『青空ポンチ』の感想を少々 ※ネタバレも少々

　開巻早々のタイトルバックに流れるジッタリン・ジンの『恋のルアー』が最高。しびれた。しかし、発売されていないらしい。なぜ？　ものすごくカッコいい曲なのに。ジッタリン・ジンの事務所もしくはレコード会社さん、早くリリースしてちょうだいな。

　東京から都落ちしてきたミュージシャンが主人公。芸術家肌の変人であり、人の心をまったく慮らない若者だ。この男が故郷に帰って再びバンドを組むところから物語は始まる。なんだかんだで集まったのは、家業を継いだかつてのバンド仲間、ブログでコスプレを披露していることがバレて転校させられた女子中学生、エリートの道から突然転落したサラリーマン。しかし、ボーカリスト兼ベーシストである主人公は真面目に練習しようとせず、4人の気持ちもバラバラになる。そんな時、主人公を慕っていた女の子が結婚式を挙げることになった。4人は彼女を祝福するために披露宴で演奏しようと決意し、猛練習を始める。しかし……という物語。

　ドラムに夢中になる女子中学生を演じる小池里奈が可愛い。投げやりで小生意気なキャラなのだが、ドラムと出会ってからは一途に練習に励み、男たちを励ましたり扇動したりもする。母性さえ感じられるその立ち振る舞いが実に健気で、なかなか剛気でもある。はっきり言って、彼女が良すぎて他の3人が霞んでしまったような印象を受けてしまった。
　でもまあ、こういうグダグダした青春を描いた作品は基本的に好き。主人公に恋をしていた女の子を演じた戸田比呂子も可愛かったし、なかなか楽しめた。って、なんか女優さんばっかり褒めてますね。まあ、こっちも男子なので。
　監督は、『おそいひと』で僕を圧倒した柴田剛。作風、全然違うじゃん。しかし、類似作を安易に作ろうとしなかった姿勢は頼もしいんじゃないだろうか。

　それにしてもマジで『恋のルアー』のCDがほしい！　大音量で聴きたい！

お気に入り度　★★★★★★☆☆☆☆

『青空ポンチ』公式サイト→http://aopon.jp/