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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

第100回 全国高校野球選手権 西東京大会 4回戦

2018年07月17日 | 誓球の空2016-2020

[写真]初回に1失点したものの、3回以降はパーフェクトに抑えた吉澤投手

7月17日(火)09:58~11:25 晴れ 無風 府中市民球場
第100回全国高校野球選手権 西東京大会 四回戦
世田谷学園(世田谷区) 100 000 ・・・= 1  ※6回コールドゲーム
創価    (小平市) 300 224 ・・・=11

[ 投 手 ]吉澤
[ 本塁打 ]菊地(1回・右)、浪川(5回・右)
[ 三塁打 ]門脇
[ 二塁打 ]古川
 
1番(遊)門脇
2番(中)古川
3番(一)河合
4番(右)浪川
5番(投)菊地
6番(二)藤井
7番(投)吉澤
8番(捕)若林
9番(三)宮原
 
明け方は曇っていたが、7時前に太陽が出ると・・・ 気温は鰻上り
今日も暑くなりそうだ。

9時15分に場内アナウンスが入り、両校がグラウンドインする。
創価ナインはいつものようにランニング等で体を動かしたあとキャッチボールが始まる。
目を凝らして一番奥でキャッチボールをしている選手を探すと・・・ 背番号3の吉澤が居た。
どうやら、今日の先発投手は菊地ではなく吉澤らしい。

スターティングメンバーは、ほぼ初戦と同じだが7番にはピッチャー吉澤が入り、
初戦で投げた菊地は、5番でレフトの守備に就いていた。

[1回表・世田谷学園]
1番は積極果敢に初球を叩くと、これがセンター前へのクリーンヒット
2番の2球目に走ると、虚を突かれた感じで若林の送球が遅れ楽々セーフとなり無死2塁
2番はプッシュ気味にセカンド藤井に捕らせる犠打

この時、ファーストの河合が犠打処理に前に出てなく、1塁ベースを空にしなかったのは大正解だった。
一死3塁とされたが、犠打が内野安打になり兼ねない場面だっただけに、
この瞬時の判断は、試合の流れを左右するターニングポイントだったといっても良いんじゃなかろうか。

一死3塁から3番の打球はレフトフライ、最初は犠牲フライかなと思って見てたら意外と伸びる。
菊地も追いつけそうに背走していたが、結局頭上を抜かれる二塁打となり早くも失点
さらに4番は痛烈に12塁間を割るライト前、2塁走者は3塁を蹴って本塁へ向かうと、
浪川の返球は若干右に逸れたものの、若林が懸命にミットを伸ばしてタッチに行くと、
際どいタイミングだったが・・・ 主審はワンクッション置いてアウトのコール

二死1塁から5番の当たりも痛烈だったが、セカンド藤井が体の正面でキッチリ抑えてスリーアウト
この回の吉澤は、ストライクを投げ過ぎたと思うが、
それでも世田谷学園打線の当たりは見事で、本当に痛烈な当たりばかりだった。

ちょっと肝を冷やしたものの・・・ 1失点で凌いだということは、
これが今年の創価の強さ、ディフェンス力の強さなんじゃなかろうか。

[1回裏・創価]
世田谷学園の先発は背番号1のサウスポー、左打者が多い創価打線対策だろうが、
今年の創価は左を苦にしない、その答えは攻撃が始まって5分後に左打者が示してくれた。

1番・門脇はフルカウントから変化球へのハーフスイングを空振りに取られ三振
2番・古川はツーボールワンストライクからイージーバウンドのセカンドゴロ

二死となったが、3番・河合は初球を痛烈に叩いて三遊間真っ二つのレフト前ヒット
4番浪川の時、パスボールが出て二死2塁とすると、浪川は痛烈に引っ張り12塁間真っ二つ
当たりが強くて本塁は無理に見えたが、本塁への返球を焦ったライトが後逸してしまい労せず同点
ちょっとイレギュラーしたのだと思うが、打球が速すぎてバウンドを合わせ損ねたのではなかろうか。

打った浪川も3塁へ進み、一気に逆転のチャンスを迎えて迎えるバッターは5番の菊地
菊地は初球を痛烈に叩くと、打球は内野の上空でグンとひと伸びし場外に植えられた樹木を直撃した。
相手ライトは打球を追うことも出来ず、ただ見上げるだけの豪快なアーチが飛び出し一気に逆転
さらに6番・藤井も痛烈に捉えるが、これはショート正面へのライナーとなりスリーアウト
二死から3番・4番・5番で3点、今日も創価打線は・・・ 振れている。

[写真]打った瞬間にそれとわかる大きなホームラン、菊池のバットが今日も火を噴く。

[2回表・世田谷学園]
6番はファーストの左へ強いゴロ、河合が捕球するとカバーに入ろうとする吉澤を制してベースタッチ
7番はセカンドベースの右を抜く強い当たり、セカンド藤井が飛びつくがグラブの先を抜けてセンター前
8番の初球に走られて一死2塁とされるが、8番は変化球でタイミングを外して空振りの三振
9番には2球目を痛烈にピッチャー返し、これを吉澤が反応良くグラブに収めスリーアウト

この回も吉澤のボールは捉えられていた。
緩急が効いてないのか、ちょっとストライクを揃えすぎているような気がする。
打ち気にはやる打者を、変幻自在に交わすのが吉澤の真骨頂だけに、若林の配球にも工夫が必要だろう。

[2回裏・創価]
7番・吉澤はやや詰まり気味も上手くセンター前に落として無死1塁
8番・若林は初球に犠打を決め一死2塁とするが、9番宮原は変化球にタイミングが合わず空振り三振
もう1点欲しい場面で、迎えるバッターは1番のキャプテン門脇
門脇は上手くミートしハーフライナーを左中間に打つが、
センターの守備範囲でランニングキャッチされ、この回のチャンスは無得点に終わる。

[写真]セカンドを守る堅守の藤井、左打者の強い打球をいとも簡単に捌く。

[3回表・世田谷学園]
打順が一巡して、初回に痛烈なヒットを打たれた1番から始まる。
さぁ、ここからが正念場だ。

1番にはボールが先行してツーボールとなるが、一つストライクを取った後、
微妙に打ち気を逸らす緩い変化球、たぶん打ちたくなかったと思うがバットが出てしまいセンターフライ
2番にはツーボールツーストライクの並行カウントから、意表を突く外一杯のストレート
想定外のボールだったのだろう、タイミングが外れて全く気のないスイングで空振りの三振
3番へはやや抜け気味の高めの変化球が一杯に決まり見逃しの三振

この試合両チームで初めての三者凡退
どうやら吉澤に、本来の調子が戻って
きたようだ。

[3回裏・創価]
2番・古川は2球目を叩いて浅いレフトフライ
3番・河合は叩きつけた打球が高いバウントになるが、相手ピッチャーが好フィールディングを見せる。
4番・浪川は痛烈な当たりを放つがセカンド真正面のゴロ、腰を落としてキッチリ捌かれスリーアウト

創価もこの試合初めての三者凡退、試合が落ち着きかけて来ており、
次の1点がどちらに入るか・・・ それが勝敗の分かれ目になるかもしれない。

[写真]3番強打の河合、今日はファーストの守りでも良い守備を見せてくれた。

[4回表・世田谷学園]
4番は初球を叩くがレフトへの平凡なフライ
5番はツーボールツーストライクの並行カウントから変化球で空振りの三振
6番にはスリーボールワンストライクとなるが、強気のストレートで刺し込みセンターフライ

前の回から吉澤の調子が上がってきたようだ、打者のタイミングが完全に外れている。
丹念にコーナーを突きながら、けっして初球ストライクを狙わないが、
緩急自在に飄々と投げ、4球目ぐらいでは並行カウントに持ち込み、打ち気を外して打ち取る。
これでなくちゃ・・・

[4回裏・創価]
5番・菊地は2球目を叩き12塁間を割るライト前ヒット
6番・藤井の時にボークがあり無死2塁から、藤井は手堅く送って一死3塁
7番・吉澤の打球は痛烈に3塁線を襲うと、これをサードがはじきレフト線を転々する間に
3塁走者の菊池が戻って来て、待望の追加点となったが、一つしっくりこないことがある。
それはサード強襲の二塁打が、記録上はエラーになっていること、これはちょっと・・・ 残念

なおも一死2塁から、若林のセカンドゴロで一死3塁とすると
9番・宮原の打球は詰まり気味ながらも、サードの頭上を越えるレフト前ヒットとなり・・・ もう1点
さらにワイルドピッチが出て二死2塁で1番門脇を迎えるが、門脇はファーストゴロに倒れスリーアウト
この回貴重な2点が入り、流れは大きく創価に傾いたといっても良いだろう。

[写真]4番・浪川にも一発が出た。ラインドライブが掛かった強い当たりフェンスを越える。

[5回表・世田谷学園]
7番にはボールが先行し、スリーボールワンストライクとなったが、内のストレートで詰まらせる。
センター前にフラフラと上がったが、古川が前進してきてランニングキャッチ
8番はワンボールワンストライクから変化球を打ち上げ、センター古川の定位置へ上がるフライ
9番は初球を打ってファーストゴロ、
これで3イニング続けての三者凡退、吉澤のピッチングが冴え渡る。

[5回裏・創価]
2番・古川はピッチャー返し、強襲してセカンドの前に転がるが内野安打となり無死1塁
ここで世田谷学園は先発した左のエースナンバーに変えて、10番を付けた右の投手を送ってきた。

3番・河合は初球をキッチリ転がす犠打で一死2塁
4番・浪川はスリーボールワンストライクから狙いすまして一閃
低い弾道のライナーで、ラインドライブがかかりながらもフェンスを超えるツーランホームラン

さらに5番・菊地は大きなレフトフライを打ち上げるが、もうひと伸び足りずツーアウト
6番・藤井もフルカウントまで粘り、痛烈に捉えたがショート正面へのライナー

4回に続き、この回も2点が入った。
じわりじわりだが・・・ 創価が突き放して、セーフティリードに近づいて来た。

[写真]とどめはキャプテン門脇が放ったセンターオーバー、足が速くてスタンディングトリプル

[6回表・世田谷学園]
この回は1番から始まるので要注意だが・・・
1番は初球を打って、ライト浪川への平凡なフライ
2番はフルカウントから低めの変化球にタイミングが合わず空振りの三振

3番はツーボールツーストライクからセカンドゴロ
12塁間への当たりだったが、グラブの先に引っ掛けると華麗に一回転してファーストに送りアウト
久々のヒットかと思われる当たりだったが・・・ それを許さず、隙を見せない良いプレーが出た。

[6回裏・創価]
7番・吉澤はツーボールツーストライクの並行カウントから、ボール気味の低めを巧く救ってレフト前
8番・若林が手堅く送って一死2塁、9番・宮原は12塁間を割るヒットで一死13塁
ここで今日はチャンスに2度凡退している1番の門脇が向かう。

門脇はツーボールツーストライクからファウルで粘った後、ストレートを痛烈に叩いてセンターオーバー
13塁の走者が戻って2点取って、門脇は3塁に滑り込むことなくスタンディングトリプルの三塁打
さらに2番・古川が左中間への2塁打を放ちもう1点追加

あと1点てコールドゲームになるところで、世田谷学園はピッチャーを10番から11番に交代
右のスリークォーターよりちょっと下から投げる技巧派がマウンドに上がる。
3番・河合はセンターに痛烈なライナー、惜しくも抜けなかったが古川はタッチアップして3塁へ

そして・・・ 今日の大トリは浪川
二死3塁から痛烈にライト線へ弾きかえして11点目
吉澤が打ち込まれて、不安な立上りだった試合も、終わってみれば6回攻撃中のコールドゲーム

もちろん二試合連続で、二桁安打で二桁得点した攻撃陣の頑張りが素晴らしいに違いないが、
ターニングポイントは、やはり初回のバント処理だったと思う。
初回に2点目を取られていたら、この試合はどう転んでいただろうか。
そう思うと・・・ 勝って兜の緒を締めよ。
ガンバレ! 創価

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4 コメント

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打線調子良いですね! (火星人)
2018-07-17 17:58:14
暑い中いつも詳細レポートありがとうございます!

今日も打線が好調でしたね。
前の試合は浪川君のスイングが力んでいるように見えて少し心配していましたが、さすが創価の主砲ですね!
菊池君の特大ホームランも生で見たかったです。
1番から9番まで切れ目無い魅力ある打線ですな。

今日は早実が早くも敗退しました。
八王子は毎年強いチーム作ってきますね!

次回のレポートも楽しみにしてます!
返信する
日々進化してますね。 (誓球の空)
2018-07-17 19:52:19
火星人さん、ご無沙汰してます。

この夏、浪川君と菊地君が覚醒しましたね。
浪川君のスイングは確かに力んでいるように見えますが、あのスイングが一番しっくり来ているんでしょう。
よぉぉく見てたら、この3年間で殆んどの選手がスイングや、構えや、足の幅、グリップの位置など微妙に変わっています。
浪川君の場合、答えを求めて努力した結果が、あのスイングなんだと思います。
頑張ってほしいですね。
返信する
Unknown (孔明)
2018-07-17 21:19:29
今日も快勝でしたね。
今年のチームはポテンシャルの高い選手が揃っていると思いますが、ほとんどの選手が好調で大会に入れているのが、素晴らしいですね。
そして、1試合に1度は必ず見せ場を作る藤井君、門脇君の守備。昨年から思っていることですが、この二遊間を甲子園で全国の高校野球ファンに見てもらいたい。心からそう思います。
返信する
そのとおりです。 (誓球の空)
2018-07-18 19:03:16
孔明さん、仰る通りです。
二人の守備を甲子園でみたいですね。
また、藤井君が6番に居ることから打線に厚みが出て来ました。
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