初めて買ってもらったレコードは”泳げたいやきくん”だった。 それこそ毎日毎日擦り切れるまで聴いたっけ。でもまだ自分から音楽を求めていた訳ではなかった気がする。
ちょうど10歳の時にアメリカ留学から帰ってきたねぇちゃんがくれたスリラーのPVに衝撃をうけたのが、今思えば本当の音楽との出会いだったような気がする。
当時13歳だったボクは、歌番組で出てくるようなアイドルや歌謡曲には興味はなく、ミュージックライフやロッキングオン、パチパチなんかで情報収集し、FMでエアチェックをする日々を過ごしていた。そんなちょっとオタクな少年はある日衝撃的な広告を目にするのだった・・・・
と前置きが長くなりましたが、タイトルでピンときたあなた。 さすがです。
そう、いってきましたよ”BEATCHILD1987”
と、その前にBEATCHILDとは?
87年8月22日から23日にかけて南阿蘇の特設野外ステージで行われたオールナイトの伝説的なフェス。 何が伝説って、出演したアーティストも豪華なら、その集まった観客数やステージの規模、なんと言っても台風の豪雨と強風の悪天候の中、朝まで12時間演ったんですから。
The Blue Hearts Red Warriors 岡村靖幸 白井貴子 Hound Dog 尾崎豊
Boowy The Street Sliders 渡辺美里 佐野元春
今じゃこの人たちが同じステージに立ったなんて信じられないでしょ。
九州なんて想像もできないくらいの距離感だったし、オールナイトなんで18歳未満は保護者同伴でなくては入れないし、そこにいる可能性は1%もない現実に、ただただやりきれない想いだった気がします。 後日、雑誌のレビューで7万人が集まったとか、ものすごい豪雨で会場が泥沼みたいになったなどの情報しかなく、音源を耳にすることはありませんでした。 いつか音源を聴ければいいなぁ~と思ってたんですよ。
そんな伝説のフェスが映画化されたとあっちゃ行くしかないでしょ!
いやぁ、良かったよ。長年の夢がかないました。
アーティストも大変だったでしょうけど、オーディエンスはもっと大変だったでしょうねぇ。
最後、佐野元春の”someday"のところで雨があがり日が差してくるところなんか、グッときましたよ。
これぞRock。 意味なんて考えなくていいんです。ただ五感で触れることが大切。
劇場限定公開なんで、興味があれば見ておいて損はございませんというか後悔するね。
BEATCHILD 1987.8/22,23 グリーンピア南阿蘇 アスペクタ
”ベイビー 大丈夫かっBEATCHILD1987”
2013.10/26~
TOHOシネマズなど