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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

第100回 全国高校野球選手権 西東京大会 3回戦

2018年07月14日 | 誓球の空2016-2020

[写真]第100回の選手権大会を記念して行われる始球式、ちびっこのストライクで場内は大拍手

7月14日(土)09:58~12:09 晴れ 無風 府中市民球場
第100回全国高校野球選手権 西東京大会 三回戦
聖パウロ学園(八王子市) 021 001 000= 4
創価     (小平市) 213 130 00X=10

[ 投 手 ]菊地(4)、岸田(2)、吉澤(3)
[ 本塁打 ]若林(2回・左)
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ]河合、菊池
 
1番(遊)門脇
2番(中)古川
3番(一)河合
4番(右)浪川
5番(投)菊地 →(5表・左)
6番(二)藤井
7番(左)桐越 →(5表・投)岸田 →(6裏・打)大野 →(7表・投)吉澤
8番(捕)若林
9番(三)宮原

容赦なく降りそそぐ真夏の日差しを浴び続け、延長15回(4時間8分)引き分けの死闘を演じた翌日
時おり小雨が降る悪天候のなかで再試合に敗れた昨夏から早や一年が経ち、
今日再び、甲子園への第一歩を記すため、強くなった創価が昨夏涙した府中市民球場に戻ってきた。
待ちかねた・・・ この日、この時が来るのを首を長くして待っていた。

9時15分、両校がグラウンドインしてウォーミングアップを始める。
時おり心地よい風が吹くものの、ほぼ無風で気温はぐんぐん上がっていく。
いやぁ・・・ 暑い。

春季大会でベスト4だった創価は、今大会は第三シードで今日が初戦
対戦する聖パウロ学園は、好調な打線が売りで既に二つ勝ち、勢いではこちらが勝っている。
受け身になることなく、まずは先取点を取り、突き放していきたいところだ。

後攻めの創価のマウンドには、エースナンバーの菊地
受けるキャッチャーは春からバッテリーを組む一発長打が魅力の若林
センターラインには、創価が誇る鉄より固い二遊間コンビの藤井と門脇
一方でファーストとサードには期待の1年生・河合と宮原、外野は左から桐越、古川、浪川

プレーボール前のセレモニーで、リトルリーグの子供が始球式を行うと
これが・・・ ど真ん中のストライク
スタンドがどよめきと拍手に包まれ、ちょっと和んだ雰囲気の中でプレーボールのコールがかかった。

[写真]先発マウンドにはエース菊地、エラー絡みで3失点したが安定した投球で4回を投げ切る。

[1回表・聖パウロ学園]
1番への初球はストレートでストライク、2球目はハーフスイングでストライク、
3球目は、やや高いと思ったがストレートが真ん中高めに決まって見逃し三振
今日の主審は低めには厳しめの判定が多かったが、高めは比較的ストライクを取ってくれていた。

2番は2球目のストレートを巧く上から被せてきたが、菊池の球威が勝りライト浪川へのライナー
3番はワンバールワンストライクからレフトフライ、上手く押っ付けたが打球に力なく三者凡退

[1回裏・創価]
1番・門脇は3塁線へセーフティバント、慌てた投手がお手玉してしまい1塁セーフ
2番・古川が初球犠打を決め一死2塁とすると、3番・河合も初球を痛烈にセンター返しで一死13塁
4番・浪川は、ややタイミングを外されたものの巧く押っ付けてレフト前に運び、まず1点
5番・菊地は痛烈なピッチャー返し、二遊間真っ二つのセンター前ヒットで2点目

さらに押せ押せの場面だったが、6番・藤井はフルカウントから打たされてサードへのファールフライ
7番・桐越は上手くミートしたがライト正面のライナーとなり、この回は2点どまり

[写真]3番ファーストに入った1年生の河合、守りのミスを帳消しにするバッティングに大拍手

[2回表・聖パウロ学園]
4番をワンボールツーストライクから低めにワンバウンドする変化球を振らせて三振にとるが、
これをキャッチャー若林が見失い振り逃げで無死1塁

たいしたことないと思っていたが、菊地の心には若干の動揺があったのかもしれない。
ここまでストライク先攻だったのに、5番にはストライクが入らない。
スリーボールワンストライクから、ストライクを取りに行ったボールが甘くなりライトオーバーの三塁打
1点返された後、6番への初球にボークを取られてしまい同点、ヒット1本で2点取られてしまった。

投球のリズムが崩れてしまい、投げ急ぎ気味になった菊地は6番をフルカウントから歩かせるが、
7番の犠打がスリーバント失敗となりワンアウトを取ると、
落ち着きを取り戻し8番をレフトフライ、9番をライトフライに打ち取り後続は何とか断ち切った。

ものは考えようで・・・ 2失点はしたものの、リードされた訳じゃないし、
失策が原因での失点だけに引きずらなければ、試合を引き締める意味では良い意味での仕切り直しだ。

[2回裏・創価]
8番・若林が、早速自らのミスによる失点の汚名を返上する。
2球目をフルスイングすると、バックしかけたレフトが上空を仰ぎオーバーフェンス
今シーズンの創価の1号ホームランは、浪川でも菊地でもなく・・・ 若林だった。
春季大会の1号ホームランも若林だったと思うが、何かもってるのかもしれない。

9番・宮原は初球を痛烈に叩くとサードのグラブをはじく強襲ヒットとなり無死1塁
さらに牽制が暴投となって無死2塁とすると、1番・門脇が歩いて無死12塁
2番・古川は2球目を手堅く送って一死23塁として、チャンスを広げると、
3番・河合は初球を痛烈に叩くと、レフトフェンスを直撃する二塁打となり、さらに2点追加

なおも一死2塁だったが、4番・浪川はレフトフライ、5番・菊地もサードファールフライ、
もう1点入れば、ほぼ勝負あった場面だったと思うが、長打狙いで少し力み過ぎてしまったようだ。

[写真]同点とされた直後、先頭打者で再び突き放すホームランを放った若林選手

[3回表・聖パウロ学園]
打者一巡して1番から、簡単にセカンドゴロに打ち取るが、藤井からの送球をファースト河合が落球
1年生の初守備機会で、緊張していたのだろうが、
イニングの先頭打者だっただけに、もう少し慎重になるべきだろう。

気を取り直した菊地だったが、続く2番に痛烈なライト前ヒットを打たれ無死13塁
この2番打者は前の試合でホームランを打っており、初回のバッティングも捉えていただけに、
エラーの後と言うことを考慮すれば、バッテリーももう少し慎重になるべきだっただろう。

3番にも強い当たりを打たれ、レフト桐越が好捕したものの犠牲フライとなって1点を返される。
失策絡みなので、切り替えればとも思うが・・・ 菊地の投球テンポが速くなっていることが気になる。
なおも一死1塁から盗塁を仕掛けられるが、4番を三振ゲッツーに切って取り1失点で何とか凌いだ。

[3回裏・創価]
6番・藤井が初球を痛烈にセンター返しで無死1塁から、7番・桐越が手堅く送って一死2塁
8番・若林は詰まり気味ながらも、ショートの後ろにポトリと落ちるヒットで一死13塁
9番・宮原はレフトへの浅いフライだったが、藤井がジャストのタイミングでタッチアップして1点
1番・門脇はファーストゴロに倒れたものの、この回も突き放す1点が入りリードを広げる。

[写真]豪快なスイングは今日も健在、創価の4番を打つ浪川選手、相手の外野守備が深すぎて・・・

[4回表・聖パウロ学園]
5番は初球を叩くが、ショート門脇がダッシュ良く捌いてワンアウト
6番はワンボールツーストライクから変化球を空振りの三振
7番もワンボールツーストライクと追い込むが、変化球に軽く合わされセンター前ヒット
今日の菊地は走者を背負うと投げ急ぐ傾向にあり、8番にはボールが先行し歩かせて二死12塁

ちょっと拙い展開だったが、9番のファールフライをファースト河合がフェンス際でナイスキャッチ
3回には送球を落球してしまった河合だが、ここでは落ち着きを見せナイスプレー

[4回裏・創価]
2番・古川は三遊間へのゴロ、ショートが追いつくが足が速く内野安打となって無死1塁
ここで創価ベンチは当たっている3番・河合に送らせ、次の1点を確実に取りに行く。
河合の犠打は若干危なっかしく見えたが、ファールの後からスリーバントを決めて一死2塁

4番・浪川はセンターに大きなフライを打つが、相手の守備が深すぎて守備範囲、これは仕方がない。
二死2塁となったが、5番菊地が痛烈に右中間を真っ二つに割る二塁打を放ち1点
6番・藤井もしぶとくレフト前に落として・・・ もう1点

さらに7番・桐越もセンター前ヒットで続き二死13塁
ここで桐越が盗塁を仕掛けると、キャッチャーからの送球がセンターに抜けてもう1点
8番・若林はセカンドフライに倒れたが、この回に3点を追加して得点差を6点に広げた。

[写真]5回から菊地を繋いで2イニングを投げた岸田投手、小柄ながらも強いボールを投げ込む。

[5回表・聖パウロ学園]
得点差が開いたこともあって、創価ベンチは動きマウンドに岸田を送り、菊池はレフトに回る。
1番からだったが、ツーボールツーストライクから外いっぱいにストレートを決めて見逃し三振
当たっている2番には、2球目の高めのストレートを打たせてサードフライ
3番にもツーボールツーストライクから高めのストレートで見逃し三振、三者凡退で流れを引き寄せる。

[5回裏・創価]
パウロも先発のエースを代えて、背番号19の左の変則投手を送って来た。
9番・宮原はセカンドゴロに倒れるが、1番門脇が四球を選ぶとすかさず走って一死2塁
2番・古川は綺麗に三遊間の真ん中を割ってレフト前、2塁から門脇が帰って来て1点を追加すると、
3番・河合はこの打席でもレフトに痛烈な当たりを打つが、あとひと伸びが足りずレフトフライ
4番・浪川のところで、1塁走者の古川が走るがアウトとなり、この回は1点どまり

[写真]センターを守る古川選手、守備範囲の広さもさることながら、2番打者として犠打でも貢献

[6回表・聖パウロ学園]
4番は初球を叩いてレフト前ヒット、無死1塁から5番を三振、6番をショートフライに打ち取るが、
7番に上手くミートされセンター前ヒットを許すと、8番にもライト線に落とされて1失点
なおも二死13塁だったが、9番をセカンドフライに打ち取り最少失点で凌ぎきった。
岸田は小気味よいテンポで投げていたが、少しストライクを揃えすぎたのではなかろうか。

[6回裏・創価]
4番・浪川はライトフライに倒れたが、5番・菊地が四球を選ぶと、
6番・藤井は三遊間真っ二つのヒットを放ち一死12塁
ここで創価ベンチは動き、7番の岸田に代打大野を送って来る。
大野は初球から打っていくも高々と上がったライトフライ、菊池がタッチアップして二死13塁
8番・若林はピッチャー返し、グラブを弾くが打球はセカンドの前に転がり、この試合初めての無得点

早打ち、決め打ちが悪いわけじゃないし、結果でどうのこうのいっても仕方がないが、
ちょっと攻め急ぎかなぁ・・・ なんて思いもする。

[写真]抜群の守備範囲で、鉄壁の守りをみせるセカンドの藤井選手、とにかく捕球してから速い。

[7回表・聖パウロ学園]
代打した大野に代えて、創価のマウンドには右のサイドハンド吉澤が上がった。
1番から始まったが、セカンドへのハーフライナーでワンアウトを取ったが、
2番にレフト前ヒットを許し一死1塁、さらに走られて一死2塁のピンチを迎える。

3番にはキッチリ捉えられた強い当たりだったが、レフト正面のライナーでツーアウト
4番にはフルカウントからファールで粘られたが、最後は外のボールになる変化球を振らせて三振

見た目にはピンチなんだが、それを感じさせず飄々と投げ込む吉澤は、
球はけっして速くはないが、緩い変化球を巧みに使って、時おり投げるストレートを速く見せている。
まさに・・・ 変幻自在、ナイスピッチングだ。

[7回裏・創価]
9番・宮原はツーボールツーストライクから、外のストレートを思わず見送ってしまい三振
1番に戻って門脇は、緩い当たりのショートゴロだったが、一瞬足が早く内野安打となり一死1塁
2番・古川との間でヒットエンドランを仕掛けるが、古川の打球はレフトフライとなり二死1塁
ならばと・・・ 盗塁を決めて二死2塁とするが、3番・河合はファーストゴロに倒れ無得点

[写真]右に左に、前に後ろに門脇の守備に何度救われたことか、打っても良いが守りはもっと良い。

[8回表・聖パウロ学園]
5番の当たりはピッチャー吉澤を強襲するが、バックアップした藤井がすかさず処理してワンアウト
6番はショート門脇へのファールフライ、3塁側の投球練習用マウンドの上に上がった打球だったが、
足を取られてバランスを崩しながらも、しっかりボールを見てナイスキャッチ

二遊間を守る藤井と門脇の球際の強さが光る。
けっして派手さはないが、確実に堅実にアウトカウントを増やしてくれる。
これが今年の創価の強さだと思う。
そして・・・ 7番は真ん中低めの変化球を空振りの三振
普通に見れば、単なる三者凡退だけど、とっても見応えのある三者凡退だった。

[8回裏・創価]
4番・浪川はツーボールツーストライクからセカンドゴロ
5番・菊地はワンボールツーストライクからハーフスイングを取られて三振
6番・藤井はフルカウントまで粘ってセンター前ヒットで出るが、
7番吉澤がファーストゴロに倒れ無得点
けっして打てない投手じゃないのに・・・ ちょっと相手投手に合わせ過ぎてるようだ。

[写真]飄々としたマウンドさばきで変幻自在にボールを操り、最後は吉澤が試合を締め括る。

[9回表・聖パウロ学園]
8番は痛烈にピッチャー返しを放つが、吉澤がナイスフィールディングで捌きワンアウト
9番はサードの後方にフラフラと打ち上げるが、
ショートの門脇がスライディングしながら逆シングルで捕球、これは超ファインプレーだと思う。
最後は1番を三球三振に打ち取りゲームセット

総合力の差はあったと思うが・・・ やはり、初戦の戦い方は難しい。
ちょっと気になったのは、バッティングのスタイル(フォーム)を変えた選手がいたこと。

構え方や、歩幅の広さなどは、スタイルの変更は進化に向けての努力だから特に気にしてないが、
まだ完璧の自分のものになってないように見える選手もいた。
ヒットが出てるので、特に心配いらないと思うが、様々な投手との実践経験が足りてないように見えた。
打線は水物と言うだけに、ちょっと気になっている。

あと、もう一つ・・・ 走者を背負った時に、菊地投手の投げ急いでいたのも気にはなったが、
次はしっかり修正してくるはずなので、こちらは心配ないだろう。

四回戦は17日10時から府中市民球場で世田谷学園と対戦予定
決着の夏、絶対に負けられない戦いが・・・ 続く。
ガンバレ! 創価

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4 コメント

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いよいよ始まりましたね (イルクーツク)
2018-07-14 19:04:52
誓球の空 様

いつも有難うございます。
強豪が苦戦している初戦の勝利、本当に良かったです。
こちらもついついこのチームに期待が過ぎてしまうかもしれませんが、応援に力が入ります。
春の帝京戦が身に行くことができましたが、更に成長しているのでしょう。
楽しみにしています。
引き続き宜しくお願い致します。
返信する
今年もヨロシクお願いします。 (誓球の空)
2018-07-15 06:22:25
イルクーツクさん、ご無沙汰してます。

いよいよ決着の夏が始まりました。
まずは初戦を勝ち上がり、次戦は落ち着いて出来るのではないでしょうか。
春ベスト4だったチームのレギュラーに1年生が食い込むのですからチーム力は確実に上がっていると思います。
一戦一戦、確実に勝ち上がってほしいと期待しています。
返信する
おめでとうございます。 (K.H)
2018-07-15 16:50:03
難しい初戦の勝利、おめでとうございます。
1年生選手の活躍も素晴らしかった。理想的な先制攻撃でした。しかし,聖パウロ学園さんも、エラー絡みとはいえ、一方的になってもおかしくない状況で、同点に持ち込むなど、見事な戦いをされました。孔明さんの速報と、この誓球の空で、2度、楽しませていただきました。
いつも、素晴らしい内容の記事で、「なるほど、そうか」と、思うことも度々です。今回は、前々から、思っていたのですが、写真も素晴らしいことを、書かせていただきます。投手の写真は、リリースポイントが良く分かります。その他、それぞれの選手の特徴が、伝わってきます。
冒頭のちびっこの始球式の写真、びっくりしました。この子は、すごいですね。しっかりと左足を踏み出し、安定した下半身と、上半身で、球に、体全体の力を乗せている感じで、肘が、先に出て、腕が後から出てくる理想的なフォームですね。この子のこれから進む先を知りたい気持ちです。
さあ次は、世田谷学園戦。あくまでも、目標は、甲子園ですが、目の前の一戦を、全力で、勝ちに行って欲しいと思います。
返信する
ありがとうございました。 (誓球の空)
2018-07-15 20:23:02
K.Hさま、コメントを頂戴しありがとうございます。
あの子は綺麗なフォームから、ホントに良いボールを投げました。
投げ終えた後、ニコッと笑った顔が可愛くてスタンドから大拍手を浴びていました。
河合選手のヒットの写真をトップに使うか、始球式の写真を使うか迷いましたが、
数年後、彼が創価のユニフォームを着てマウンドに立ってくれていることに期待して、こちらの写真を使うことにしました。
動きの中でのワンシーンですから、ピントの合わせ方が難しいのですが、
これからは、なるべく多くの選手の写真をアップ出来るよう心がけたいと思います。
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