少年トッパ

このカバーアルバムは面白そう。

 とにかくもう、やたらめったらカバーアルバムがリリースされる昨今である。大当たりした徳永英明を筆頭に、山崎まさよし、杏里、佐藤竹善、河口恭吾、夏川りみ、島谷ひとみなどが続々とカバーアルバムを出したし、いわゆるJ-POPコンピレーションも大流行している。カバー業界(というものがあるかどうか知らないけど)は数年前のブームの時以上の活況を呈しているじゃないだろうか。
 我らが甲斐よしひろも来年2月に『10ストーリーズ2』というカバーアルバムを出すわけだが、ま、その話はまた改めて。とりあえず、もうすぐ出るカバーアルバムで面白そうなのを紹介しておきましょ。

『君の唇に色あせぬ言葉を 〜阿久悠作詞集1978』

 人気歌手が自分の持ち歌じゃない曲を歌う、ってのは昔は全然珍しいことじゃなかった。郷ひろみはアルバム『ひろみの旅』で野口五郎の『青いリンゴ』や西城秀樹の『恋する季節』をカバーしていたし、伊丹幸雄はファーストアルバムで郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹の曲を歌っていた(と思う)。
 しかし、そういった作品をここまでズラリと揃えたアルバムは珍しいんじゃないだろうか。なんせ、ピンク・レディーが『どうにもとまらない』や『勝手にしやがれ』、岩崎宏美が『憎みきれないろくでなし』や『ジョニイへの伝言』、森進一が『時の過ぎゆくままに』や『津軽海峡・冬景色』、太川陽介が『嫁に来ないか』、 畑中葉子が『せんせい』、青江三奈が『北の宿から』、アン・ルイスが『絹の靴下』、佐良直美が『あの鐘を鳴らすのはあなた』、桜田淳子が『みずいろの手紙』、石野真子が『さらば涙と言おう』て! まさに「どんだけ〜!」である。こりゃ聴いてみたいわ。
 中でも僕を驚愕させたのは、三善英史の『忍ぶ雨』! くーっ、これって藤正樹の曲だよね? 懐かしすぎ! って書いても覚えてる人は少ないかもしれないけど、藤正樹ってのは、グレーの学生服を着て演歌を歌ってた当時10代の歌手。坊主頭でした。『忍ぶ雨』はかなりヒットしたので、曲を聴けば思い出す人も多いんじゃないかな。♪傘を〜 差す手ぇの か細〜さに〜♪ 思い出した?
 小学6年生の頃の僕は三善英史みたいな声に憧れていたのだが、中学に入って声変わりしたら周りから「藤正樹みたいな声」と散々言われたものである。ああ、懐かしや。三善英史は時々「あの人は今」的な番組で見ることがあるけど、藤正樹は今どうしてるんだろ。

『吉田拓郎トリビュート〜結婚しようよ〜』

 中ノ森BANDが出ている映画『結婚しようよ』はようやく来年2月2日に公開されるわけだが、それに合わせて拓郎トリビュートも同日リリース。真心ブラザーズ、つじあやの、怒髪天、ガガガSP、平川地一丁目など、かなり良い感じの顔ぶれじゃないだろうか。もちろん、中ノ森BANDも参加している。まあ、どの歌い手も拓郎をリアルタイムを聴いていた世代ではないので、往年の拓郎シンパは抵抗を感じるかもしれないけどね。

 このアルバムとは別に、中ノ森BANDのシングル『風になりたい』もリリースされる。これは拓郎の曲というより、川村ゆうこのデビューシングルとして有名(だよね?)。当時、フォーライフの新人第1号として大注目されたもんだった。というか、かなりの逆風が吹いてたような気がするけど、曲そのものはかなりの名作じゃないかな。
 40代未満の人は『風になりたい』と聞くとTHE BOOMの曲を真っ先に思い浮かべるみたいだけど、40代以上は断然こっちだよね? ♪通りすぎる あなたが風なら 私も今すぐ 風になりたい♪

Bank Band『沿志奏逢2』

 何の変哲もないLove Song/ひとつだけ/昨日のNo, 明日のYes/to U/スローバラード/
 遠い叫び/休みの日/イロトリドリノセカイ/煙突のある街/はるまついぶき/
 MR.LONELY/evergreen/歌うたいのバラッド/よく来たね (Bank Band)

 どうも桜井和寿の歌声はいまひとつ僕の心に響かないわけだが、かの名曲『煙突のある街』をカバーするってんなら、ぜひとも聴いてみなきゃ。これはマーシーこと真島昌利が作詞・作曲した曲で真島自身も歌ってるんだけど、先に世に出たのは小山卓治が歌ったもの。1984年リリースのアルバム『ひまわり』に入っていた。尋常じゃない絶望感と毒気、やり場のない憤りが充満した曲である。『ひまわり』は最近リマスター盤が発売されたばかりなので、興味がある方は買って聴くべし!

八反安美果『忘れないわ』

 忘れないわ/山のロザリア/遠くへ行きたい/夏の日の思い出/エリカの花散る時/
 雨が止んだら/黄昏のビギン/夜が明けて/北風/赤坂の夜は更けて/ラストダンスは私に/
 ウナ・セラ・ディ東京/君恋し/サン・トワ・マミー/東京ブルース

 これはもう発売中っすね。最近はカバーアルバムといえば「J-POPの名曲が満載」というノリで、それが僕はどうも好きになれないわけですが、このアルバムはいにしえの昭和歌謡ばかり。いや、別に懐古趣味を礼賛するわけじゃないけどね。そもそも半分以上は僕が物心付く前に流行った曲だし。

加藤いづみ『favorite』

 赤い花 白い花/風をあつめて/悲しみにさよなら/今日までそして明日から/
 恋はみずいろ/この空を飛べたら/地球はメリーゴーランド/中央線/どんなときも。/
 初恋/フレンズ/見上げてごらん夜の星を/守ってあげたい

 どの曲も、かつて一度は誰かにカバーされた曲ばかり。しかし、それが逆に潔さを感じさせるし、どこか「一本スジが通った選曲」という気がする。まあ、楽しみにしてます。

 他に気になるカバーソングは、ガガガSPの『にんげんっていいな』。これは日産セレナのコマーシャルで流れてますね。あと、エレファントカシマシのニューアルバムには『翳りゆく部屋』のカバーが入ってるそうなので、それも楽しみ。
 あ、そうだ。新しい「このカバ」が完成してますので、会員の方はご連絡くださいませ。よろしゅう。
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