銀行のバックオフィス業務(営業店舗の窓口の裏側で行われる業務)はいにしえのしがらみのせいで紙が主体で回されており、今時のITの常識からするとまったくもって前時代的・前世紀的である。 なぜ、営業窓口の業務システムをリプレイスしてデジタル化しないのか? というところであるが、コストもかかるし、それがもたらす画期的な効果もないからそのままだったのだろう。 これは役所の窓口業務でも同じである。
最近、銀行は営業店舗の(運営)コスト削減に迫られた関係でこのバックオフィス業務を何とかしようと考えているようだ。 そのキー要素はRPAと複数銀行による共同利用センターによる事務処理集約。
相変わらず、抜本的にデジタル化するという発想にはならず、紙の帳票のスタイルは維持しつつ、RPAで半自動で「アナログ⇒デジタル変換」をしてデータを利活用しやすい形にし、同時にそれに係わる人員を皆で持ち寄って共同利用センターを作ることで1銀行あたりの事務員コストを圧縮しようという発想だ。
大抵の銀行は自行でバックオフィス業務を行うセンターを持っているので、その占有式を共有にすればシェアリングエコノミー効果で施設、人員、運営コストが下がるということになる。 各銀行単位で事務処理の内容が違うので10銀行で共同センターを作ってもコスト=1/10とはならない。 しかし減るのは間違いない。
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バックオフィス業務プロバイダーが現れるか?
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これは、クラウドサービスやカーシェアリング、シェアオフィスと同じ発想だ。 では、この協働利用センターをどこかの企業がビジネスとして提供する。というのはアリだろうか????
クラウドではAWS、Microsoft、Googleがそれをやっている。
同じことができるだろうか? やれるとしたら誰が?
個人的推論だが、やるとしたら、どこかの銀行がやるだろう。
おそらく大手都市銀行のどこかが、子会社かなにかを作って。
おそらく大手都市銀行のどこかが、子会社かなにかを作って。
銀行以外(例えばIT系企業)がやるか?というと、あまりそれはないだろうと思う。
理由は以下の通りだ。
・銀行に限らないが事務処理は組織毎の流儀の差が大きく共通化が難しい
ゆえに多様性が高く、数を集めてもコスト低減効果が低い(おいしくない)
・紙ベースの業務フローなのでIT屋が得意とするデジタル世界での自動処理
の効果が極めて限定的(おいしくない)
・業務の独特な知識が必要で門外漢であるIT企業は習得コストが必要。
習得したそのスキルが役立つかというとほかの業界では使えない(おいしくない)
・銀行自身が余剰人材を抱えており、その使い道を模索しているため
外注に出すといままでの人員が遊休化する。配転も難しい。(迷惑)
ゆえに多様性が高く、数を集めてもコスト低減効果が低い(おいしくない)
・紙ベースの業務フローなのでIT屋が得意とするデジタル世界での自動処理
の効果が極めて限定的(おいしくない)
・業務の独特な知識が必要で門外漢であるIT企業は習得コストが必要。
習得したそのスキルが役立つかというとほかの業界では使えない(おいしくない)
・銀行自身が余剰人材を抱えており、その使い道を模索しているため
外注に出すといままでの人員が遊休化する。配転も難しい。(迷惑)
このため、銀行の希望としては
・設備的なものは共同センターの利用でコストを下げたい
・運営は余っている人員の持ち寄りで何とかしたい
ということになるのだろう。
・設備的なものは共同センターの利用でコストを下げたい
・運営は余っている人員の持ち寄りで何とかしたい
ということになるのだろう。
つまりは、プロバイダーにはうまみが少なく、仮にやってもユーザが乗らない。
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バックオフィス業務プロバイダーの想定される姿
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となると、
大手都市銀行や中核地方銀行が既存のバックオフィスセンターを共同利用センター化して
参加者から料金を徴収する共同事務センター会社を作る。
バックオフィス業務プロバイダーの想定される姿
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となると、
大手都市銀行や中核地方銀行が既存のバックオフィスセンターを共同利用センター化して
参加者から料金を徴収する共同事務センター会社を作る。
実際の事務業務はその会社に各銀行が行員を出向させるかなにかで派遣して業務を行う。
最初は出身行のものだけ対象に行うのかもしれないが、順次クロスワークで他行の業務を
実施できるようにする。
最初は出身行のものだけ対象に行うのかもしれないが、順次クロスワークで他行の業務を
実施できるようにする。
共同事務センター会社を提供する銀行にとってはサイドビジネスになるし、利用する側から見れば事務員を余剰人員化させなくても済むというWinWinモデルになるかもしれない。
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