少し前の話になるが、NHKの「けさのクローズアップ」で20~50代のいわゆる現役世代の孤独死も少なくないことが分かってきたことを取り上げる特集をやっていた。
詳細は番組HPでまとまってあるので割愛(かつあい)してしまうが、この特集の最後に、『若いうちから、家庭や職場だけでなく、趣味や地域での活動など、社会の中にさまざまな“つながり”をもっておくことが重要だ』というアドバイスに私は疑問を感じた。
なぜなら孤独死の事例で紹介されていた男性は、若い頃はサーフィンをするなど地域のつながりのあった人だったからである。しかしその後、離婚をし、病気で会社を辞めることになり、そして孤立していった。こうした状況を見る限り、若いうちから地域のつながりを持っておくことが重要とは思えない。
では何ができるのだろうか。一つには、誰でも少しの人生のつまづきから、孤独死に陥(おちい)る可能性があることを理解しておくということではないだろうか。そして苦しい時こそ、人とのつながりが必要であると心得ておくことではないかと私は思う。本人だけでなく、その周りの人、そして社会みんなでの共通理解が必要なのだと思う。
特集の中でも触(ふ)れられているが、現役世代は子育てという接点がないと福祉サービスが乏(とぼ)しい状況にある。家族だけでは支える力が弱い場合は、大病(たいびょう)を患(わずら)った時や離職した時にでも、社会とのつながりを維持できるような声掛けだったり、相談窓口へつなぐ仕組みの構築が必要なのかもしれない。
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