード正面のライナー(30センチぐらいズレていたら・・・ 残念)

[写真] 今シーズン初スタメンにバットで応えた。レフトを守る5番バッター松田選手

[5回表・豊多摩]
6番、ワンボールツーストライクから外への変化球で空振りの三振
7番、ここでもまた外への変化球で空振りの三振(このイニングは配球が変わっている。)
8番、ツーボールツーストライクから上手く拾われてセンター前ヒット
9番、盗塁を決められて二死2塁とされるが、外いっぱいの渾身のストレートで空振りの三振
このイニングアウト三つは全て三振、まさに・・・ エンジン全開といったところだろうか。

[5回裏・創価]
2番・島本、初球を打って出るが平凡なセンターフライ
3番・宮原、フルカウントから12塁間真っ二つ、あっという間にライト前、打球が・・・ 速い。
4番・中山、宮原が2塁へ走る、タイミングはアウトに見えたが、送球が低くベースカバーが後逸、その間に宮原は3塁
中山はワンボールツーストライクと追い込まれたが、外のストレートを軽打すると打球はセンター前に落ちタイムリー

5番・松田、追加点の余韻に浸る間もなく初球を痛烈に叩くと打球は左中間真っ二つの三塁打となり、もう1点追加
6番・古川、フルカウントから技ありのスイング、外のボールに押っ付けるとショートの左を破りレフト前となり、もう1点
7番・古林もレフト前ヒットで続き一死12塁とし、さらにチャンスを広げる。
8番・杉田、ライトポール際に大きなファールを打った後サードへのファールフライ
9番・谷藤、外のストレートに上手く合わせたが、センターへのハーフライナーとなり、このイニングは3点どまり

[写真] キャッチャーからの送球が左にそれたが、素早くタッチして盗塁を刺したショート谷藤選手

[6回表・豊多摩]

1番、ツーボールツーストライクから、インコースへのクロスファイヤーに手が出ず見逃しの三振
2番、3球目を打つが平凡なセンターフライ
3番、平凡なショートゴロ、送球の際に足が少し滑ったように見えたが? 送球が大暴投となり二死1塁
4番、ワンボールツーストライクから、外いっぱいの渾身のストレートにハーフスイングを取られて空振りの三振
この回も一人走者を出したが・・・ 危なげなし

[6回裏・創価]
1番・大野、初球を痛烈に捉えるがライト正面のライナー
2番・島本、これも強い当たりだったが・・・ ピッチャー真正面のゴロ
3番・宮原、当たりが出て来ており、警戒したのだろうか? ストライクが入らずストレートの四球
4番・中山、いきなりツーストライクと追い込まれるが、ここから粘りに粘ってファールを10球ぐらい打ちピッチャーと根競べ
最後は3塁線を鋭い打球で破ると、フルカウントからスタートしていた宮原が1塁から長躯ホームインで追加点

5番・松田は、ツーストライクから高めのストレートに手が出てしまい、空振りの三振となったが
7回コールドゲームの目安となる7点目が入った。

[7回表・豊多摩]
5番、コールドを意識したのか? 力みからボールが先行し、スリーボールワントライクから歩かせて無死1塁
無死からの走者は、この試合初めてだが・・・ ここからの粘りが古川の真骨頂だった。

6番、2球目を捉えられたものの、センターの守備範囲、島本がランニングキャッチしワンアウト
7番、外いっぱいの低めのストレートを振って空振りの三振、これでツーアウト
8番、3球目に1塁走者が走ると、キャッチャー杉田からの送球は若干左に逸れたが、
ショート谷藤素早く取って、走って来るランナーにタッチ、判定は微妙に見えたが・・・ アウト(盗塁失敗)
最後はあっけなかったが、7回コールドで試合終了

この試合のポイントは二つ、一つ目は3番、4番、5番、6番の中軸打者がそれぞれタイムリーを放ったこと、
前試合(世田谷学園戦)とは、比べ物にならないぐらいバットが振れて来ており・・・ 好印象だ。
もう一つは、古川の好投もあるが、試合の流れを見極めて配球の組み立て直したバッテリーの工夫だろう。

また、7回コールドも良かった。
次戦のことを考慮すれば、古川の疲労度も違うだろうし、森畑の温存も・・・ 大きい。
贅沢な悩みだが・・・ 笹岡や石坂のピッチングも見てみたい。

古川の今日のスピードはMAXが140、平均は136ぐらいだろう。
第一試合で見た東京ナンバーワンサウスポー、東海大菅生の中村投手よりも古川の方がスピードだけなら勝っている。
制球の良さと緩急の巧みさで、中村投手に一日の長があるようにも思えるが・・・ 古川が負けるとも思えない。

次はいよいよ準決勝、対戦相手(日大三・桜美林)は明日決まるが、どちらも好投手を擁するだけじゃなく打線も凄い。
投手陣を中心に、創価の野球で守り勝つしかないだろう。

ガンバレ! 創価
夏に輝け。

[写真] 試合時間は93分、5回ぐらいから太陽が顔を出し気温も上昇、東京にも・・・ 暑い夏がやった来た。

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4 コメント

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Unknown (火星人)
2019-07-23 21:06:18
今日も素晴らしい戦いでしたね!
テレビを録画して家に帰ってからじっくり見ました。
エース古川くんのストレートがキレキレでした。
豊多摩の選手たちはストレートが来るとわかっていても当てられないくらいの凄いピッチングでしたね。
次は日大三高になるかわかりませんが、今日のストレートの威力なら十分勝負出来そうだと思ってしまいました。
ワクワクします。
返信する
Unknown (孔明)
2019-07-23 21:14:17
本日もお疲れ様でした。
エースと四番の復調は、チームにとって非常に大きいですねぇ。
次も楽しみです。

冒頭のランニングスコアの更新をお願い致します。
返信する
Unknown (誓球の空)
2019-07-23 21:43:50
火星人さん、孔明さん
お疲れ様でした。

古川君の好投と危なげない試合は、観戦するサイドとしては心臓に優しく何よりでしたが、
神宮ラウンドに入って、当たりが出てなかった主軸にタイムリーが出たのが一番の朗報ですね。
次はどちらが来ても、投手力が良いチームなので今日のようには行かないと思いますが、
終わってみたら1点勝ってた。
そんな試合が出来ると良いと思います。

ランニングスコアはうっかりしてました。
申し訳ございませんでした。
返信する
Unknown (小平)
2019-07-25 11:27:49
試合前の出来事にとても、ほっこりさせていただきました♪
古川君の復活は頼もしい限り!!
ナイスゲ-ムでした。
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