名古屋市では年に一回、障害児連合運動会という催しがある。名古屋市内の小中学校や養護学校に通う障害児たちが一堂に会する大イベントだ。今日がその日である。会場は瑞穂北陸上競技場。天候によって中止または翌日に順延となる場合もあるので、行われるかどうかはメ～テレの番組『どですか！』の中で7時前後に告知される。その告知を待ち構えていたのは我が家だけじゃないだろう。なにしろ、昨年も一昨年も雨で中止になったのだ。
7時ちょっと過ぎ、「予定通り開催されます」というコメントが流れる。やったー。名古屋中のあちこちの家庭から歓喜と安堵の声が聞こえた……ような気がする。
しかし、会場の最寄り駅である瑞穂運動場東駅の出口で、僕らを含む大勢の参加者は途方に暮れる。雨が降っていたのである。雨足は強くはないが、小雨と呼ぶほど弱い雨でもない。親切な知り合いに傘を借り、雨の中を僕らは会場へ向かう。そして、会場で待っていたのは、予想通り「中止」の告知だ。今日だけでなく、明日も中止となることが決まったらしい。そりゃ殺生じゃん。この日のために練習してきた子どもが大勢いるってのに。
3年連続で中止ってのは、さすがにひどい。子どもたちが可哀想だ。いわゆる健常児に比べて、障害児たちは「予定されていた行事が中止になること」に対する落胆が大きいのだ。大げさではなく、それが心の傷となることもあり得るだろう。
そもそも、なんで会場が屋外なんだ？ そりゃあ太陽の下で走ったり踊ったりする方が楽しいだろうけど、こういう催しはとにかく「必ず開催できること」を念頭に置いて考えなきゃ。レインボーホールでもナゴヤドームでも愛知県体育館でもいい。どこでもいいから来年からは屋内でやってくれよ。
仕方ないので、息子と一緒にグラウンドを一周してきた。一緒に走った担任の先生は「一周ってけっこうキツいですね」と言ってたけど、僕は平気。これっぽっちも息が切れたりしなかったもんね。ぜいぜい。
