少年トッパ

『私は猫ストーカー』の感想



 久々に映画の感想。すんません、名古屋での公開はとっくに終わっちゃってます。

※こちらが映画の公式サイト。まだこれから公開される地区も多いです。
http://nekostalker.jp/

※画像は原作本とパンフ、チラシ、前売券とそのオマケのシールです。

* * * * *

 猫ストーカーってのは、あちこちに生息する猫を追っかけて、さわったり写真を撮ったりする好事家のことらしい。ほら、その辺を歩いている猫に声をかけたり手を伸ばそうとしていたりする不審者、たまに見かけるでしょ? そういう感じ。かく言う僕もそれに近い人種で、歩いていて猫を見つけたら必ず舌を鳴らして呼びかけ、近寄っていく。さすがに周囲に人が大勢いる時は恥ずかしいから自粛するけどね。
 この映画の主人公は、もっと勇気のある猫ストーカーで、それなりに人目は気にするものの、人様の敷地じゃないかと思われるところまで入り込んでいく。その度胸は見習いたいと思うけど、実際問題そうした行為が可能なのは若い女性だからだろう。いや、年配でも女性ならさほど不審がられないかもしれないけど、僕みたいなヒゲ面の四十オトコは問答無用で通報されちゃうんじゃないかな。
 主人公は古本屋で働きながら、イラストを描く仕事もしている。そして、その合間に猫ストーカーとして活動し、野良猫たちの生息マップのようなものを作る。このあたりの描写は実に楽しい。彼女が勤める古本屋での日々も、なんとも呑気で心地よさそうだ(ただし、店主が妻になじられるシーンはド迫力)。

※以下は思いっきりネタバレ。
 そんなこんなで基本的には微笑ましい映画なんだけど、終盤は「???」の連続。古本屋の看板猫だった「チビトム」が行方不明になり、主人公やバイト仲間や店主は懸命に探す……かと思いきや、ほぼ同時に姿を消した奥さんが帰ってきたら、それで捜索は打ち止めなのだ。しかも、朝早く外出した主人公が偶然会った常連客(実は主人公に惹かれている)と連れ立ってどこかに行くと思ったら、なんと猫ストーカー活動を再開してござる。そして、猫の手なずけ方なんぞをレクチャーしているのだ。そんなことより、チビトムを探してあげて!
 首輪が外れたチビトムは、きっと野良猫になるのだろう。あの街ならば、それでも生きていけるかもしれない。しかし、この主人公、あまりにも諦めが早くないか? もっと懸命に探せよ! 「ホントに猫が好きなのか?」と疑いたくなっちまったじゃん。
 誰よりも淋しがっているのは、いつもチビトムが乗っかっていた小さな座布団じゃないだろうか。ああ、不憫でたまらない。

 最後に一首。

探さなきゃ もっと本気で探さなきゃ 座布団だけがたぶん必死だ
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