我が家のクルマの走行距離が15000キロに達した。買ってから3年半で15000キロってのは、世間一般の基準と比べると相当少ないだろう。なぜ少ないのか？ それは、ただ単に僕がクルマを乗り回すのを好きじゃないからである。子どもをどこかに連れて行く時以外、ほとんど乗らないのよ。近くのシネコンに一人で行くことはあるけど、往復4キロちょっとなので大した距離じゃないし。
メーターが15000ジャストになったことに気付いたのは、僕じゃない。助手席に座った息子である。「見て見て」と言うので外に何か変わったものがあるのかと思ったら、メーターを見てくれということだったのだ。コイツ成長したなぁ。しみじみ、そう思った。
自閉症児は「要求」を口に出すことは多いが、相手に「共感」を求めることは少ない。「ジュース飲みたい」「テレビ見たい」「プール行きたい」というような要求は主張するが、「星がキレイだねぇ」「この番組、面白いよね」「このラーメン、おいしいね」なんてことを口にするのは珍しいのだ。面白い絵本を読んでいる時も、一人でキャッキャッ言いながら楽しんではいるが、「ここんとこ、すごく面白いよ」なんて言ってくることは滅多にない。いや、もちろん個人差はあるんだけどね。
今回の場合、息子は「わーい、数字がキレイに揃ったよ。見て見て」と僕に言いたかったわけだ。うれしいことや楽しいことを共有しようと思って行動したのである。これは大きな進歩である……と思う。思いたい。
