『デス・レース』の感想を少しだけ

　うわー、バカバカしい。でも面白い。「んな無茶な」「そんなことしたら身も蓋もないじゃん」の繰り返しであり、ゲーム感覚で登場人物がバタバタ死んでいく非教育的作品であるわけだが、面白いんだから仕方ない。こういう映画ばっかり観ていちゃダメかもしれないけど、こういう映画を観て楽しめるのは幸福なことであると思う。

　それにしても、ジェイソン・ステイサムってのは不思議な役者だ。二枚目ではないのだが、妙に品位が感じられる。作風そのものが品位を保っていた『トランスポーター』シリーズはともかく、一歩間違えればアホくさいだけの『アドレナリン』でも下品な映画になっていなかった（よね？）のには、ステイサムが醸し出す品位が大きく影響していたのではないか。そんじょそこらのハゲとはモノが違うのである。
　それと、グラマーなヒロインを演じるナタリー・マルティネスも、なかなか知的なイメージ。髪が黒いこともあって、ちょっと仲間由紀恵に似ている。今後の活躍な楽しみな女優さんが、また一人増えました。

　この映画、最後に「絶対に真似しないでください」というようなテロップが出る。観客の大半は心の中で「できねーよ！」と叫ぶだろう。いっそのこと、みんなで一斉に大声で叫んだら楽しいかも。

　そんなわけで、浮き世の悩み事を忘れて束の間でもスカッとしたい方には断然オススメ。無心で楽しむべし！

お気に入り度　★★★★★★★★☆☆

※『デス・レース』公式サイト→http://www.deathrace.jp/