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Swing de Rua~AXE、Pagode Baianoこそがブラジル音楽だ!・・か?~

ブラジル音楽の主流?AXE的なものについて。パゴーヂ、セルタネージョ、ファンキも!それとたまに関係のないネタも。

Art Popular(アルチ・ポプラール)~Sem Abuso Ao Vivo~

2005-10-09 | サンバとパゴーヂ

Art=Art。Popular=Popular。英語の意味がそのまま使えます。ただし読み方はポルゴ訛りでアルチ・ポプラール。

90年代を代表する、ポップなパゴーヂを歌うグループとして成功を収めています。と言いつつも自分がこの人達の曲を本格的に聞き始めたのはほんの3年ぐらい前なんですけどね。もっと前から知っておきたかった!

パゴーヂとはサンバの一つの形体で、楽器編成としては弦楽器がカバキーニョバンジョー、ギターなど。そこへ打楽器のタンタンヘピキ・ジ・マオンパンデイロなどが加わる・・といった感じです。これ以外にもいろいろ味付けできるみたいですけど。最近やたらとこの中の一つ、カバキーニョに挑戦したいという思いが強くなってきてヤバイです。でもなかなか日本じゃ種類も少ないし、手にはいらないんですよねえ。

土曜日のお昼(日曜じゃないのが日本人としてはポイント。だって次の日仕事したくないんだもん)にどこからともなく近所の人達が楽器を持って現れ、即興のサンバ演奏が始まる・・・そんな気取らない雰囲気のなかで生まれたスタイルがパゴーヂらしいです。そういえばサンパウロでもそのような光景を何度かみたことがあるような。本場はやっぱりリオだと思いますが。

元祖パゴーヂといえば、やはり70年代後半から台頭してきたFundo de Quintal(フンド・ジ・キンタル)。90年代にはいると、このパゴーヂをより大衆受けしやすくしたポップ&バラード調のパゴーヂを演奏するグループが次々とでてきます。アルチ・ポプラールはその代表選手ですね。

サンパウロ発のアルチ・ポプラールはドロ甘い恋心を歌う、ムイトホマンチコなパゴーヂグループとして都会に生きる若者の心をとらえたのではないでしょうか。サンバの基本はしっかり押さえつつも、その発展形として次々と新しい試みにチャンレンジしています。サンバをゴスペルやソウル、セルタネージョ、バイーアスタイルなどと合体させて、新しい「サンバポップ」なるジャンルを開拓したのが彼らでしょう。

Samba Pop Brasil2という作品ではオルドゥンばりのサンバ・ヘギ(レゲエ)調の曲やアメリカの教会で録音したゴスペル・サンバ、Take6やBilly Paulをゲストに迎えての作品も収録されています。偉そうですが、このSamba Pop Brasil2はあまりブラジル音楽に馴染みのない洋楽好きの人達にも、ブラジル音楽を聞き始めるとっかかりとして、かなりおすすめしたいです。曲もすべてはずれなし!音楽自体にそれほど造詣が深くないボクでもおすすめできるのですから・・間違いなし。

上の画像の~
Sem Abuso Ao Vivo~は彼等の最新ライブ音源です。Falando Segredo、Eternamente Felizなどなど、キャッチー&ヒット曲盛りだくさん。こちらもかなりおすすめ。
メンバーは
Leandro Lehart :ボーカル&カバコ&ギター
Marcinho    :ボーカル
Denilson        :ヘボロ
Evandro     :ヘピキ・ジ・マオン                 
Malli      :タンタン
Tcharlinho   :
パンデイロ

レアンドロくん以外はみんな打楽器!というのが日本のバンドにはなかなかない編成です。サポートメンバーがいないと成り立ちません。レアンドロくんはちょっとぽっちゃり気味なのですが、相当なやり手のようでボーカル、カバコ、ギター、曲づくりとこのバンドのすべてを一人で支えているという印象を受けます。

本ライブ版はDVDでも発売されているのですが、Tcharlinhoのパンデイロの叩き方がくねくねしていて笑えます。また相変わらずレアンドロが大活躍なのですが、もう一人のボーカルのMarcinhoが自分の歌うパートじゃない時に、手持ち無沙汰を紛らわすかのようにマイクのついてない(ほとんど音聞こえない)パンデイロを仕方なく叩いてる姿が切なくていいです。
またDVD版は「Amigos」として、彼らと関係の深いグルーポ・センササオンなどのバンドの演奏が前座的な扱いで収録されているのもお得感があってさらにgood!

←レアンドロはソロ活動もしているみたいですね。

六本木のアカラジェ・トロピカーナでも彼らのSai da Frente、E no Pagode、Agamamouなどの曲が昔は頻繁ににかかっていました。

これからもこういうポップ・パゴーヂスタイルなバンドって増えるんでしょうね。
でもArt Popularが一番!いまのところ。


So pra Contrariar(ソ・プラ・コントラリアール)

2005-09-27 | サンバとパゴーヂ

ブラジル研修時、まだサンパウロについて2週間ぐらいの頃でしょうか。当時テレビでブラジルに来たばかりの僕の五感を刺激する、気になる曲のPVが盛んに流れていました。その曲の名はズバリSai da Minha Aba(サイ・ダ・ミーニャ・アバ)!なんだこのノリノリのサンバは?でもちょっとサンバっぽくない部分もあるぞ!これぞ日本のHMVには売ってないブラジル音楽だ!ということで、曲名はPVの終わりになんとか画面上で確認できたんですけど、その下に書いてあるはずのグループ名がでていませんでした。何度みてもそんな感じ・・・

仕方なくサンパウロのCD屋に行って店員に「サイ・ダ・ミーニャ・アバは誰が歌ってんだか知らんけど、とにかくその人のCDください!」とお願いしました。僕の下手くそなポルトガル語に嫌な顔をしつつも店員はすぐ「あ~!SPCだね!」とすぐにわかってくれたようで、もってきてくれたのが写真上のCDです。悔しいことに、その時はじめてSo pra Contrariar(ソ・プラ・コントラリリアール)という単語の羅列がグループ名だとわかりました。「その名前だったら何回もテレビ画面でみてたよ・・」って思ったのですが、まさかあれがグループ名だったとは!

そんなわけでSo pra Contrariar(以下SPC)はブラジルで買った初のパゴージアルバムとなり個人的にはかなり思い入れが深いです。

パゴージといってもかなりポップでホマンチコな現代的なバラードパゴージですね・・でもちゃんとサンバの楽器を使っているし、基本はやっぱりサンバ&パゴージですね。フンドのような王道パゴージではないので、ブラジル音楽を聞いたことがない日本人にも比較的聞きやすいんじゃないでしょか?

SPCの売りは何と言ってもボーカルのアレシャンドリ・ピレスのあま~い声じゃないでしょうか。この人すっごい歌うまいです。ワンフレーズ聞けば「あ!アレシャンドリの声だ!」ってすぐにわかります。顔もいいし(アルバムジャケで各自判断してください)、ブラジルではもはや国民的人気を誇っていますね。ただ僕のブラジル研修時、アレシャンドリは車で人身事故をおこしてしまい、少しの間テレビで話題になっていたのが気になりました。被害者の方ももちろんお気の毒でしたが、アレシャンドリも有名人であるがうえに余計な報道ばかりされて少しかわいそうでした。

SPCの結成は89年ですが、97年の「So pra Contrariar」(写真左下)は300万枚以上を売り上げ、彼らの地位を不動のものにしました。300万枚は当時のブラジル音楽界のアルバムセールス新記録だったようです。

その後も数々のヒットを飛ばしましたがボーカルのアレシャンドリがカリスマすぎるため02年に脱退し、同じバンドにいる弟のフェルナンド・ピレスくん後任ボーカルになります。この弟、アレシャンドリとほとんど見分けがつきません。声も顔も。強いて言えば少し声が高いのと、鼻の下にほくろがあることかな?

その後ソロとなったアレシャンドリは、ラテンアメリカのみならず世界規模での活躍をすることとなります。

SPC自体も、日本ではまだまだマイナーですがヨーロッパ、南米を中心に世界に広くその存在を知られるバンドになりました。

アレシャンドリの抜けたSPCは03年に「Produto Nacional」(写真右下)をリリースしましたが、以前よりもサンバ色が強くなったうように感じます。全体的にヒピキ・ジ・マオンとかのサンバ楽器の音が目立つつくりになってます。基本にかえろうということでしょか?とてもよい考えだと思います。このアルバムの1番目の曲「Minha Fantasia」はおすすめ!でもこれ、レニー・クラヴィッツのサンババージョンだということを最近知りました。残念・・・

代表曲
・Sai da Minha Aba・Mineirinho(ミネイリーニョ)←Nao tem como Duvidar~♪といえばこれ!・Depois do Prazer(デポイス・ド・プラゼール)・Baianeiro(バイアネイロ)他・・・

90点!!


Grupo Revelacao(グルーポ・ヘヴェラサオン)~Ao vivo no OLimpo~

2005-09-24 | サンバとパゴーヂ


僕が一番初めにはまったブラジル音楽はキャッチーなアシェーばかり・・・とにかく踊れる曲ばかりを「よい曲」と決めつけていました。しかし!このヘヴェラサオンによってようやくアシェー以外のジャンルの音楽も聴くようになったといえます。バカの一つおぼえが少し緩和されました。

俗に言うポップなパゴーヂでしょうか。

・メインヴォーカル&カバキーニョシャンジ
・ヴォーカル&バンジョーマウロジュニオール
・ヴォーカル&ギター:ベット・リマ・ヴォーカル&ヘコヘコ?(この楽器のことよく知りません):アルトゥール
・ヴォーカル(ほとんど声聞こえない)&タンタンホジェーリオ
・ヴォーカル(ほんとに歌ってんの?)&パンデイロセルジオ

リオやサンパウロの街中で、ブラーマなんかのビールがおいてある、プラスチック製の机と椅子を囲んでパゴーヂしてるお兄ちゃん達って感じです(最近ブラジル行ったことないので実際にそんな光景が頻繁にみられるかは知りませんがあくまでイメージです)。

彼ら生み出す音は非常に完成度が高い気がするし(これってシャンジがつくってるんでしょうか?)、躍動感もあり、みんなが口ずさみやすいメロディーなので、いかにもブラジルの若い人達が好みそうな感じですね。ボクの場合も気づくといつのまにかヘヴェラサオンの曲を人目もはばからず歌っている、という怪しい状況がよくあります。

昔ながらのパゴーヂを愛しているフンドファンの人達からはバカにされちゃうかもしれませんが、パゴーヂを聴き始めるきっかけとしてはへヴェラサオンは最高だと思いました。ボクはまず、ヘヴェラサオンによって他のパゴーヂってどうなんだろう?って思うようになり、その後初めてフンドを聴き、昔ながらのパゴーヂのよさもわかってきたような気がします。基本的には同じものですから・・

ヴォーカルのシャンジのいとも簡単にカバキーニョを弾きまくりながら歌いこなしてしまう姿にはカリスマ性さえ感じてしまいます。やっぱブラジル人はリズム感が違いますね。他にももっとすごい人はたくさんいるんだろうけど、彼、すごいです(カバコもってすらいない僕がいうのもなんですが)。

1.Preciso de amarからかなりやられてしまいましたが、2.Coracao Radianteはお客さんとの掛け合いが最高です(ブラジル人ってライブだと必ず一緒にすべての歌詞を歌ってるっていうイメージがありますよね)。その他もほぼベスト盤といってよいでしょう。13.Batucadaもかっこいいです。