新007、アッパレ。撲キャCMもアッパレ！

　『007　カジノ・ロワイヤル』を観た。いやぁ、新ジェームズ・ボンド、カッコいいじゃん。従来の洒落っ気に満ちたボンドとは異なり（と言いながら実はピアーズ・ブロスナンのは一本も観ていない）、青臭くて荒っぽいボンドであるけど、それが役者の個性とピッタリ合っているのよ。えっと、ダニエル・クレイグだったっけ？　予告編を最初に見た時は「貧相な感じだなぁ」と思ったけど、いやはや大したもんですわ。
　とにかくもう、序盤と中盤でのアクションが凄い。迫力がありすぎて満腹状態になっちまう。ただ、その反動のせいか、後半の流れは今ひとつだけどね。こっちがポーカーに詳しくないせいもあるけど、どうも話の筋が分かりにくくなっているのよ。しかも、上映時間が長すぎ。2時間20分だもん。あと20分、短くしなきゃ。
　あ、そうだ。ヒロインも魅力的だったけど、ホテルのフロントにいた女の人、すごくキレイじゃなかった？　ほら、クルマのことでボンドが嘘を言った時、「私なら黙っていますわ」と言ったブロンド美人ね。ドーンとアップになったので、また出番があると思ってたら、あれっきりだったじゃん。もっと見たかったなぁ。
　ともあれ、充分に楽しめる映画だった。新007のダニエル・クレイグ、アッパレ！

　もうひとつアッパレなのが、本編の前に流れた「海賊版撲滅キャンペーン」のCM。ほら、以前は女の子が黒い涙を流し、それが垂れて骸骨が現れる、という悪趣味な映像だったでしょ？　あれが始まるたび、僕は不快な気分になって目を閉じた。そして、谷村美月（黒い涙を流す女の子）に同情したものである。
　しかし、そのCMはガラリと変わっていた。なんと五月女ケイ子のイラストが使われているのだ。考えられる限り、最適な選択であると思う。その英断にアッパレ！