10月末、ベネチアの街は大洪水に見舞われた。
まさに一年前、滞在していた時期だ。
街が水没するのは今に始まった事ではないが、
今回は観測史上4番目の水位だったとか。
今回、23年振りに訪れて驚いたのは、何よりも人の洪水だ。
サンマルコ広場はもちろん、お店が立ち並ぶ路地という路地、人で溢れている。
お店は随分と様変わりしているが、細い路地と街並みは変わらないままだけに
原宿・竹下通り並みの通りもあり、情緒・風情に欠けるのがちょっと残念でもある。
そうかと思えば、ふと入った路地を抜け想定外の光景に出くわせたり、
急にひと気がなくなり静かで素敵な空間を見つけられるのもベネチアならでは。
「ロミオとジュリエット」のセットのよう・・・、ちょっと言い過ぎ?!
散策をした後は一旦ホテルに戻り、夜は伯母の知人のご夫婦と夕食へ。
案内していただいたレストランは、中心部から少し離れ、路地を何度も曲がり、
はぐれたら道に迷うこと間違いない、という場所でした。
このあたりは路地も相当暗いが、店のテラスにはもうちょっと明かりが
あってもいいのでは?と思う程の暗さの中で食べていました。
フランスもそうですが、暗めが好きですよね。
私もどちらというとそうですが、さすがにもう少し明るい方が、
お料理が美味しそうに見えると思うのですが。
こんなはずれにあるが、すぐに予約でいっぱいになる人気店らしく、
店内はぎっしり満席状態!
お通しのような、こちらの小エビの唐揚げ、美味しいです~
ただ紙でクルッとしただけでも、なんかいい感じ?!
こちらは、事前に伯母から聞いていた「モエケ」
本来、春が旬だそうだが、秋のちょっとの期間だけ食することができる貴重な一品。
脱皮したての蟹を卵液に漬け、たっぷり吸わせた所でから揚げにするらしい。
聞くとちょっと残酷のようだが、、、有り難く、モエケ初体験しました!
からっと揚がった香ばしさと、蟹のコクのある旨み味がなんとも!白ワインに合う~
今回いただくことができてラッキーでした!!
さすがベネチア、カプチーノもガラスのカップです。
左が私の頼んだドルチェになるのですが、これがホントに美味しくて~
東京でもありそうだけど、お目にかかったことはない。。。
レモンソルベをクリーミーにして、グラッパか何かアルコールで割ったような、
そして上にはスパイスとレモンの皮が。
甘さと酸味、苦み、スパイシーさが絶妙~、後味はさっぱり!何杯でも飲めちゃう。
さすがベネチア在住の方がおススメのお店、
観光客がいなくて地元の大人達が集まる素敵で美味しいレストランでした。
夜もふけると、すっかり人影もなくなり静かな別の街のよう。
観光客が押し寄せ、年に何回も洪水に見舞われ、住民にとっては決して楽ではない
ここでの生活。最近は人口もだいぶ減ってきているそうだ。
ただ、誰もがこの稀有な街の価値を認め、美しいままの存続を願っている。
一度訪れたらまた来たいと、いつまでも思わせる街でいて欲しいと思う。
次は、ブラーノ島へ向かいます。