道東を発見する旅 第3の人生

レモンイエローのノート、ブラウンブラックのインク

何の変哲もないボールペン

半年ほど前、休みで島を離れたときのことだ。

銀行での用事でボールペンが必要になって、文具売り場で事務用のキャップ式のボールペンを買った。

いつもは新しい筆記具を探して買うのだが、その時は「すぐ使うから何でもいい。100円くらいの安いやつ」というスタンスだった。安いのなら事務用のでいいとキャップ式を買った。これまで自分はいつもノック式でキャップ式を買うのは高校生の時以来かもしれない

安っぽいノート

同じ時に、ダイソーでうろうろしていて、A4の大きなノートを見かけた。

ボール紙の表紙でザラ半紙のような「けば立った安っぽい紙」がぶ厚く金属のスパイラルで閉じてあった。これも落書き用に使うか、どうかでいらなければ捨てればいい、と1冊購入した。

自分は40過ぎに老眼になってから、気分良くノートを書くことが出来なくなっていた。

それでは困るので 約30年もの間、どうすれば快適にノートを記載できるかを追い求めてきた。

手に入る限りいろんなボールペン、ボールのサイズ、万年筆も1万円レベルのを何本も買ったし、ノートも1冊1000円をこえるような高いものから安いものまでいろいろ試してきた。

そんな自分にとって、事務用ボールペンと100均のノートなんて、これまで一番安っぽい組み合わせだったのだ。

ところが、人生は何が起こるかわからない。

そのつもりだったのに、その組み合わせで書き始めると、とてもいいのだ。字がうまく書けるし書いた後も読み返すのが楽だ。

それ以来、毎日、ノートにせっせと書き込んでは後でノートをながめるのが習慣になった。

ただ、なんかボールペンの色が薄いな、といつも感じていた。しかし、もうそれ以外のペンは使わなくなり、たった一本買ったボールペンのインクがなくなってきたのでネットで、「三菱ユニボールシグノ」で検索し製品番号を入力した。

衝撃の事実

すると、エーー!そんなバカな、と自分の目を疑った。製品番号から、それは黒ではなくブラウンブラック(茶褐色)だったのだ。

黒にしては薄いなあ、かすれているのかな、と信じ込んでいたのだ。実は、ノートの紙の色がレモンイエローなので字の色と紙の色がマッチして、自分が書いていく字が実にきれいなのだ。書いた後、見返しても凄く読みやい。

それから、やっぱり黒じゃないとだめなのかな、と考えて、同じシリーズの黒を買い、ノートに書いてみたら、書いた文字の見え具合のバランスが悪い。どうダメなのか考えたのだけど、「黒だと黒すぎて字の認識度が低くなる」という感じがするのだった。

老眼の自分にとって真っ白なツルツルの紙と、滑るように字が書けていく黒の組み合わせのコントラストが強すぎていたのだろう。

そして事務用そのもののキャップ式だと、ノック式よりも長くて重心を感じとり安いのだと思う。もうノック式も使っていない。

ぶ厚い100均のノートを開くと、レモンイエローの紙にびっしりと茶色の字が並んでいる。

これを見るとうれしくなる。きっと、他の人が見たら、「何ですか、これ・・・」と言いそうな気がするので誰にも見せない。

もう、これ以上、文具売り場でノートとペンを探し回ることもないだろう。

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