道東を発見する旅 第3の人生

自宅介護、機能喪失の過程、天の声、内窓の効果

自宅介護

家内が退院して2週間になる。身体は元気でよく食べるようになった。

しかし、前回書いたけど、痴呆が進んでいるようで会話が長続きしない。

おかしなことを言っている事が多いのだが、たまに正気に戻るのかポロッとまともな事を言ったりする。

はた目には悲惨な状態であるとしか思えないのだが、自分と息子はすっかり子供にかえってしまった家内と案外楽しくやっている

家では主に息子が対応してくれているが、毎日、ヘルパーさんが来てくれ、平日は訪問看護師さんも来ているので安心感もある。

機能喪失の過程

さて、4年間、病気が徐々に進行し、それと共に歩く事、動く事や手を動かすことなどの基本的な人間の機能が徐々に失われていく姿を見てきた。

そして遂に対話によるコミュニケーション能力が失われていくところまで来た。

自分としては、親が子供の成長過程を見るのと正反対の過程、すなわち能力が失われていく機能喪失の過程をつぶさに学んでいるようだ。

そして、これは大自然の摂理であり、全てが神様の計画通りに進んでいるように感じている。

「感傷的になってはいけない」とか「人間の衰退していく過程を通して自然のうつろいを学びなさい」という天の声が聞こえるようだ。

生命の喪われ方の影響

考えてみると自分は幸せなのかなあ、と思う。

誰でも死ぬ瞬間は同じだが、突然死んでしまうか、じわじわ弱っていって死んでいくのかは大きな違いがあるのではないだろうか。

ある日、突然交通事故、地震や津波などの自然災害で身内の生命を奪われてしまった場合、残された遺族はどんな辛くて苦しい思いをしなければならないか、と思い至るのだ。

底なしの深い喪失感、寝ては想い出し覚めては想い出しでいつまでも涙が流れ続ける、そんな日々がいつまでも続くのだと思うと切なくなる。

自分の場合、4年間、再発や悪化のたび滝のように涙を流してきたが、その時々で自分なりに家内の闘病生活を一生懸命支えてきたという自負心がある。人間として基本的な機能を失いながらも現在も命の灯を燃やし続けている姿を今も見ている。

この現実に対し自分には感謝の思い以外には何物もない。

4年前の今頃は、自分は何も出来ないまま悲嘆の涙にくれる毎日であった。むしろ家内の方が前向きに考えていたようだった。

4年の歳月は自分を強くしてくれて何事にも前向きに取り組む事を教えてくれた。もちろん、これが10年20年となれば、また捉え方も変わってくるだろうけど・・・

自分なりの取り組みの一つがリフォームだ。

本人が死の直前まで元気で過ごせるようにトイレのリフォームやエアコンを新調するなどは終わったが、リフォームの最終工事である「内窓」の設置が今週終わったところだ。

内窓

自宅マンションの建物はすぐ近くに建物がないので風が吹きっさらしの状態である。

冬はエアコンをつけてもなかなか温まらないため、家内に寒い思いをさせてはいけないと考えて2重窓にする事にした。

内窓とは窓の内側にもう一つ窓を取り付けて2重窓にすることである。

その効果は驚くほどで、自分のマンションでも下の道路の車の音とか聞こえていたのが、何も聞こえなくなり結露することが無くなって、さらに底冷えする寒さが感じられなくなった。

内窓をご存じない方のために以下のサイトから引用します。

主婦による二重窓・内窓の失敗しない選び方
http://www.insidewind.com/double_paned_window/

以下、引用します

私はちょっと前まで窓が家の快適性を左右するなんて、考えもしませんでした。

でも今は、内窓をつけたことにより、窓から伝わる熱や音がどれほど生活に影響を与えているか実際の暮らしの中でその効果を実感しています。

特に嬉しかったのが騒音の面。内窓は気密性が今までの窓とくらべてダントツで高くて、価格も少し高いんですが、奮発して買ってしまいました(^^;)

色々吟味して内窓を取り付けた私としては、内窓を付けるときは、初期費用が多少高くても気密性の高いものを、こだわって選んだほうが絶対いいと思います!!

なぜかと言うと、気密性の高い内窓を取り付けておけば、その分クーラーや暖房の電気代が押さえられて、長い目で見て金額面でもお得だからです。

引用終わり

息子の声

実は5年前に自分たちの寝室だけ内窓をつけているのだ。

今、寝たきり状態の家内は自立した長男の寝室で一日を過ごしている。

その部屋に内窓をつけたついでに、リビングと次男の寝室、廊下や浴室の小さな窓など全部に取り付けた。

業者の人は「内窓は一度つけてもらったらわかるのですが、設置されたその日から静かになったとビックリされる方がほとんどです」と言っている。

内窓の効果を知らなかった息子は「部屋があまりにも静かになりすぎて怖いくらいだ」と言っている。

内窓も含めてリフォームには結構費用がかかったのだが、家内が平穏無事に残りの時間を過ごしてくれるのなら決して高くは無いと考えている。

退院時に病院の先生は、後1ヶ月以内という話をされていたが、在宅で訪問診療に来てくれている先生は、3ヶ月くらいは・・と言っていた。

どうなるかは、神の領域なので我々には想像もつかない世界だが、とことんまで付き合う覚悟でいる。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事