皆さんお待たせしました。
この日は私達にとって忘れられない日です。
まぁ、イロイロ言う前に、本編いきます。
…6日目…
なんか朝から調子が悪い…
二人でトイレの取り合い…
あぁ、昨日の夜のハンバーガーが当たったんだ
とりあえず、ロッジで朝食をとり、今日の行動を相談…
正直、グリネル氷河トレイルに行けないんだったら、もう後はどうでもいい
半ばヤケクソになっている私に、ダンナ…
「もう一つ、グリネル氷河の見れるトレイルがあるよ!!」
でも、それは山の裏側から山を越えて見れるトレイル、しかもその山を登ると上級レベルと書いてある…
「途中で引き返してくればいいヤン」
ダンナの気軽な提案に乗ってしまった
この後、あの悲劇を生もうとは、この時の二人は知るヨシもなかった。
しかし、昨日のあの恐怖は二度と味わいたくない
と言う事で、熊鈴を購入!!
それから出発地点のローガンパスまで車で走る。
そして、いよいよトレイル出発
因みに、このトレイルは”ハイライントレイル”と言われていて、距離18.6km、標高差716mの中級レベルのトレイル。
しかし、グリネル氷河を見るには、それから更に1kmで標高差300mの急坂を登らなければならない。これに行くと上級レベル。
途中で引き返す事も出来るが、そのまま反対側の山に下りる事もでき、そこからは出発地点のローガンパスまでバスが出ている。
急遽決まったトレイル、11時半と出発は遅かったけど、まぁ途中で引き返してくるしいっか。
なんせ、朝から二人とも下痢だし、とにかく水だけは…
と、やりすぎかなと思いながらも、3リットル持参し、いよいよ出発です。
最初は大きな下りで、それから緩やかな坂が山肌に延びています。
いやぁ、最初のこの下りで、引き返す選択枝はナイなと半ば感じながら…
周りには、高山植物もちらほら…
雪解け水が所々で流れ落ちていて、手足を冷やしてくれます。
何回も休憩しながら、5㎞位来た所で、最初の難所、急な登りがあり、もうこの時点で私はバテバテ
もう、無理かなぁって思いながらも、最初に下ったあの坂を登るのは嫌だし、前に進むしかない
なんせ、残雪が足元に見えている、かなり登って来ているに違いない。
帰りは下り
その事だけを考えて、頑張って前に進む
周りには、木も殆ど無くなって直射日光がかなり体力を奪っていく
そんな頃、目の前にいきなりマウンテンゴート出現!!
人を恐れる感じもなく、のほほんと草を食べている。
私達の前を、まるでガイドみたいに歩いてくれて、
「頑張れよ」
って励まされている感じ…
すっかり気を良くした私達
周りのハイカー達にも励まされ、俄然ヤル気
しかも、こんな山道をランニングしている若者達もいたり…
もう、変態ですヮ
なんだかんだで、とうとう上級者コースとの分岐点がやってきた。
これを登らなくては、グリネル氷河は見ることが出来ない。
もう、足はだいぶヨレヨレだったけど、ココまで来たからには行くしかない
そして登り始めたのはいいんだけど、もうね、足が動かないんですよ。
50歩歩くのが精一杯
50歩毎に休憩し、呼吸を整えまた歩き出す。
思うように足が前へ出てくれない
ほら、若いお兄ちゃん達だって、パンツ丸見えでも、ズボンを上げる余裕も無いんだよ
この山の裏側を見る為に、1㎞の急坂をスゴイ時間と労力をかけて登った。
そして、遂に到着した、グリネルグレイシャー!!
うん、正直、「えっ? コレ?」
って思ったね
こんな死にそうなくらいシンドイ思いして見に来たのに、コレデスか?
いやぁ、期待しすぎた私が悪いのは知ってるけど…
いやいや、コレだけでは無い筈、もっと素晴らしいビューがある筈なんだ…
岩場を登って、何とかスゴイ写真を…
はい、ダンナは高所恐怖症の為、ココで断念。
後は私が…
氷河の下につながる湖…
まぁ、こんなもんかな
取り合えず、山頂で休憩し、食事しなくちゃ
とは言うものの、山頂はスゴイ強風
おまけに、あまりのしんどさに、食事が喉を通らない
もう、この時点で夕方の6時。
遠くに雨雲も見えてるし、急いで帰らなくては
これで、バスが無かったら私達、ヒッチハイク!?
下りとはいえ、残り10㎞もある。
「オレ、カリカリ梅だけでいいよ。」
何故かダンナ、ここ一番カリカリ梅だけ食べて帰路に着く…
ふと気付けば、まわりにいた筈の人々はいない
先に登ってた若者達は、山頂でお昼寝中
もしかして、この人達って山小屋に泊まる人達?
ココには、山小屋があって、そこは半年前から予約がいっぱいなんだって。
でも、そこには水も食料も無いので全て自分たちで運ばなくてはならない。
とても、こんな軽装備の私達が泊まれる訳も無く、食料も水も無い。
そういえば、水…
あぁ、あと1本かぁ…
夕方といえども、まだお日さんカンカン照り
とにかく、急いで帰るしかない
こう見えても、下りは得意な私…
急な坂道を、どんどん下りて行きます
しかし、下りても、下りても、車道は見えてこない
谷底が遠くに広がっている。
私達以外、他に人の気配が無い…
不安いっぱいの中、熊鈴ジャンジャン鳴らして、休憩する間も無く、ひたすら山を降りていく
ふと気付くと、ダンナの様子がおかしい。
「大丈夫?」
「うん、喉がカラカラで…」
「水飲んだら?」
「でも、もうコレだけしか…」
あと、50ml足らずの水…
「飲んでいいよ」
「いや、お前が飲んで」
「いいてばぁ」
うん、これぞ極限状態での夫婦愛
まぁ、サクッとダンナ、飲んでましたけどね
それからも永遠続く長い坂道、だんだん下りがしんどくなってきた。
二人とも喉がカラカラ、脱水でフラフラ…
途中で分岐点があって、案内の通りに来たつもりなんだけど、今度は山を登ってる。
「ホントにこの道で合ってんの?」
あまりのしんどさにダンナを攻める私…
言い返す気力も無いダンナ…
もう、ココで迷ってても引き返す気力も体力も無い。
あぁ、寝袋持って来てたら良かった
生き延びる為に歩くしかない。
ヤバイ、文字制限に引っかかってしまった
続きは続編で…