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Swing de Rua~AXE、Pagode Baianoこそがブラジル音楽だ!・・か?~

ブラジル音楽の主流?AXE的なものについて。パゴーヂ、セルタネージョ、ファンキも!それとたまに関係のないネタも。

Guig Ghetto

2010-04-18 | Axe(アシェー)

                              Banda Guig Ghetto: DVD Naturalmente


やはり、ブラジルでは今パゴーヂ・バイアーノが熱いのでしょうか?
Guig GhettoまでがDVDをリリースする時代になってしまったとは。

この事実に密かに歓喜し、北海道という普段ブラジル音楽とはまるで縁がない土地
でひとりGuig Ghettoのライブを鑑賞してニンマリ・・そんなキモい自分がいます。

2004年結成の彼らですが、当初は地元バイーアで局地的なヒット作を乱発し、
あくまでもローカルスターの域をでない様相でした。
しかし、純粋なパゴーヂ・バイアーノスタイルを貫いたことと、ボーカルをはじめ
メンバーの入れ替わりがほとんどないことが功を奏したのか、特に06年以降は
恒例のAXE BAHIAシリーズやAXE BANDなどでもセレクトされ、Psirico、Parangole
に続き、パゴーヂ・バイアーノ第3世代に名乗りをあげています。

メインはボーカルのFalcaoになるわけですが、僕が以前から思っているとおり
品のない、もしくは親父くさいHarmoniaのシャンジといったキャラでしょうか?

音のスタイルとしてはホーン隊とカバコ隊長が牽引しているという点でかなり
好きな部類にはいるのですが、Falcaoの北米ナイズされてるんだけど今ひとつ
似合ってないファッションと、時折醸し出すオヤジくさいしぐさと表情がイマイチな
感じです。

Cabeca de Gelo、Trifun、Arrastao de Ghettoなどの往年の名曲から
最新リリースまで、内容としては申し分ありません。

でもぶっ続けでみると必ず眠くなります。
パゴーヂ・バイアーノの単調さを改めて実感するのでした・・

僕は2、3曲に分けて日を分けて鑑賞するという必殺技を開発しました。

そうすれば眠ることはない・・

1.Pressão
2.Boca de 09
3.Vou Levando
4.Chega pra Debaixo
5.Batidão do Guig
6.Já Foi
7.Cabeça de Gelo
8.Linguagem de Ghetto
9.Bateu na Lata
10.Bate de Frente
11.Primeiro Beijo
12.Sendo Sincero
13.Ponha
14.Atrás do Guig


あい! Delicia ~Parangole~

2010-03-22 | Axe(アシェー)


この3連休の夜中のおともはパランゴレぇ~。
デビュー10周年となった昨年リリースのDVDを食い入るよう鑑賞して
しまいました。そして食ってしまいました。

大きくはAXE。
さらに細分化するとパゴーヂ・バイアーノに分類されるのでしょうが、
このバンドのスタイルからはブロコ・アフロやサンバ・ヘギ的な何か。
もしくはカンドンブレだかORIXAだかなんだか(あってるか?よく
わかりませんが)、の少し謎めいた要素も奥底に垣間見てしまうのは
僕だけでしょうか?
Fantasmao的な・・と言いますか。

僕だけでしょうか?とか言っておきながら、日本でのこのParangoleの
話題なんてしてる人いないかな~。
そこらへんの話を共有できる人がいない孤独感も日々感じています。

そんなことはどうでもいいとして、まずこの07年あたりから加入した
フレッシュなVOCALのLeo Santanaくんはなかなかいいですね。
無駄に筋肉つきすぎ感はありますが、太くて筋の通った声とねちっこい
歌い方はParangoleのスタイルにベストマッチ。
Pagod'artのFravinhoに似てるけど彼よりは声量があって顔もいい。
前VocalのBambamと同じような路線だけど、Bambamは少し声が
乾きすぎてて、顔も強面すぎるの何でも過ぎる過ぎるでしたから・・

バンドの創始者で少し前までMC的な役割を果たしてきたNenel
もゲスト参加。

しかし!Nenelを見ていると、少しパゴーヂ・バイアーノとは違うな・・
と思ってしまいます。だみ声のラップみたいなアレンジは単なるお遊び
とみるのか、逆にそこは深いとみるのか・・
メンバーの民族衣装的な装いも然り。これがそもそもParangoleの生き血に
を混乱させている。
カバコではなくエレキギターを多様し、キーボードの微妙なヘニョヘニョ
電子音が散りばめられているあたり、純粋なパゴーヂ・バイアーノと呼ぶ
には少し違和感があるような気がします。
でもこの訳のわからない要素が、ブラジル音楽について理屈をこねくり
回して、バイーアのパゴーヂはアホだ!とかあんなの文化的価値がない!
意味がない!とおっしゃる方々を振り向かせる調度よいスパイスになるかもね・・

それにしても。あのマイナーなイメージのあったParangoleがこんなDVD
をリリース時代になったんだな~と思いました。
ヴォーカル変えて無理してんのかな?
それか・・90年代後半からのAXEブームが10年以上を経てムーブメント
に変わりつつあるのか?
その辺は現地にいっていないのでなんともわかりかねます・・・

Parangole DVD 2008 - Sou Parangoleiro - Bahia


これが今熱いらしい?!開始45秒ぐらいまではがっかりしましたが、その後はこてこてのパゴーヂ・バイアーノだわ・・
Parangole - Rebolation - clipe oficial completo


1.Sou Parangoleiro
2.Sou Favela
3.Larga o Doce Pivete
4.Pout-Pourri - Sacode a Laje / Delícia / Baculejo.
5.Tchanco Tchanco - Samba de Roda
6.Balaco Baco
7.Pagodão
8.Todo Mundo Gosta
9.Todinha
10.Problemática
11.É Parangolé
12.A Santa
13.Anjo Parangoleiro
14.Mamoeiro
15.Bonde de Deus
16.Só as Cabeças
17.Fera Ferida - Quem Sou Eu - Part. Esp.: Nenel
18.Pout-Pourri - Swing do Cavaco / Timanamanô / ...
19.Pout-Pourri - Pica-Pau / Swingão
20.Pipoca
21.Alegria Tá no Ar
22.Desce a Madeira
23.Tá de Boa


Batom na Cueca

2009-10-27 | Axe(アシェー)


パゴーヂだとかアイスホッケーの話題を書く前に、自分本来の使命で
あるAXE道を貫かねばならないと感じる今日この頃です。

自分がパゴーヂを語るには20年早い。

ということでこのBatom na Cuecaはムジカ・モデルナでも紹介した
ブラジリア出身の「アシェー」な方々。
アシェーとカナカタ表記できてしまう時点で、それほどおもしろいバンド
でもないということがわかってもらえるはずです。

バンドの意味はジャケの右上を見れば一目瞭然。

1曲目のAmor Perfeitoによって古きよきBabado Novoを思い出す
はず・・

1.Amor Perfeito 

2.
Arrasta 

3.
Amor De Cara 

4.
Me Beija 

5.
Agita 

6.
Me Chama De Amor 

7.
Voa Beija-Flor 

8.
Me Carrega 

9.
Estrela Cadente 

10.
Timbatom 

11.
Eu Vou Fazer Auê 

12.
Em Cima Do Trio 

13.
Vai Pro Chão 


Arlindo Cruz - Sera que e Amor?

2009-10-03 | Axe(アシェー)

Arlindo Cruz - Sera que e Amor?

2016年の夏季オリンピック開催地がリオ・デ・ジャナイロに決定!

おめでとう!

これから本大会の開催まで、これまで紹介されなかった様々な角度から捉えた
ブラジルの姿が日本のメディアでも取り上げられるのですね。

Arlindo CruzのSera que e Amor?
泣けますね。
周りには同じような体系のExaltasambaペリカオウンや
ドゥドゥ・ノブリ、ベッチ・カルバーリョらの姿も。

こんなパゴーヂの風景もどんどん世界中に配信してほしいものです。
それにしても、どうしてブラジル人ってテーブルの上にビール置いて
パゴーヂするのが大好きなんだろう・・?
こんな風に休日を過ごせたら最高だね。



 


まさかのRomantico~Harmonia do Samba~

2009-08-28 | Axe(アシェー)


Harmonia9作目はRomanticoというちょっと変わった趣向の作品に
仕上がりました。

2008年9月サンパウロでのAO VIVO。

アルモニアのムジカ・ムイト・ムイト・ホマンチコ路線はお気楽パゴーヂ
バイアーノアルバムやライブのなかで絶妙なスパイスとして散りばめ
られてきましたが、今回はそんなラブソングばかりをチョイスしたライブ
CDとDVDをリリースするというHarmonia史上初の試み。

Harmonia=ヴォーカルのシャンジというのが当たり前のイメージで
すが、彼の魅力を引き出すのはノリノリの腰フリ系楽曲だけでは
ありません。にっこり微笑みながら、甘い声で歌い上げるという
ベタな手法がこれまた女子の悲鳴を独り占めにするのです。

僕は当然のことながらCDもDVDも購入しましたが、これはDVDも絶対に
買うべきです。
インタビューで各メンバーの声が聞けるのがいい。
また、このような思い切った企画にたいしては当初
「本当に受け入れられるのか?成功するのか?」という疑念があったそうです。
でも、そこはやはりHarmoniaファミリー。リハーサルを開始すれば
さすが10代の頃からの仲間うちバンドだけあって結束力が違います。
そんなみんなで新しいことを楽しんでやっちゃおう!という家族のような
雰囲気が観客を楽しい気分にさせ、見ている者の心をつかんでしまうのですね。
Harmonia e uma familia!
こんなシャンジの言葉には感動を覚えますね。

収録されている曲の80%がこれまで何らかのアルバムに収められてる
ものですが、それぞれ違ったアレンジが加えられているので楽しめること
間違いなし。

また、コーラス隊の声がゴスペルとかR&B調な方々での
編成でおしゃれ
に仕上がっており、ヴァイオリンなどのまさかのストリングス隊も・・

残念なのは、いつものことながらあまりにカリスマヴォーカル
Xanddyばかりを写していることと、Xanddyの髪型と服装ですね・・
ファッションはブラジルらしくていいな・・と思えるにしても、ホーン隊
のクレイトンくんやパーカッション隊のマルチンスくんなどをもっと
クローズアップしてほしかったです。

ゲストはなんとExaltasamba。
このご時世ありがちですが。
HarmoniaとExaltaの交流は以外にも親密で、XanddyはExaltasambaから
その音楽性に関して大きな影響を受けた模様。
同じPagodeですから。
他のゲストは妊娠中?のクラウジア・レイチなど。

でもこのDVD、いいんだけどみてるとすぐ眠くなるんだよね。
なぜならRomanticoだから・・
睡眠不足の方はぜひどうぞ!

Harmonia do Samba & Exaltasamba- Oceano (Oficial)


  1. Meu Jeito 
  2. Momentos 
  3. Nem Mais uma Dúvida 
  4. Oceano 
  5. Blue Jeans 
  6. Batom Vermelho 
  7. Uma Chance 
  8. Eu Prometo 
  9. Primeiro Beijo 
  10. Parece Criança/Jura de Amor 
  11. Pessoa Ideal 
  12. Grande é o Senhor (Great Is the Lord) 
  13. Excesso de Amor 
  14. Vidrado em Você 
  15. Tá Bom

                 


Axe クラシック(Patrulha do Samba)

2009-02-15 | Axe(アシェー)

                          


今日はマニアックにいきます。

このブログのタイトルはそう、「Swing de Rua」。
ついにタイトルの由来となる作品に触れるときがやってきました。

ここに見に来てくれる人すら全く興味ないと思いますが、
Patrulha do Sambaの歴史にその名を刻む
名曲「Swing de Rua」は僕がAXEに心を持っていかれた決定的な作品。

99年リリースのAo Vivo(実際にはライブ風アルバム?)に収録されています。
もはや廃盤となっているのではないでしょうか。
3年前ブラジルに行ったときにサンパウロの中古屋でみつけましたが、
実は日本のブラジルショップなんかにいくと、過去の作品棚のなかに
今でも売れ残り的な扱いで陳列さていたりします。

Swing de Ruaはパゴーヂバイアーノでありつつ、バイーア限定的な
地域性が表に出すぎていないポップで上品なノリ。
パーカッションやカバコの主張によってトリオエレトリコ的な退屈さを
排除している、今となってはと~ても貴重な存在となった名曲です。

僕がちょうどブラジルに行った10年前は
Voce estica braco
Estica o outro tambem
Passando a mao na cabecinha
Pra cima meu bem♪
のフレーズを聴けばお馴染みの振りで踊る人が続発していました。
とにかく繰返しがしつこい。
しかしこの反復作用の効果性認められることがヒットする曲の条件でしょう。

先代Patrulhaはこれと同じようなテイストのものが多いのですが、
今のボーカル交代後の布陣は完全にこてこてのパゴーヂ・バイアーノ化
してしまいました。

このように、
 2000年代初頭のAXEブームの盛り上がりが落ち着く
→引き続きAXEが隆盛を誇るのはバイーアのみ
→小物バンドが局部的なファンのみを対象にマニアックな演奏を繰り返す
→さらに大都市圏や海外の人がとっつき難くなる・・・

といった悪循環の波に飲み込まれてしまったのがこのPatrulhaではないかと
思っております。
ま、大して重要なことではないけどね・・

Swing de Rua がどんなものなのか、一応載せておこう(音声のみ)
Patrulha do Samba - 1. Swing de Rua


1.Swing de Rua
2.Rala no Pezinho
3.Tudo Durinho
4.Brincando de Medico
5.Swingue da Patrulha
6.Negra Dourada
7.No Gingando Dela
8.Treme Treme
9.Morena Linda
10.O Samba
11.Treme as Cadeiras
12.Sensacao
13.A daca do Sensual
14.Pirracenta
         


AXE列伝その1~Na boquinha da Garrafa~

2009-01-16 | Axe(アシェー)

E O Tchan - Na boquinha da Garrafa



ブラジル音楽の生ける伝説であり国家指定無形文化財。
03年のE o Tchanライブより。

Na Boquinha da Garrafaの舞いと勝手に命名しました。
Boquinha=口  Garrafa=ビン、ボトル
ボトルの口をあるものに見立てたとってもアホなダンスです。
Bottle Dance!

オリジナルはCompanhia do Pagode。
彼らのビデオクリップは下品すぎてここには掲載できません・・。
もう13年も前の曲ですが、未だにブラジルではあらゆる場面で
この曲が顔を出します。
もはやブラジル文化として根付いています。

5歳の子供からお年寄りまで、こんな一見下品なダンスを明るく
踊れちゃう。素晴らしい国ですね。

日本のボサノバ、MPBファンの方々に
「本当のブラジル音楽はこれです!」と声を大にして言いたいものです。
ちょっと対極すぎるか・・


アラ・ケトゥって知ってます?

2008-12-07 | Axe(アシェー)

                                  

このブログを始めてもう3年にもなるのに、大御所Araketu(アラケトゥ)を未だに載せてなかったとは・・

まちがっても「アラケツ」と発音してはいけません。素人はまずここでつまずきます。僕もそんな素人の一人で、未だに「アラケツ、アラケツ」言ってしまいますが、彼らは
「アラ・ケトゥ」です。
「アラ・ケトゥ」とはヨルバ語で「ケトゥの人々」という意味。ここでも「ケツの人々」と言わないように注意が必要です。

バイーア州のサルバドールでAraketuというバンドの元となるブロッコが活動を開始したのが1980年頃。現在活動しているバンドのなかでは相当古い部類にはいりますね。

そこからボーカルのタタウを中心としたアラ・ケトゥカンパニーが発足。90年代のAxeブームに乗っかり、ちゃっかり一時代を気づきました。

このライブ盤は02年に録音されたもので、それまでの彼らのキャリアの集大成。
Araketuのヒット曲がすべて詰まっています。僕は当時でた瞬間にCDもDVDも何も考えずに反射的にお買い上げしてしまいました。

これ以降も地道に活動していましたが、昨年ボーカルのタタウがついに脱退・・・
Araketuのボーカルタタウというよりは、タタウ=Araketuというイメージがあっただけに、今後の彼らに要注目です。

ブロコ・アフロの真骨頂である迫力あるパーカッションに、ホーンセクションやシンセサイザーを加えたバンドのはしりであるAraketu。
そこらへんのトリオ・エレトリコやお気楽パゴーヂ・バイアーノとは比較にならない重みがあるのは確かです。タタウの野太くも情熱的でドラマティックなボーカルは他の追随を許さず、Axeとは異次元のジャンルを独自に形成しているかのような表現力は必見です。

つい先日最近のAraketuのニュースをみたのですが、いつのまにか女性ボーカルになってるみたい・・・

正直言って今となってはあんまり好きでもないんだよね。「アラ・ケトゥ」。
でも僕がAxeにはまりだしたころは「アラケツいや、アラ・ケトゥこそがAXEや!!」と、それはそれで若気の至りでした。

ところが先日、ふと何の気なにしにDVDを見返したのですが、改めてAraketuの偉大さを再認識しました。今ではチンピラのような軽いノリのパゴーヂ・バイアーノバンドが乱立していますが、彼らにはAraketuのような基礎がない。単なる他人の真似事でノリがよければいいという世界。
ま、それはそれでノリノリでいいんだけど、こんな偉大なる先輩の功績は忘れちゃいかんな・・と反省するのでした。
「何事も先達はあらまほしきことなり」por吉田兼好

イベッチと競演したAviza Vizinha。
これぞまさしくラテンのノリとは異なるブラジルのノリ!

Ivete Sangalo e Araketu - Vixe Maria (Avisa a Vizinha)



  1. Pra Levantar Poeira
  2. Volta
  3. Terraço De Deus
  4. Dança Do Vampiro
  5. Fuzarca (Barata)
  6. Cobertor
  7. Festa Popular
  8. Toma Lá , Da Cá
  9. Avisa A Vizinha (Vixe Maria)
  10. Depois Que O Ilê Passar / Protesto Do Olodum / Gue
  11. Amantes
  12. O Erê
  13. Sonho Real
  14. Ara Ketu Bom Demais

07年Harmoniaの大傑作

2008-10-15 | Axe(アシェー)

Esse Som Vai Te Levar - Ao Vivo
 Harmonia do Sambaのキャリア第2章がいよいよ本格始動しました。通算8作目となった前作のスタジオ盤「Esse som vai te levar」は仕切り直しの意欲作。そして昨年リリースされたのが、そのほとんどの曲を収録したライブ盤、この「Esse som vai te levar ~Ao vivo~」。 
 
 これでデビュー以来、99年~07年まで毎年リリースしていることになります。つい先日も「Harmonia Romantico」と題したDVDを収録したばかりとあって、今年もリリースは確実な模様。もはやPagode Baiano代表としてラテン・グラミーにノミネートされてもよいほどの品格と存在感を醸し出しています。バイーアのAXE、ひいてはPagode Baianoが一部の若者のみに指示されるローカルミュージックではないことを証明するには十分なパフォーマンスです。

 このアルバムを購入してからは朝も昼も晩もHarmoniaが頭から抜けず、飽きるほど聴きすぎた感があります。でも聴くたびに新しい発見の連続で全く飽きません。歌詞の単語は少なく、コードもワンパターンなPagode Baianoですが、Harmoniaの場合はベースのBimbaを中心としたメンバーの曲作りが秀でており、単細胞さを感じさせることがありません。同じPagode Baianoでも海パンとビーサンでは入り込めない領域、即ち思わず「ジャケット着用でお願いします!」と言われているかのような、ドレスコード付きのAXEを聴かせてくれます。紳士的で上品なPagode Baiano、そんなことができるのはHarmonia do Samba、彼らだけです。

 特にこの新しいキーワード「Esse som vai te levar」をから始まる一連の流れのなかでは、泥臭い音作りは感じられません。Pagode Baianoのエッセンスは色濃く残しつつも、どこか都会的で洗練された曲の数々は、もうすぐ30歳に到達するヴォーカルのシャンジが本物の大人へと脱皮していく様の投影であるかのようです。

 デコ do Cavacoのサイレント・カヴァキーニョのようなペコペコ音は少し気になります。彼は05年あたりからこのサイレントを好んで使用しています。本来カヴァキーニョがもつ音の存在感が薄まってしまっていますが、今のHarmoniaの音楽にはマッチしているのでしょう。ライトなホッキ・セザールのドラムスとの相性もよいようです。

ビンバのベースの安定感は今作で特に際立っています。ばらばらになりがちな13人の大所帯を要所で引き締めています。

遊び心いっぱいのクレイトンとジュニオール・マセイオのホーンコンビは、Harmoniaの歴史を考えると他に代わりがいません。

当然のことながら、前作のアルバム収録曲は多少シャンジ流にアレンジしてパフォーマンスしています。そのなかで今回初披露の新曲たちは特に光ってます。

1.Swing Sangue Bom
幕開けはバイーア・ダンスシーンでも注目のこの曲から。出だしのコーラスはお得意のささやきヴォイスで。Esse som vai te levarのコンセプトナンバー。

2.Samba Merengue
前作のフラッグシップ曲。もちろんランバエアロビカあり。メレンゲっていうのは若干いけてません・・カヴァコのコードはGmとD7のみ。ラッキー!

3.Batida de Rua
今作初登場。新しいHarmoniaスタイルを象徴するマイナー調の曲のひとつ。かなり好きです。ポルトセグーロでももちろん踊られています。

4.Segura a Peteca
これもEsse som te vai levarの主力ナンバー。♪Com alegria a massa se contagirのフレーズは音もかなり説得力あります。聴かんとわからんなあ・・G→Em→Am→D7のコード進行がメインのPagode Baianoにおいては典型的なつくりです。 

5.Mara de Gente
これもEsse som vai te levaraからですが、今作のなかではかなり地味な部類に入ります。ホーンセクションとビンバのベースかけ合いが爽快! 

6.Paixão Verdadeira
そしてきました。Harmoniaお得意のバラードスタンダード。間違いなく今後語り草となるでしょう。

7.O Caldeirão Vai Ferver
このアルバム初登場。当たり前ですが、初登場曲は客に歌わせずシャンジがきっちり歌います。

8.Tô na Balada
出だしのホーンセクションの騒がしさはHarmoniaの真骨頂ですが、その後のコーラス隊のささやきお兄さんヴォイスの活躍度がさわやかで、しつこさを和らげています。このTo na Baladaに代表されるような、前半ポッピ調に流れ、後半一気にこてこてのPagode Baianoに移行する技は最近多用されています。

9.Nega do Balacobaco
今回の一連の流れのなかで一番好きです。いいな~って思ってたら、案の定ランバエアロビカ用に盛んに踊られていたようでした。♪Nega do Balacobaco e do fuzue~の部分に涙したあなたは完全にHarmonia通。

10.Remelexexe
Batida de rua同様、バイーア・ダンスシーンで流行らせるために勝負をかけてきたナンバー。隙がありません。「ヘメレシェッシェッ!」という音感に触れた途端にピンとこなければなりません。

11.Romance Virtual
Haromoniaバラードスタンダード第2弾。これで何人のブラジル女子が涙したことでしょうか・・

あ~、もうめんどくさ、寝なきゃ。あとは・・

12.Tá Pensando o Quê?
13.Bala Negão
14.Pra Lá que Eu Vou
15.Onde o Samba Rola

全部傑作でした!

前作のAO VIVOよりQeum mandou

Harmonia do samba-Quem mando


Saiddy Bamba~これこそAXE~

2008-09-27 | Axe(アシェー)

 

               

99年結成のSaiddy Bamba。
Pagode Baiano野郎のなかではかなり息が長いほうです。

正統派バイーアスタイルを地でいく、アホバンドの06年リリース作品。

Saiddyといえばなんといっても、ヴォーカルアレックスのいやらし~く、
ねちっこい声。

日本ではなかなか受け入れられそうにありませんが、現地ではそれなりに
カリスマ性があるようです。
自分と歳が同じということもあってかなり親近感をもっています・・

さらにマスコット的存在のLeokrettという男ダンサー。
彼女(彼?)はブラジルのホームページでは
Dancarinoと紹介されているので、ま・・男なのでしょう。



バンド編成はかなり本格的で、良質なアホナンバーの宝庫。
しかし、このLeokrettの気持ち悪い存在(ダンス)によって、
コミックバンド的要素が強くなっています。

でも、かっこよさだけを求めないところがPagode Baiano
の真髄でもあるのです。

06年~昨年にかけて
・Qeubrando e Sambando
・Bicha
・Grita ai
などのヒットを連発。

Harmonia do SambaのXandyとも共演機会があり、Harmoniaの名曲
Quebre e SambaはこのSaiddyから拝借したもの。
ま、AXEの世界では大物とのコラボはよくある話ですが・・

Harmoniaと同様、古参として今後もがんばってほしいもんです。

Leokrettのきもさと男ダンサーの痛快さは必見!

13- Grita ai - Saiddy Bamba

1.Swingueira/Quebre e Sambe/A Porrada é Dura/Tapinha 
2. Metralhada 
3. Diskbrum 
4. Cachorra 
5. Quiu (Bicha 2) 
6. Cara de Maluco 
7. Clima da Galera 
8. Cabecinha (Deixa Eu Botar a Cabecinha) 
9. Quebrando e Sambando 
10. Grita Ai! 
11. Bicha (Olhe a Bicha) 
12. Se Joga Negão 
13. Se Quiser Quebre, Se Quiser Sambe 
14. Sou o Swingão 
15. Arrasta Tudo 
16. Mosquito