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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

2020年 秋季東京都高校野球大会 一回戦

2020年10月18日 | 誓球の空2016-2020

10月18日(日)12時41分~14時02分 多摩市一本杉公園野球場
秋季東京都高校野球大会 一回戦
文京   (豊島区) 000 00・ ・・・ = 0 (5回コールドゲーム)
創価   (小平市) 023 05
・ ・・・ =10
[ 投 手 ]杉江
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ]室田、竹内

1番(中)高沢
2番(二)竹内
3番(遊)羽村
4番(三)佐藤
5番(捕)小松
6番(左)阿部
7番(一)室田
8番(右)浅倉
9番(投)杉江

[1回表・文京]
1番、空振り三振
2番、見逃し三振
3番、四球
4番、遊ゴ

[1回裏・創価]
1番・高沢、四球
2番・竹内、投ゴ
3番・羽村、遊ゴ
4番・佐藤、左飛

[2回表・文京]
5番、一ゴ失(無死1塁)
6番、左飛(一死1塁)
7番、(牽制暴投)右飛(二死3塁)
8番、空振り三振

[2回裏・創価]
5番・小松、右飛
6番・阿部、四球
7番・室田、中安(一死12塁)
8番・浅倉、右安(一死満塁)
9番・杉江、右犠飛1点(二死23塁)
1番・高沢、暴投1点・二死3塁)中飛

[3回表・文京]
9番、三ゴ
1番、四球(一死1塁)
2番、見逃し三振(二死1塁)
3番、左飛

[3回裏・創価]
2番・竹内、見逃し三振
3番・羽村、右安(一死1塁)
4番・佐藤、空振り三振
5番・小松、四球(二死12塁)
6番・阿部、四球(二死満塁)
7番・室田、左中間二3点(二死2塁)
8番・浅倉・空振り三振

[4回表・文京]
4番、空振り三振
5番、右直
6番、左飛

[4回裏・創価]
9番・杉江、(投手交代10番→1番)二飛
1番・高沢、遊ゴ失(一死1塁)
2番・竹内、投ゴ(二死2塁)
3番・羽村、右飛

[5回表・文京]
7番、四球
8番、犠打失
9番、左安(一死12塁)
1番、左安(一死満塁)
2番、一ゴ(3-2-3)併殺

[5回裏・創価]
4番・佐藤、中安
5番・小松(ボーク、無死2塁)投ゴ野選(無死12塁)
6番・阿部、投安送球失2点、無死3塁)
7番・室田、死球(無死13塁)
8番・浅倉、空振り三振
9番・杉江、左安1点(一死12塁)
1番・高沢、死球(一死満塁)
2番・竹内、左中間二2点(試合終了)

以下の観戦録は・・・ 「創価野球応援掲示板」の管理者である孔明さんが記されたものです。
詳細な情報を提供していただき、ありがとうございました。

初回の創価のマウンドには、この秋からエースナンバーを背負う、和歌山からやって来た一年生の杉江が上がった。
168センチと小柄な右腕だが、かかとを高く上げるフォームは、夏までの大エース・森畑君を彷彿とさせる。 

受けるキャッチャーは、キャプテンに就任した小松 
内野はファーストに巨漢の一年生・室田、セカンドに昨秋背番号4をつけていた竹内、
サードは4番を担う佐藤、ショートに一年生で3番を任された羽村が入った。 
外野は左から阿部翔也、高沢、浅倉の2年生3人 

夏までの公式戦経験者は小松、竹内、高沢の3人
残り6人はベンチ入りすら初めてという、文字通りの新チームの船出となった。 
 
文京先頭の左打者に対して、初球にカーブ、二球目にスライダーで追い込むと、最後はチェンジアップで空振り三振 
立ち上がりの初球をいきなり変化球で入るとは驚いた。 
小松は元々変化球の使い方がうまく、打者に的を絞らせない巧みなリードが持ち味だ。 
初球やボール先行でも自信を持って変化球を投げ込む杉江は、小松と相性ピッタリのピッチャーに思える。 

二番は一転してストレートを続けて追い込むと、フルカウントまで粘られるが、ストレートで見逃し三振 
簡単にツーアウトを取ったが、三番に対してストライクが入らず、ストレートの四球で歩かせる。 
しかし、四番をワンストライクから、平凡なショートゴロに打ち取り、上々の立ち上がりを見せる。 

その裏、文京の先発は、背番号10の右アンダースロー、かなり変則的なピッチャーだ。
球威はないが、術中にはまると抜け出せないタイプ、序盤から攻略していきたい。
 
創価のトップバッターは高沢。 
現二年生で唯一人一年夏からベンチ入りを果たし、昨秋は四番を任された、数少ない前チームからのレギュラーだ。
一回り身体も大きくなったように見え、当然かかる期待は大きい。 

高沢はスリーボールワンストライクから四球を選び、一塁に歩く。 
二番竹内は背番号6だがセカンドを守る。
背番号4の羽村がショートに就いており、片桐監督得意のポジションチェンジが初戦からいきなり炸裂した。 

フルカウントから高沢が走ってランエンドヒットの形だったが、当てただけのピッチャーゴロ
二塁も微妙なタイミングだったが、相手ピッチャーは無理せず一塁送球で送りバントと同じ形のチャンスを作る。 

三番はショートを守る羽村、一年生で三番ショートを任されるのは期待の表れだろう。
まだ少し線が細いが、センスを感じる選手だ。 
フルカウントからのショートゴロで。高沢は三塁へ進む。 

四番に座るのは佐藤、体格に恵まれた右投げ左打ちのサードで、スケールの大きさを感じさせる。 
四番のバットに期待がかかったが、平凡なレフトフライに倒れ、先制はならず。 

2回表の文京は五番から。痛烈な当たりが一二塁間を襲うが、ファースト室谷が横っ飛びで好捕
ここまでは良かったが、ベースカバーの杉江への送球が大きくホーム方向にそれてしまった。
ベースカバーがやや遅れ、タイミング的に微妙だったのでヒットでも良かったように思うが記録はエラー
しかし、大きくそれた送球の真後ろにキャッチャー小松がしっかりとバックアップしており二進は許さない。
これは記録には残らないファインプレーで、日頃の練習成果の表れと言って良いだろう。 

六番はバントの構えを見せずに強打、とらえたあたりだったが、レフト阿部が左中間よりでキャッチ 
七番の初球に小松が一塁牽制を悪送球、ランナーは二塁へ進む。
七番の打球も痛烈なライナーだったが、ライト浅倉の正面で事なきを得た。
この間にランナーは三塁へ進むが、八番はフルカウントから空振り三振でこの回も無失点 

先制点がほしい2回裏の創価、先頭の五番小松は大きな当たりだったが、少し打球が上がりすぎライトフライ
六番は阿部翔也。背番号20の阿部朋之は出身中学と身長・体重が全く同じで、双子と思われる。 
ちなみに翔也は左打ち、朋之は右打ちで登録されている。 
阿部がストレートの四球で歩く。 

七番室田は北海道出身の171センチ99キロの巨漢
1ボールからの2球目を痛烈にセンターに弾き返してチーム初ヒット、
すると続く八番浅倉も初球を痛烈にライト前へ、一死満塁のチャンスを作った。 

ここで打席には九番の杉江、ライト線に犠牲フライを打ち上げ、待望の先制点が創価に入る。 
さらにライトがバックホームを悪送球。なおも二死二三塁とチャンスが続く。 
一番高沢の初球が暴投となり労せずして2点目
高沢はフルカウントからうまく合わせたが、センターがランニングキャッチしスリーアウト。

3回表文京 
九番サードゴロの後、一番はフルカウントまで粘られ、低めのスライダーを見極められて四球 
二番に対しては抜けたスライダーで一瞬ヒヤリとしたが、打者の狙いが外れたのか見逃し三振 
三番もボールが先行するが、変化球を続けてレフトフライ。
この回あたりからストレートが高めに抜ける球が増えてきたのだが、小松の変化球の使い方が実にうまい。
ピッチャーの調子が良いときは気持ちよく投げさせ、悪い時は粘り強くカウントを整えていく。
素晴らしいリードだと思う。 

3回裏創価 
二番竹内は見逃し三振、三番羽村がライト線へのヒットで出塁
四番佐藤はアンダースローから外角高めに浮き上がるストレートを3球連続空振りで三振
ほぼ同じ球に全くタイミングが合わず、少し工夫がほしい。 

チャンスがしぼみかけたが、小松、阿部が連続四球で二死ながら満塁のチャンスを作る。 
ここでバッターボックスには七番の室田、初球を完璧にとらえて左中間フェンス直撃の二塁打
一気に三人のランナーが生還して5対0とリードを広げた。

打った瞬間は満塁ホームランだと思ったのだが、いくら狭い一本杉球場でも左中間最深部は中々フェンスオーバーできない。
それでも無理に強振した印象はなく、素晴らしい当たりだった。 
八番浅倉は変化球にタイミングが合わず、空振り三振。 

4回表文京 
四番、スライダーがコースギリギリに決まって空振り三振
五番はツーボールワンストライクから快音を残したが、ライトライナー 
六番はフルカウントから平凡なレフトフライで、2イニング連続の三者凡退。

4回裏創価 
この回から文京は背番号1をつけた左サイドスローに交代、球の出所が見づらく、こちらもかなりの変則投手だ。 
九番杉江は、平凡なセカンドフライ。
一番高沢の当たりはボテボテだったが、ショートの左へ、ショートが滑りながら打球に追いついたがファンブルし、
一塁へは投げられず、取っていてもセーフのタイミングに見えたが、HもEもランプが点灯しなかった。
一球速報ドットコムではエラーになっていたが、これが公式記録かどうかは不明

二番竹内の時、暴投で二塁へ進むと、次の二球目をピッチャー返し、
左ピッチャーの軸足やや右へ痛烈なゴロが飛んだが、超人的な身のこなしで逆シングルキャッチ
ランナーは動けずに一塁は楽々アウト、敵ながらこれは物凄いプレーだ。
プロ野球でも滅多に見られないレベルの超ファインプレーだと思う。 
三番羽村の打球はライトの前へ、ライトのダッシュがやや遅れたが、前進して最後はダイビングキャッチ 
好プレーが続いたことで、流れが変わるかもしれない。
何となく嫌な予感がした。 

5回表、好投の杉江にやや疲れが見え始める。 
先頭の七番に対してストライクが入らずストレートの四球
八番の打球は平凡なサードゴロだったが、サード佐藤からセカンド竹内への送球がやや高くヒヤリ
それでも確実にアウト一つを取る。 
九番はワンボールツーストライクと追い込んだ後のスライダーをうまく合わせられてレフト前、
さらに一番の打球は完全に打ち取った当たりだったが、サード佐藤のすぐ右を渋く抜けていく。
一死満塁のピンチだ。やはり、先程のファインプレーが流れを変えたのか? 

ここで二番の打球は完全な当たり損ねのゴロが、一塁線の僅かに内側に転がる。
ファースト室田はベースの真横で慎重につかむとバックホーム
点差を考えると一塁でアウト一つでも良かったように思うし、バックホームするならもう少し思い切って前進してほしかった。
ホームはかなり際どいタイミングで、個人的にはセーフに見えたが判定はアウト
バッターランナーは途中で躓いてしまい、一塁もアウト
あっと言う間に併殺完成で、この回も無失点で凌いだ。

5回裏の創価は四番の佐藤から 
初球は前の打席の三球三振と同じ様に高めに浮き上がる球を空振りしたが、
やや低めに来た二球目を逃さずセンター前へ運んだ。
この一本は大きい。次戦に必ずつながってくるだろう。 

五番小松の打席でピッチャーが牽制ボークを取られ、ランナーは二塁へ
小松のピッチャーゴロにランナーが飛び出してしまうが、二塁送球より速く帰塁しオールセーフ
 
六番阿部は三塁線に絶妙のバント
一二塁で左ピッチャーの時、三塁線へのバントは弱すぎるとピッチャーが捕球してそのまま三塁へ送球できるため、
力加減が非常に難しい。これは本当に素晴らしいバントだった。 
ピッチャーが焦ったか、一塁へ大暴投。
二塁ランナー佐藤に続いて、一塁ランナー小松も悠々とホームイン。バッターランナーの阿部も一気に三塁まで進んだ。 

当たっている七番室田は死球
八番浅倉はフルカウントから空振り三振。やはりタイミングが合っていない。 
九番杉江は初球スクイズファールからツーボールツーストライクとし、
どん詰まりながら、サードの後ろに落ちるタイムリーで8点目
 
ここまでノーヒットの高沢に期待がかかったが、2球目が太ももあたりを直撃する。
「いてぇ」と悲鳴がはっきり聞こえる程の衝撃的な死球だったが、大事には至らず高沢はそのまま一塁へ歩く。 
一死満塁で迎えるは二番竹内、その初球だった。
打った瞬間に誰もが勝利を確信する左中間への完璧な当たり。
ランナー二人が生還し10-0でコールドゲームが成立した。 
これでブロック大会から3試合連続の5回コールド、新チームの船出は順調なようだ。 

草木は萌ゆるも、討って出よもない、でもそれ以外はいつもと変わらない熱い創価の試合 
試合が始まるまでは、何日も前から高揚感に包まれていたが、終わってみれば良い意味で普段通りの感情だった。
勝って嬉しい、来週も創価の試合が見られる、それ以上でもそれ以下でもなかった。
コロナがどうだとか、久し振りの甲子園を賭けた戦いだとか、そんな感情はなかった。 

これでいいのだろう。
いつもより少しだけ違うけれど、決して特別なんかじゃない。
毎年毎年全てのチームに思い入れがある。
今年も新しいメンバーに出会えた。
そんな秋が始まったのだ。 

エラーもあったし、相手のミスに助けられた部分も確かにあった。盗塁がないのは少し寂しい。 
でも、そんなことはどうでも良くて、いつものように母校の試合を見られること、
勝って一週間を楽しみに過ごすことができること、こんな幸せはない。 
とにかく、幸せな夢を見させてくれる後輩達には感謝の思いしかない。 
ナイスゲームでした。

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