[写真]試合前のウォーミングアップを終えてベンチに戻る創価バッテリー(左・菊地と右・若林)
7月20日(金)10:00~12:32 晴れ 微風 府中市民球場
第100回全国高校野球選手権 西東京大会 五回戦
創価(小平市) 000 031 100=5
昭和(昭島市) 001 010 000=2
[ 投 手 ]菊地、吉澤
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ]菊地
1番(遊)門脇
2番(中)古川
3番(一)河合 →(5裏・三)
4番(右)浪川
5番(投)菊地 →(7裏・左)
6番(二)藤井
7番(左)桐越 →(7表・打)大野 →(7裏・投)吉澤
8番(捕)若林
9番(三)宮原 →(5表・打)松田 →(5裏・一)
「打線は水物」、野球ではよく聞く言葉である。
好調の打線は、今日も二桁安打したが、今日の創価には流れを引き寄せる一打がなかなか出なかった。
朝の第一試合とはいえ炎天下、水分補給の休憩を取りながら行われた大接戦で、
決め手となったのは、創価の内外野陣が随所で見せてくれた強いディフェンス力だった。
ベスト8をかけての対戦相手は都立の昭和高校
西東京では、日野や片倉、東大和などと肩を並べる強豪校だ。
それを意識してか・・・ 創価はエースの菊地を立てて勝負を挑むことになった。
[写真]府中ラウンドの最終戦(五回戦)、先発投手はエースナンバーを背負う菊地
[1回表・創価]
今大会初の先攻の創価、早く先取点が欲しいところだが・・・ 昭和の背番豪11が立ちはだかる。
1番・門脇はフルカウントまでじっくりボールを見た後、3球ファールで粘って四球で歩く。
2番・古川は2球目を手堅く送って一死2塁とした後、3番・河合のセカンドゴロで二死3塁とするが
4番・浪川はスリーボールワンストライクから、高いバウンドのファーストゴロに倒れて無得点
[1回裏・昭和]
1番は12塁間へのゴロ、藤井がグラブの先に引っ掛けたが振り向きざまにこぼれてしまう。
ランプは一旦Eに点灯するが、スコアボードEじゃなくHに1だから内野安打に変更されたようである。
2番がツーボールからキッチリ送って一死2塁
3番はどん詰まりだったが、ピッチャーの左への緩いゴロ、門脇がしっかりカバーして二死3塁
4番はツーボールツーストライクから、やや抜き気味の変化球を見逃して三振
両校ともに似たような展開で3塁まで走者を送ったが、ともに決め手を欠き得点出来ず
ちょっと胸騒ぎを感じるような展開で試合が始まった。
[写真]絶妙のセーフティーバントを決めるトップバッターの門脇選手
[2回表・創価]
5番・菊地はワンボールツーストライクから緩い当たりのセカンドゴロ
6番・藤井はスリーボールワンストライクから選んで四球
7番・桐越は犠打の構えからの強硬策が当たり、レフト前ヒットで繋ぎ一死12塁とするが、
8番・若林と9番・宮原がともに浅いライトフライに倒れ無得点
[2回裏・昭和]
5番はツーボールツーストライクから変化球を空振りの三振
6番はフルカウントまで粘られるが、ストレートで刺し込みレフトフライ
7番はツーストライクから変化球にタイミングが合わず空振りの三振に打ち取り三者凡退
[3回表・創価]
打順が一巡しバッターは1番・門脇、セーフティバントをキャッチャーが捕るが間に合わず内野安打
2番・古川のところで門脇が走るが2塁タッチアウト、古川もピッチャーゴロに倒れツーアウト
3番・河合は緩い変化球にタイミングが合わず空振りの三振
ちょっとチグハグな攻撃になってしまい、結果的には三者凡退・・・ ちょっと焦り過ぎか?
[3回裏・昭和]
8番はサードの前に意表突くセーフティバント、深く守っていた宮原は焦ってお手玉し無死1塁
9番がキッチリ送って一死2塁から、1番は12塁間に転がすが藤井が上手く捌いて二死3塁
2番はピッチャー強襲、菊池がはじき藤井がバックアップするがグラブに納まらず内野安打となり1失点
内野安打2本で失点した菊地は動揺したのか、3番に三遊間を割られて二死12塁となおもピンチ、
ここで4番を迎えるが、開き直った菊地のストレートがうなりを上げ空振りの三振
アンラッキーな内野安打で失点してしまったものの・・・ 何とか最少失点で凌ぎきった。
[写真]豪快なスイングでチームを鼓舞する4番バッター・浪川選手
[4回表・創価]
4番・浪川は2球目を叩いてセンター前へのクリーンヒット
5番・菊地は痛烈に12塁間を襲うが、昭和のファーストが横っ飛びでキャッチし一死2塁
6番・藤井は粘って四球を選び一死12塁とするが、7番桐越はサードゴロ5-4-3と渡って併殺
攻めてはいるが、あと1本が出ない。
ちょっと、相手バッテリーの術中に嵌まりかけている
昭和の背番号11は、大きなフォームでしっかり腕を振って投げてくるが、思ったほどにボールが来ず、
結果的にボールを待ちきれず、打たされているような気がしてならない。
ヒットも出てるし、打てない投手じゃないので、中盤から後半にかけて捉えてほしいと願う。
[4回裏・昭和]
5番はツーボールツーストライクから変化球を振らせて空振りの三振
6番にはボールが先行、フルカウントまで戻したが結局歩かせてしまい一死1塁
7番は2球目を打つが浅いレフトフライでツーアウト
8番はヒットエンドランのサインに反応するが、外のボールを当てただけのピッチャーゴロ
試合の内容的には五分なんだが、主導権は何となく昭和が握っているような気もする。
早く、追いつき、追い越さなくては・・・
[5回表・創価]
8番・若林は2球目を叩くがセカンドへの平凡なフライ
早めに何とかしたいベンチは、ここで9番宮原に代打・松田を送って来る。
松田はセーフティバントを試みるが、ファーストがダッシュ良く捌いてツーアウト
しかし、この後ベンチの早めの仕掛けに攻撃陣が呼応する。
1番・門脇が2球目の変化球を巧くミートしてセンター前に運ぶと、
2番・古川との間でヒットエンドランが決まり、センター前ヒットが出て二死ながら13塁
3番・河合の打球は三遊間への緩いゴロ、相手ショートがちょっと握り替えて送球
これが際どいタイミングだったが、間一髪で1塁セーフ、内野安打となって同点に追いつく。
なおも二死12塁から、4番・浪川はスリーボールワンストライクから四球を選び二死満塁
ここで5番・菊地、2球目を痛烈に叩くと右中間を割る大きなフライ
これが背走するライトの頭上を越えるエンタイトルツーベースとなって2点を追加し逆転
ここで昭和は背番号11に変えてエースナンバーをマウンドに送って来る。
二死23塁から、6番・藤井が四球を選び満塁と攻め立てるが、7番・桐越はセカンドゴロ
エンタイトルでなければ、もう1点だったし、二死満塁と攻めるがあと1本が出ない
じれったい展開だが、これが今日の創価だった。
リードはしてるが、どうやら主導権を完全に握ってはいないようだ。
[5回裏・昭和]
9番はツーボールツーストライクからピッチャーゴロ、菊池が軽くジャンプして捕球しワンアウト
1番は外の高めのボールだったが、大根切りに近いスイングでセンター前、
打ちも打ったりだが、飛んだところも良い、やはり・・・ 流れは行ったり来たりのようだ。
さらに2番が手堅く送ると、3番は三遊間を真っ二つ
あの当たりなら戻れないと思って打球の行方を確認すると、レフト桐越が左の前目に守っており、
本塁阻止どころか右を抜かれて、打球は左中間を転々とする二塁打となり1失点
続く4番をフルカウントから変化球で空振りの三振に打ち取り、追加失点は凌いだが、
この試合は、まだまだ縺れそうな様相になって来た。
[写真]5回表二死満塁からライトオーバーの逆転打(エンタイトルツーベース)を放った菊地選手
[6回表・創価]
8番・若林はストレートの四球で歩くと、9番・松田が手堅く送って一死2塁
1番門脇はライトポール際に特大のファールフライを打った後、外の低めの変化球につられて空振り三振
しかし・・・ 2番・古川の時に、ワンバウンドの変化球をキャッチャーがファンブル
大きくはじいたわけではなかったが、若林が好走塁を見せ二死3塁とすると
古川がキッチリミートしてレフト前のタイムリーとし、再び2点差とする。
続く3番・河合は初球を打ってピッチャーゴロに倒れたが、点を取られた直後のイニングに取り返す。
畳みかけられないのがじれったいものの、ジワリジワリと突き放しにかかる。
[6回裏・昭和]
5番はピッチャー返し、菊地のグラブをはじきセカンド藤井の前に転がるが間に合わず内野安打
6番の時にヒットエンドランを仕掛けられるが、ファーストへのファールフライに打ち取り一死1塁
7番の初球に盗塁、若林は読んでいて外したが送球が左に逸れてしまいセーフ
一死2塁とされたが、7番をセカンドフライに打ち取ると、
8番をツーボールツーストライクから、高めのストレートを見逃し三振に打ち取りこの回も凌ぎきる。
贔屓目抜きに見て、ちょっと高いと思ったが・・・ この判定はラッキーだったかもしれない。
[7回表・創価]
4番・浪川はワンボールツーストライクから、外低め一杯に決められ見逃しの三振
しかし、5番・菊地は初球をレフト前に弾きかえして一死1塁
もう1点欲しい創価は6番・藤井に送らせて二死2塁とし、ここで7番・桐越に代打・大野
大野はしっかりとボールを見極めてスリーボールワンストライクから四球を選ぶと、
二死12塁から8番・若林の打球がハプニングを呼ぶ。
変化球を引っ掛けた若林の打球は平凡なサードゴロ、
ところがこれを、捕球寸前で若干腰を引いたサードがトンネルし、2塁から菊地が戻って1点が入る。
きっと大事に腰を落とそうとしたのだと思うが・・・ 微妙にタイミングがずれてしまった。
創価にとってはラッキーだったが、昭和には溜息交じりの何とも気の毒な得点となってしまった。
なおも二死13塁から、9番の松田が肩口に当たる死球で満塁とするが、
1番・門脇はフルカウントからボール気味の変化球に手を出してしまい空振りの三振
試合を決定づけるかもしれない場面だっただけに、門脇の三振は残念だったが・・・
創価で1番良いバッターがつられるのだから、相手投手の気持ちが勝っていたと納得せざる得ない。
[7回裏・昭和]
リードが3点差になったこともあって創価ベンチが動いた。
代打した大野に代えてピッチャー吉澤、ピッチャーの菊地がレフトに入る。
9番はワンボールワンストライクから12塁間真っ二つのライト前
無死1塁から1番は、ワンボールから犠打を1球ファールした後、セカンドの左を破るセンター前ヒット
無死12塁から2番が送って一死23塁からバッターは3番、
ここでこの試合の、ターニングポイントが訪れる。
3番の当たりは痛烈だった、ショートの頭上だから正直言って左中間真っ二つだと思っていた。
ところが、この回からレフトの守備に就いたばかりの菊地が、
右前に前進しながら、グラブを膝の位置まで下げて落ちそうな打球をワンハンドでランニングキャッチ
スーパープレーが出た、2点取られて1点差で一死2塁とされる場面だっただけにこのプレーは大きい。
こうなったら、4番を抑えるしかないだろう。
フルカウントまで粘られたが、抜き気味の緩い変化球を振らせて空振りの三振
大ピンチだったが、この回も何とか凌ぎきった。
[写真]菊地をリリーフして、再三のピンチを粘りのピッチングで凌ぎきった吉澤投手
[8回表・創価]
2番・古川が初球を痛烈に叩いてセンター前ヒット、3番・河合がキッチリ送って一死2塁
4番・浪川は2球目を打ってセカンドゴロ、これは打ち損じだと思うが・・・ 相手投手の気迫も凄い。
二死3塁から5番・菊地に期待がかかったが、菊池もセカンドゴロに倒れ追加点にはならない。
[8回裏・昭和]
5番はツーボールツーストライクの並行カウントから力強い外のストレートに空振りの三振
6番は高いバウンドのサードゴロ
サード河合の初めての守備だったが、落ち着いて捕球してから矢のような送球を送ってツーアウト
二死から7番にセカンドの左を抜かれるセンター前ヒットを打たれるたあと、
8番の時にキャッチャーへのファールフライがあったが、太陽が目に入った若林が落球
一瞬、嫌な雰囲気に包まれたものの、三遊間に飛んだゴロを河合が華麗に捌いてスリーアウト
[9回表・創価]
6番・藤井はツーボールワンストライクから三遊間を真っ二つのレフト前
7番・吉澤はスリーバンドをファールして犠打失敗の三振
8番・若林のところで、ヒットエンドランを仕掛けるが、ショート真正面のライナーでダブルプレー
7回裏の菊地のファインプレーで勝利を確信していたが、
このダブルプレーで、ちょっとした不安を持ちつつゲームは9回裏を迎える。
[9回裏・昭和]
9番から始まり、上位に繋がるところだけに先頭打者は抑えたかったが・・・
ワンボールワンストライクからセンター前にクリーンヒットを打たれ無死1塁
当たっている1番も痛烈にセンター前に弾き返すと、
センター古川が猛然と突っ込んで来てダイビングキャッチを試みる。
3点差あるのだからギャンブルする場面ではないと思ったが・・・ 結果的にこの判断が功を奏する。
ダイビングキャッチを試みたものの、グラブの先に引っ掛けて落球
取られたと思った1塁走者は、一旦戻りかけてから再び2塁へと走るが、
古川はすかさず起きるとボールを拾って、2塁ベースの門脇に送球して珍しいセンターゴロ
ショートバウンドだったか、グラブからこぼれたのか、一瞬のことだったので正直なところ不明だが、
ハーフウェイにいた1塁走者が捕球可能と見て一旦帰塁していたことも踏まえると、
一旦グラブに入ったものの、ダイビングの振動でこぼれたと見て良いんじゃなかろうか。
センターゴロの余韻が治まらないなか、一死1塁から最下位となったが、
2番は、門脇の左に転がるショートゴロを打つと、門脇が体を捻りながら2塁に入った藤井へ送球し、
藤井から1塁ベースの松田へと送られる。
ヘッドスライディングした打者走者の土煙が上がるなか、捕球を確認した1塁塁審がアウトをコール
ダブルプレー、この瞬間・・・ 手に汗握る2時間32分の好ゲームが終わった。
試合を振り返ってみると、この日も打線は二桁安打したが、勝負どころでの1本が出ず大接戦となった。
ヒットの数は両校ともに11本ずつ、昭和にタイムリーエラーが1本あったが内容的には互角
勝敗を分けたのは、球際の強さであり、最後までノーエラーだった創価のディフェンス力だった。
ターニングポイントは7回裏の菊地の守備と書いたが、9回裏の古川の思いっきりの良さもアッパレ、
9回裏の併殺も、門脇が一呼吸おいて体勢を立て直して送球していたら併殺にはならなかっただろう。
ギリギリのところで見せてくれる最高のパフォーマンス、それが出来るのが・・・ 今年の創価だ。
次から、いよいよ神宮ラウンドが始まる。
23日10時から、相手は東京ナンバーワンと前評判が高い勝又投手を要する日大鶴ヶ丘
天気予報によれば、当日の気温は37度らしいが・・・
暑さに負けず、万全の準備をして吉報を届けてほしい。
ガンバレ! 創価
チャンスにあと一本が出ないと苦しくなりますね。
逆に守備ではよく踏ん張ってくれたと思います。
これからも簡単に勝てる試合はないと思いますが、粘って勝ち切ってほしいと思います。
点が取れそうなところで取れないと、守りも重苦しく厳しい展開になりますね。
今日の試合は、打てるチームだからこそ、打たされちゃったんじゃないかと思ってます。
楽に勝たせてくれる試合はないと思えば、良い経験をしたと思います。
これからは1点差で守り勝つ、そんな試合が続くんじゃないでしょうか。
ここからは一戦一戦が勝負ですね。
決勝戦まで進めば、関西から応援に駆けつけるつもりです。
今年はチャンス⚾
頑張ってほしいです!
いよいよ明日から神宮ラウンドです。
残念ながら明日は、仕事の関係で観戦できませんが、
準決勝と決勝は予定しています。
頑張ってほしいですね。