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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

第101回 全国高校野球選手権・西東京大会 五回戦

2019年07月20日 | 誓球の空2016-2020

[写真] 8番バッターだが、二人目の4番といっても良いんじゃなかろうか・・・ 今日も大活躍の杉田選手

7月20日(土)12:21~14:10 曇り 無風 ダイワハウススタジアム八王子
第101回 全国高校野球選手権・西東京大会 五回戦
世田谷学園(世田谷区) 010 000 001 = 2
創価    (小平市
) 003 100 00X = 4
[ 投 手 ]古川(2)-森畑(7)
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]島本、杉田
[ 二塁打 ]
 
1番(右)大野
2番(中)島本 → (3表・左)
3番(一)宮原
4番(三)中山
5番(左)土井 → (3表・投)森畑
6番(投)古川 → (3表・中)
7番(二)古林
8番(捕)杉田
9番(遊)谷藤

早朝4時30分、気になるほどではないものの、パラパラと雨が降っていた。
天気予報では、これ以上酷くはならないというので安心だが・・・ 今日もまた、うっとおしい朝を迎えた。

第一試合の展開がメチャメチャ早く、第二試合は定刻の10分前にプレーボールがかかった。
創価のスターティングメンバーは四回戦と同じで、後攻めの創価のマウンドにはエースナンバー・古川が向かう。
気になるのは四回戦で受けた死球の後遺症、大事でなければ良いんだが・・・ さて、どうだろう?

[1回表・世田谷学園]
1番、ボールが先行し苦しみながらもフルカウントに持ち込むと、強気のストレート勝負するが二遊間へのゴロ
セカンドの古林が滑りながら逆シングルで捕球し、ファーストへワンバウンドで送球すると、
タイミング的にはセーフと思われたが・・・ 1塁塁審の右手が上がった。(正直言ってこれはラッキーだった。)

2番、ここでも古川の制球が定まらない、フルカウントから今度はストレートが高く外れて四球
3番、ワンボールワンストライクから打って出てファーストゴロ、宮原から2塁へ送球されホースアウト
4番、ストライクが先行しツーストライクと追い込んだが、上手くミート(軽打)されてセンター前に運ばれ二死13塁
5番、制球に苦しみながらもフルカウントに持ち込むと、痛烈に捉えられセンターライナー

一瞬、「抜けたか?(センターオーバー)」と思ったが・・・ センター島本の反応が良く背走しながらランニングキャッチ
島本は何事もなかったかのように捕球したが、抜けてても不思議ではない当たりだった。
初回からこんなプレーが出るとは・・・ 「今日も負けない。」そう思ったのは、私だけではなかったんじゃなかろうか。

[1回裏・創価]
1番・大野、ツーボールツーストライクからフルスイングするが、若干さし込まれたサードゴロ
2番・島本、レフトの前に上手くミートしたが、レフトが突っ込んできたギリギリのところでランニングキャッチ
島本は小柄で見た目にも非力感がある左バッターだけに、予め前目に守っていたレフトの好判断なんだが、
このイニングの、このポジショニングが、次の打席では裏目に出てしまうのだから・・・ 野球は何が起こるか分からない。
3番・宮原はワンボール本ストライクから痛烈に捉えるが、ファースト真正面のゴロで三者凡退

[写真] 先発したエースナンバー古川投手、今日はボールが上ずり早々の降板となったが・・・ 次はやってくれるだろう。

[2回表・世田谷学園]

6番、ツーボールツーストライクから渋い当たりが三遊間を割りレフト前ヒット
7番、初球で犠打を決め一死2塁
8番、ストレートが抜けて背中にドスン、これはどちらにも・・・ 痛かった。
9番、犠打の構えから初球をバスター、三遊間の真ん中を抜けてレフト前に転がり一死満塁

打順が一巡して1番、ワンボールワンストライクから軽打でレフト前に運ばれ先制点を許し・・・ 尚も一死満塁
続く2番は、初球からスクイズに来るが、冷静に高めのボールでファールにすると、
ツーボールツーストライクからショートゴロに打ち取り6-4-3の併殺、何とか・・・ 何とか1点で凌ぎきった。

四回戦で受けた死球の影響があるのだろうか?
古川のピッチングが冴えない。
いつもならファールか詰まらせることが出来るボールなのに、今日はいとも簡単にバットで拾われている。
ひと汗かけば調子が戻るのか? それとも・・・ ?

[2回裏・創価]
4番・中山、ツーストライクから外の変化球を見送るが、判定はストライクで見逃しの三振
5番・土井、切れの良いスライダーに全くタイミングが合わず空振りの三振
6番・古川、ツーボールツーストライクから詰まった当たりのピッチャーゴロ

三者凡退は仕方ないとしても・・・ ちょっと打線に元気がなさすぎる。
どうした? 創価

[写真] 3回からのロングリリーフを務めた森畑投手、ストライク先行で攻めまくる。

[3回表・世田谷学園]
ここで創価ベンチが動いた。
レフトの土井に代わってピッチャー森畑、ピッチャーの古川がセンター、センターの島本がレフト
どちらかと言えば、投手交代はじっくり構えるタイプの片桐監督だが、今日は交代が早かった。
この判断が吉と出るか? それとも・・・ ?

3番から始まったが、急遽登板した森畑はフルカウントまで粘られるものの浅いセンターフライでワンアウト
4番、2球目を12塁間に打たれるが、セカンド古林がグラブの先に引っ掛け回転しながらファーストに送球しツーアウト
5番、フルカウントからレフトの頭上を襲う大きなフライ、センターからレフトに移った島本が背走しランニングキャッチ
初回といい、3回といい、古林と島本のディフェンスの強さが、相手に傾きかけた流れにブレーキをかけている。

[3回裏・創価]
7番・古林、ツーボールツーストライクから変化球にタイミングが合わず空振りの三振
8番・杉田、2球目を軽打、センター前に落として創価に初ヒットが出る。
9番・谷藤、初球をキッチリ転がし二死2塁

バッターは1番・大野、ストレートにさし込まれて力のない三遊間へのゴロとなるが、
これを世田谷学園のショートがファンブルした上に、ファーストへの送球が暴投、この間に杉田が戻って来て同点
大野も2塁を落とし入れ再び二死2塁から、島本の打球はレフトオーバーの三塁打となり逆転
二死2塁で相手レフトは初回と同じく前目の守備、定位置だったら取られていたかも?
そんな打球だっただけに・・・ ラッキーだった、なにが功を奏するか分からない。

さらに二死3塁から、3番・宮原が痛烈にライト前に運びもう1点、
続く4番・中山は、ショートゴロに倒れたものの、相手のミスに乗じあっという間に3点を奪い逆転
右打者が相手投手の鋭い変化球と抜群の制球に苦しむなか、ならばと左打者が・・・ 見事な答えを出してくれた。

[写真] 3点目となった一撃は3番宮原、鋭い打球が12塁間を真っ二つ、ナイスバッティングだ!

[4回表・世田谷学園]
逆転して迎えた4回表、このイニングをどう抑えるか。
次の1点、これがどちらに入るのか? この試合のターニングポイントは・・・ そこにあると言って良いだろう。

6番、意識しすぎたかストライクが全く入らずストレートの四球を出し無死1塁
今日の主審は低めはストライクを取るが、高めには厳しい判定が続く。
両校ともに同条件だから、これは致し方ないが、
それが気になるぐらい今日の相手投手の制球は低めに安定し、創価の投手陣の配球は高めに抜け気味のボールが目立っていた。

7番、キッチリ犠打を決めて一死2塁
8番、ワンボールツーストライクからファーストフライに打ち取り二死2塁とするが、
9番をフルカウントから歩かせてしまい二死12塁、塁を埋めて迎えるのは2回にタイムリーを打たれた1番
1番、ツーボールツーストライクから、渾身のストレートでさし込みレフトへのファールフライ
火花がバチバチ飛ぶような、紙一重の意地の張り合いだったが、結果は森畑の球威に軍配が上がった。

[4回裏・創価]
5番・森畑、初めての打席だったが、制球が良い低めの変化球にタイミングが合わず空振りの三振
6番・古川、ややさし込まれ気味だったが、飛んだ場所が良く、渋い当たりが二遊間を抜けセンター前
7番・古林、ヒットエンドランを仕掛けるがファール、ここでベンチは作戦を切り替え犠打を指示
1球ファールの後、プレッシャーがかかる場面でスリーバントを決め二死2塁、
痺れる場面での犠打成功、アッパレなんじゃなかろうか。

二死2塁でバッターは8番・杉田、見逃せばボールだと思うが初球の高めのストレートを思い切りよく叩くと
打球は右中間を真っ二つ、2塁から古川が小躍りしてホームイン、貴重な貴重な次の1点は創価に入った。
尚も二死3塁だったが、9番・谷藤はフルカウントからのハーフスイングを空振りに取られて三振
相手投手も踏ん張る・・・ 胃が痛くなるような、集中力とディフェンス力のせめぎ合いは尚も続く。

[5回表・世田谷学園]
2番、2球目を打ちイージーバウンドのサードゴロ
3番、ワンボールツーストライクからセカンドへの平凡なゴロ
4番、2球目を叩くと高々と舞い上がる大きなフライ、レフトの島本が背走し向きを変えるとフェンスの前で捕球
一瞬、ヒヤリとする当たりだったが、森畑の球威が上回っていた。
三者凡退、ストライク先攻で打たせて取る、結果論にはなるが・・・ 良い流れがこちらに来ている。

[5回裏・創価]
1番・大野、初球を叩くが平凡なサードゴロ
2番・島本、右中間へ弾き返すが、相手ライトがスライディングキャッチ(ナイスプレー)して抜けない。
3番・宮原も痛烈な当たりだったが、ライト正面のライナーに倒れ、このイニングは三者凡退

[写真] 右に左にと・・・ 広い守備範囲でピンチを救ったセカンド古林選手

[6回表・世田谷学園]
5番、フルカウントから右中間への大きなフライ、ライト大野がギリギリのタイミングでランニングキャッチ
6番、ツーボールツーストライクからショートへの平凡なゴロ
7番、2球目を痛烈に叩いて12塁間真っ二つのライト前ヒット
二死1塁から8番、積極的に2球目を打つがセカンドへの平凡なフライとなり、このイニングも堅い守りで凌ぎきる。

[6回裏・創価]
4番・中山、大きな当たりだったが、もう一つ伸びを欠きセンターフライ
5番・森畑、ツーボールツーストライクから切れの良い変化球に空振りの三振
6番・古川、ツーボールから打って出るがセカンドへの平凡なゴロ、このイニングも三者凡退で終わる。

[7回表・世田谷学園]
9番、ワンボール本ストライクからセカンドゴロ
1番、初球から打ってくるが、またしてもセカンドゴロ、若干イレギュラーした打球だったが、古林が上手く合わせて捌く。
2番、フルカウントから粘れらたが、最後は渾身のストレートに空振りの三振

[7回裏・創価]
7番・古林、ワンボールツーストライクから粘ったがショートゴロ
8番・杉田、低めの変化球を振らされて空振りの三振
9番・谷藤、2球目を打つがサードゴロ、このイニングも三者凡退
終盤に入っても相手の制球は抜群・・・ 追い込まれる前の早打ちもあるが、ちょっと打つ手がない状況が続いている。

[写真] ピンチであろうとなかろうと、常に投手に声をかけてチームを鼓舞するサード中山選手

[8回表・世田谷学園]
3番、3球目を打ってくるが浅いレフトフライ
4番、2球目を痛烈に捉えたがレフト島本へのライナーでツーアウト
5番、初球を痛烈に叩いてライト前ヒット
二死1塁から6番、大きなフライだったが高く上がり過ぎて伸びを欠くレフトフライ、この回も・・・ 凌いだ。

[8回裏・創価]
1番・大野、初球から打って出てレフトフライ
2番・島本、ツーボールツーストライクからピッチャーゴロ
3番・宮原、初球を強引に引っ張るがファーストゴロ
またしても三者凡退、不安と期待が交錯するなか・・・ とうとう最終回を迎える。

[9回表・世田谷学園]
7番、レフト前に痛烈な当たり、待って捕るか、それともスライディングキャッチに行くか?
ちょっと迷ったのだろうか・・・ 島本がワンバウンドでの捕球に切り替えたものの、
打球が早くグラブの右を抜け左中間を転々、打者走者は一気に3塁を落とし入れ無死3塁のピンチ

すかさずベンチから伝令が出た。
「落ち着け、点差は3点ある、1点はOK、アウトを一つずつ取ってこい。」たぶん、こんな話じゃなかっただけろうか。
相手も攻めてくる8番に代打を送るが、ワンストライクの後の2球目を打ってファーストへのファールフライ
9番にも代打、ここもストライク先行でワンストライクから平凡なサードゴロ
サード中山は本塁へ走る3塁走者に目を向けることなくファーストへ送球、1点取られたがツーアウトランナーなし

あと一人までこぎ着けたが、ここから相手がもうひと粘り、最後の意地と意地のぶつかりあい。
今日当たってる1番は、初球を上手く救って(軽打)センター前ヒット

2番、初球のストレートは速かった。
リリーフしてここまで、ストライク先行のコントロールを中心に打たせて取っていた森畑がギアを一段上げたように見えた。
ストライク先行で追い込むと、ここから粘られてツーボールツーストライクまで来るが、
最後はアウトコース低めのストレートにバットが空を切って空振りの三振、その瞬間、緊張していた森畑の顔に笑みがこぼれた。

5回以降は走者も出せず、厳しい展開だったが、
3回からロングリリーフした森畑が、ストライク先行で打たせて取る守りのリズムに野手陣が応えた。
紙一重で長打になりそうな当たりを、背走に背走を重ね、何度も何度も好捕した外野陣
集中力を切らさず、最後の最後まで鉄壁の守りで凌ぎきった。

ヒット数も、試合内容も3回4回を除けば終始、相手(世田谷学園)ペースで進んでいた。
今日の世田谷学園は強かった。
本当に・・・ 強かった。

相手の失策を切っ掛けにした勝利ではあったが、一言で振り返るなら、
まさに「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ではなかっただろうか?

これでベスト8進出が決まった。
来週23日から始まる神宮ラウンド、あと三つで甲子園と言いたいところは山々だが、
まずは昨年(準々決勝)の壁を一つ破ろうじゃないか。

ガンバレ! 創価
夏に輝け!

[写真] 今大会初めて選手名が表示されたスコアボード、だらりと垂れ下がり、全く揺れもしない大会旗や連盟旗
     夏と言えば夏らしいが、やっぱり風が欲しい。

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2 コメント

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Unknown (火星人)
2019-07-22 19:40:06
お久しぶりです!
気温が低くて夏の大会の雰囲気出てないですが、熱い闘い続いてますね。
やはりここまで来ると簡単には勝たせてくれませんね。
今年も創価らしい守り勝つチームになっているようで楽しみです。
返信する
Unknown (誓球の空)
2019-07-22 20:54:45
火星人さん、お久しぶりです。

点差だけ見ると、二回戦から四回戦までが出来過ぎなんだと思います。
もともと10対0で勝てるようなチームじゃなく、終わった時に1点差で勝っているチームなんだと思います。
そういった視点で捉えると、試合を重ねるにつれて、片桐さん好みのチームに進化してきてますね。
ここまで来たら相手がどこであろうと一戦必勝です。
頑張ってほしいですね。
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