掃除は修行
4月にやってきた新任の部下によると、禅宗では「掃除は修行」なのだそうである。彼女(女性)のモットーは1に掃除、2に掃除なのだそうだ。
早速とりかかったのが、デスクの整理だ。
先代、先々代と続いた部下のデスクと収納キャビネットの中は、山盛りに積まれた文書やファイルが溢れかえっていた。
一つ一つ自分の了解のもとにすべてのファイルを必要かどうか見直したうえで、どんどん廃棄していった。
その結果、デスクの上の机上棚(文書をファイルしてあったファイルがずらっと並んでいた)が不要となって、それも圧迫感があるというので撤去してしまった。
おかげで、机の上にはパソコン2台とモニター1台、あと若干の書類と横置きの文書収納棚だけになってしまって、すごくすっきりしてしまい、隣に座っている中堅の部下は、「びっくりしています。自分の場所もあんな風にしないといけないのでしょうか?」と自分に聞いてきた。
どう答えるべきか迷ったのだが、「あそこまでする必要はないし、自分のやりたいようにやればいい」と答えた。
ご本人にも、それとなく聞いてみたけど、「自分の信条としてこうしているだけで、他人に強要するつもりはありません」と立派な返事が返ってきた。
雑巾がけのおばさん
それで思い出したのだが、死んだ嫁さんを在宅介護しているとき、毎週、来てくれたヘルパーのおばさん(70代前半だったらしいので、おばあさん)が、すごい人だった。
明るくて、元気で、いつもエネルギッシュだった。
原付で颯爽とやってきて、家内のおむつ交換とか、をしてくれた後、時間が余ったら、「雑巾がけをしましょう」と宣言して、広いリビングの一部だけど残りの時間でフローリングを綺麗にしてくれていた。
ボケる前の、嫁さんは「雑巾がけのおばさん」と揶揄していたけど、我々の世代は、幼いころ、どこでも雑巾がけをさせられていたのだ。
学校の廊下や床、家の畳や板の間など、誰でも雑巾がけをやっていたと思う。
その後、高度成長期で、電気掃除機が導入され、雑巾がけが廃れてしまったのだ。
70代のヘルパーさんは、足腰がしっかりしていて、太っていないし歩くのも早かった。
くだんの部下に「家で雑巾がけもするの?」と聞くと、「モチロンしますよ」と返ってきた。
体幹トレーニング
自分もそこで気がついた。お寺の坊さんも毎朝、雑巾がけをやっているし、雑巾がけをすればきっと、自分の出っ張ったお腹がへこむに違いない。
そう思って、週に1、2度、家のリビングとキッチンの床を、最近はやりの使い捨てクリーンシート1枚だけ使い、拭けるだけ拭いてみようと決心したのだった。
数回実践したが、足腰が鍛えられて同時に上半身も鍛えられる。これはいい、と思ったのだが、自粛要請解除となり、先週からボルダリングのジムがオープンして、そこに行き始めたので、余裕がなくなり、雑巾がけを忘れてしまっている。
この週末は、夏物の服に入れ替えるのと、くたびれてきた下着を新調すること、いつの間にかたまってしまった本の整理などで忙しい。
また来週から、「雑巾がけ」をやろうと思っているのだが、月曜からは「筋トレのジム」もオープンするので、忙しくなり、雑巾がけの決心が揺らいでいる。
胼胝
さて、部下は、デスクの整理の後、職員の勤怠管理や、掲示物など職務上の面倒くさいことをきっちりとこなしてくれています。自分が懸垂で出来る手の胼胝の話をすると、本人からは掃除機をかけるときに出来た胼胝の話をしていました。
そうそう、とばかり「最近の掃除機は押しがけではなくて、引きがけしないとダメだよ」と教えてあげました。胼胝のできる場所が変わるのでしょうか?そのうち、聞いてみたいですね。