上野 東京国立博物館で「京都 洛中洛外中と障壁画の美」を見た。
「京都でも見ることのできない京都」~というだけのことあって、国宝・重文指定がずらり。
室町から江戸時代にかけて描かれたその風俗画は、目の前にありながら双眼鏡で見ないとわからないぐらいの綿密な描写。
限られた色で描かれているが、金が圧倒的で京都の栄華がダイナミックかつ繊細に彩られている。
活気に満ちた人々の描写からは、今にはないしあわせな時代を感じる。
もう一つ見事だったのは、龍安寺の石庭をまるで目の前にしているかのように、
フルハイビジョンの巨大スクリーンに四季の移り変わりが流れるように美しい映像で映し出される。
満開の桜が散り、梅雨になり新緑へ、そして葉が黄、紅と色づき、やがて散り雪が舞う。
風の音と雨音。まるで映画のワンシーンのようだった。
4台のカメラで分割して撮ることによって実際にはあるはずの柱が、視界に入らない。
とてもつなぎ合わせた映像とは思えない。
400年前の気の遠くなるような緻密な描写と、現代の最先端技術による映像で見る「京都」
見た人のほとんどが、「そうだ、京都に行こう。」 と思うに違いない。
堪能した後、外に出ると建物の壁には映像が映し出されていた。
公園内の噴水広場では、「創エネ・あかりパーク」が開催中でした。
美濃和紙のあかりアートや長野の灯明まつりの作品が展示されており、
和紙や照明もの、どちらも好きなものなので、ふらっと行ったけどラッキーでした。
いつもは桜が満開の時に歩く道には、浮世絵の行灯が。
障壁画を見ている時、猫の姿が描かれていないか捜したのだが見つけられなかった。
やっとここで発見!!
今回は博物館~上野公園まで和の雰囲気で夜の明かりもきれいでよかった。
よくありがちで残念なのは、どんな立派な名画が日本で見れても、その鑑賞スペースを1歩出た途端に興醒めすること。
やはり、あるべき場所にあるものを見れることが贅沢なのかもしれない。
パリで初めてロダンの彫刻を見た時、それまで特に彫刻は興味がなかったが、
広い庭園の自然の中に溶け込んで堂々と力強く建つ彫刻、その庭園を眺められる館の中で見る作品に一気に魅了された。
もちろん、そこを一歩出ても余韻を残したままいれる街並みは間違いなし!
むしろその余韻が冷めないままなのがパリ!! (だがら困る?!)
京都に行っても見れない今回の「京都」はやはり東京で見るしかない?!
秋も深まり、すっかり寒くなった。 抱きつきがやめられない!!
重いけどね、、、